鄭 丞媛, 井上祐介, 近藤克則, 松本大輔, 白石成明
Jpn J Compr Rehabil Sci 5: 19-25, 2014
【目的】本研究では,多施設データを用い,急性期と,回復期の退院時Functional Independence Measure(FIM)
の予測式を開発することを目的とした.
【方法】急性期4,311人(22病院)と回復期1,941人(24病院)のデータをそれぞれ(開発群と検証群の)2群に分け,重回帰分析により退院時FIMの予測式を開発し,検証群での妥当性も検証した.
【結果】急性期の退院時FIMの予測式は85.04+(−0.53×年齢)+(12.06×くも膜下出血)+(−7.90×合併症あり)+(−0.70×発症後入院病日)+(1.24×入院時GCS)+(−1.08×入院時NIHSS)+(−4.15×発症前mRS)+(0.30×入院時運動FIM)+(1.03×入院時認知FIM)となった(R2=0.78).回復期の退院時FIM予測式は33.04+(−0.34×年齢)+(−3.88×合併症あり)+(−0.11×発症後入院病日)+(2.44×入院時GCS)+(−1.68×発症前mRS)+(0.53×入院時運動FIM)+(1.25×入院時認知FIM)となった(R2=0.66).
【結論】多施設大規模データベースを用い急性期と回復期を分け外的妥当性を検証した退院時FIMの予測式を開発した.
【キーワード】退院時FIMの予測,脳卒中患者,急性期, 回復期リハビリテーション,リハビリテーション患者データバンク