原著

認知機能が高いほどFunctional Independence Measure利得が大きいことを証明するための3種類の方法

徳永 誠, 三宮克彦, 大橋妙子, 米村美樹, 坂田大介, 今屋将美, 杉谷英太郎, 光永 済, 椎葉誠也, 中島雪彦
Jpn J Compr Rehabil Sci 5: 26-32, 2014

【目的】3種類の方法を用いて,認知機能とFunctional Independence Measureの運動項目の改善度(運動FIM利得)との関係を明らかにする.
【方法】対象は,回復期リハビリテーション病棟に入棟した脳卒中患者1,101例.@運動FIM effectiveness を目的変数とした重回帰分析,A入院時運動FIMを狭い範囲に絞った重回帰分析,B標準患者分布を用いた調整という3種類の方法で,入院時FIMの認知項目合計点(入院時認知FIM)と運動FIM利得との関係を調査した.
【結果】@Aの重回帰分析では,入院時認知FIMが説明変数として選択され,その回帰係数は正の数値であった.B認知症の調整平均運動FIM利得は,非認知症の平均運動FIM利得よりも小さかった.
【結論】3種類の方法いずれも,認知機能が高いほどFIM利得が大きいことを証明することが可能であった.

【キーワード】FIM effectiveness,重回帰分析,FIM利得,層別化

第5巻 目次