尾崎健一, 加賀谷斉, 近藤和泉, 才藤栄一, 今井幸恵, 園田 茂, 伊藤慎英
Jpn J Compr Rehabil Sci 5: 109-116, 2014
【目的】三次元動作解析装置を用いた片麻痺運動障
害の定量的評価法Quantified Paralysis Performance
Assessment(QPPA)を開発し,臨床場面で使用する前段階として,再現性と,最小可検変化量を検証することである.
【方法】初発脳卒中患者66名(男性39名,女性27名,年齢60±12歳(平均±標準偏差))を対象として,QPPAでの計測を2回1セットで行った.計測は上肢機能(腕=QPPA-UE),下肢機能(股関節=QPPAHip,膝関節=QPPA-Knee,足関節=QPPA-Ankle)の4種類を行い,各指標マーカの拳上距離と最大速度を代表値とした.1セットの計測の各代表値から,級内相関係数(Intraclass correlation coefficient; ICC),および,最小可検変化量(minimal detectable change)の95%信頼区間(以下,MDC95)を算出した.
【結果】急性期の同一症例から2週間以上の間隔を空けて,2セットの計測値が得られた場合は,別のデー
タとして分析を行い,総計91セットの計測値からQPPA 指標におけるICC0.956〜0.989 およびMDC95
4.56〜6.79%を得た.
【結論】QPPAの代表値は高い再現性を示した.また,
最小可検変化量は小さく,順序尺度の評価法より臨床的変化を鋭敏に捉えられると推測された.
【キーワード】三次元動作解析,片麻痺,間隔尺度