原著

Cube Copying Test(CCT)採点法の信頼性・妥当性に関する臨床的検討

森 志乃, 大沢愛子, 前島伸一郎, 尾崎健一, 櫻井 孝, 近藤和泉, 才藤栄一
Jpn J Compr Rehabil Sci 5: 102-108, 2014

【目的】立方体透視図模写 Cube Copying Test(CCT) の採点法は,さまざまなものが提唱されている.その妥当性に関する研究は散見されるが,信頼性を検討した研究は少ない.また複数の採点法を同一症例群に施行し比較した報告はない.今回,複数採点法の信頼性と妥当性および空間認知機能評価の役割について検討した.
【方法】対象は,もの忘れ外来を受診した患者33名.2名の評価者が,2種類の採点法を用いて独立して採点した.
【結果】2種類の採点法ともに有意な検者間・検者内信頼性を認めた.基準関連妥当性の評価として, Raven's Colored Progressive Matrices やFrontal Assessment Battery との間に有意な相関を認め,CCT が視覚認知機能や遂行機能を反映することが確認された.またCCTは教育年数との間に有意な相関を認め,年齢や罹患期間よりも教育年数に影響を受けやすいことが示唆された.

【キーワード】立方体透視図模写,認知症,信頼性,妥当性 

第5巻 目次