原著

ステレオマイク入力端子を用いた低コスト2ch筋電図バイオフィードバック装置

村岡慶裕, 石尾晶代, 武田湖太郎
Jpn J Compr Rehabil Sci 5: 1-6, 2014

【目的】筋電図バイオフィードバック(EMG-BF) 療法を行うためには,高額の装置を購入する必要がある.そのため医療機関によっては購入が困難であり,EMG-BF療法は十分に普及していない.本研究は,十分な工学的知識を有していなくても自ら部品を調達して,製作することが可能な一般PCのステレオマイク入力端子を用いた低コストEMG-BF装置を開発することを目的とした.
【方法】本装置は,電極,コード,筋電アンプ,マイク入力端子付汎用PCより構成した.必要最小限の部品数で極力平易な設計とした.
【結果】アンプ本体部の部品数は,20点程度で容易に入手可能であり,その総額は約1,600円であった.製作した機器を用いて,健常成人の橈側手根伸筋と尺側手根屈筋のEMG をPC画面上に表示することがで き,筋収縮量を十分に視認可能であった.
【結論】本装置により,EMG-BF療法の普及が促進し,臨床現場や自宅におけるリハビリテーションの質の向上をもたらすことが可能であると考えられた.

【キーワード】筋電図モニター,筋電図バイオフィードバック療法,運動学習,ニューロリハビリテーション

第5巻 目次