原著

大腿骨近位部骨折の運動FIM改善(補正運動FIM effectiveness)と年齢との関係

徳永 誠, 中西亮二, 清田克彦, 久保田晃志, 高橋知幹, 重本弘文, 高橋修一朗, 中根惟武, 米満弘之
Jpn J Compr Rehabil Sci 5: 131-135, 2014

【目的】大腿骨近位部骨折患者における運動FIM改善(補正運動FIM effectiveness)と年齢との関係を明らかにすることを目的とした.
【方法】対象は,大腿骨近位部骨折患者886例である.補正運動FIM effectiveness =運動FIM 利得/(A−入院時運動FIM)の平均が0.65 程になるようなA の数値を求めた.年齢を5歳刻みで7群に分け,補正運動FIM effectiveness の平均値を求めた.
【結果】入院時運動FIM が13〜18点,19〜24点, 25〜30点,31〜90点におけるAの数値は,それぞれ47点,70点,85点,91点であった. 補正運動 FIM effectiveness は,80歳以上では年齢が上がると低下した.
【結論】脳卒中では70歳以上で運動FIM改善が低下すると報告されているが,大腿骨近位部骨折で運動 FIM改善が低下するのは80歳以上であった.

【キーワード】大腿骨近位部骨折,補正運動FIM effectiveness,FIM利得,年齢

第5巻 目次