原著

脳卒中回復期リハビリテーションにおけるセラピストの臨床経験年数とFIM 利得・効率との関連性

河ア靖範, 槌田義美, 山鹿眞紀夫, 古閑博明, 中村 剛, 野瀬善明, 飯山準一
Jpn J Compr Rehabil Sci 4: 55-60, 2013

【目的】理学療法士(PT),作業療法士(OT)の経験年数によって,リハビリテーション(リハ)の治療成績に違いがあるかを,Functional Independence Measure (FIM)を用いて明らかにする.
【方法】脳血管障害(CVA)患者354名を担当したPTまたはOTを対象とした.評価尺度を運動項目についてのFIM利得(以下,運動FIM利得と略す)ならびにFIM効率(以下,運動FIM効率と略す)として,単回帰分析,重回帰分析,層別単回帰分析で解析して検討した.移乗・移動・階段FIM利得・効率とPT経験年数,食事・整容・清拭・更衣・トイレ動作・排尿 管理・排便管理FIM利得・効率とOT経験年数,運動FIM利得・効率とPTおよびOTの経験年数の和とした.
【結果】PT 経験年数と中等度障害患者の運動FIM 利得にわずかな正の関連がみられた.OT経験年数,運動FIM効率には関連がみられなかった.
【結論】下肢のADLにはPTの経験年数が影響している可能性が示唆された.

【キーワード】経験年数,運動FIM利得,リハビリテーションの質

第4巻 目次