原著

新たな体幹―下肢結合3次元筋骨格モデルによる立位体幹前傾動作解析

嘉川貴之, 島田洋一, 宮腰尚久, 松永俊樹, 畠山和利, 巖見武裕
Jpn J Compr Rehabil Sci 4: 17-21, 2013

【目的】新しい体幹−下肢結合3次元筋骨格モデルを作成し,立位体幹前傾動作の解析を行った.
【方法】健常成人の筋骨格計測より新しい体幹−下肢結合3次元筋骨格モデルを作成した.このモデルを用いて健常成人5名の立位体幹前傾動作解析を行い,動作に関わる脊柱起立筋,腹直筋,大殿筋の筋力推移を算出し,立位静止時の筋活動量と最大筋活動量の比および統計学的有意差を検討した.
【結果】立位静止時の筋活動量と最大筋活動量の比は,脊柱起立筋で平均1: 3.94±0.65(Mean±SD),腹直筋で平均1:1.75 ± 0.22,大殿筋で平均1: 4.07±0.68 となり,全ての筋で立位静止時の筋活動量と最大筋活動量の間に統計学的有意差を認めた(paird t-test; p < 0.0001).
【結論】モデルから算出された体幹−下肢筋活動推移は, 筋電図学的報告と同様であり,モデルの妥当性が示された.このモデルを利用することにより,適切な体幹−下肢筋トレーニングを開発するなど臨床への応用が期待できる.

【キーワード】3次元筋骨格モデル, 動作解析,筋活動量

第4巻 目次