原著

療法士養成校学生に対するコミュニケーションスキル習得を目指した授業の効果

金高恵子, 鈴鴨よしみ, 角井俊幸, 道又 顕, 出江紳一
Jpn J Compr Rehabil Sci 4: 47-54, 2013

【目的】療法士養成校学生は臨床実習でコミュニケー ションスキル(CS)が要求される.そこでコーチング理論に基づくCS習得授業を導入し効果を検証した.
【方法】対象は専門学校2年生で,作業療法学科14名を授業群,理学療法学科21名をコントロール群とし,授業群にはCS授業を6回行った.CS自己評価,他者評価(授業群のみ),不安,自己効力感を,授業実施前(T1),T1の2ヵ月後(T2),同3ヵ月後の臨床実習前(T3)で測定した.また授業群による授業評価をT2に行った.
【結果】授業評価では,必要度,満足度,内容,興味,理解において全員が5段階中上位2肢を選んだ.CS自己評価は,両群ともT1よりもT2,T3で得点が上昇した.他者評価は,T1,T2よりもT3で得点が上昇した.状態不安は授業群で変化がなく,コント ロール群ではT3で増大した.
【結論】本授業は学生のCSを向上させ,臨床実習前の状態不安を抑制すると考えられた.

【キーワード】コーチング,コミュニケーション,臨床実習,教育,リハビリテーション専門職

第4巻 目次