原著

回復期リハビリテーション病棟における大腿骨近位部骨折へのアプローチ−転帰先と単位数,在院日数における考察

前島伸一郎, 大沢愛子, 西尾大祐, 平野恵健, 木川浩志
Jpn J Compr Rehabil Sci 3: 72-77, 2012

【目的】回復期リハビリテーション(リハ)病棟へ入院した大腿骨頚部/転子部骨折の日常生活活動と転帰先に及ぼす要因を訓練時間や入院期間の観点から考察した.
【対象と方法】対象は大腿骨頚部/転子部骨折50名で,受傷前の状態,認知機能,健側下肢伸展筋力,日常生活活動(Functional independence measure; FIM)を評価した.転帰先は自宅群と施設・転院群に大別し,介入した理学療法や作業療法などのリハ総単位数と1日あたりの単位数との関係について比較検討した.
【結果】FIM効率は入院後4〜6週が0.32(n=30)であったのに比べて6〜8週が0.11(n=20)と大きく低下し,また多重比較で2〜4週と6〜8週のFIM効率に有意差(p=0.0069)を認めた.
【結語】大腿骨頚部/転子部骨折に対しては,回復期リハ病棟入院後6週を目標に介護サービス・家族指導を含めた退院指導が必要と思われた.

【キーワード】大腿骨頚部/ 転子部骨折,回復期リハビリテーション,単位数,在院日数

第3巻 目次