徳永 誠, 渡邊 進, 寺崎修司, 田北智裕, 米原敏郎, 西 徹, 金澤親良, 川野眞一, 山隈維昭, 山鹿眞紀夫, 橋本洋一郎
Jpn J Compr Rehabil Sci 4: 88-96, 2013
【目的】日常生活機能評価表(NSKH)の入院料基準に病院間での重症度分布の違いを反映させる方法を検
討する.
【方法】対象は脳卒中患者3,389 例.NSKH を0〜4点,5〜9点,10〜14 点,15〜19点の4区分とし,4区分の患者割合・NSKH利得・在宅復帰率を全病院と7病院で調査した.全病院の患者割合(標準重症度分布)で補正して,各病院の調整NSKH利得と調整在宅復帰率を求めた.
【結果】病院間で,NSKH10〜19点の重症患者割合は29.4〜44.8%,重症患者のなかで15〜19点の患者割合は33.6〜50.2%,平均入院時NSKH は6.52〜
8.60点,調整NSKH利得は2.23〜3.50点,調整在宅復帰率は58.3〜74.3%という違いがあった.
【結論】平均入院時NSKHの数値が高い病院に高評価を与えること,NSKH利得と在宅復帰率は標準重症度分布で補正した数値を用いることが必要と考える.
【キーワード】日常生活機能評価表,成果指標,在宅復帰率,利得,重症患者割合