伊藤直樹, 加賀谷 斉, 堀尾和美, 堀 和朗, 伊藤慎英, 太田喜久夫, 金田嘉清, 才藤栄一
Jpn J Compr Rehabil Sci 3: 66-71, 2012
【目的】起立・着座動作の三次元動作解析から,右片麻痺,左片麻痺患者の左右の非対称性と起立・着座時間の関係について明らかにすること.
【方法】対象は片麻痺患者45 名(右21 名,左24 名),健常成人20 名とした.三次元動作解析を行い,時間および両肩峰の中点の側方成分の軌跡からasymmetry
index(AI)を算出した.健常成人の起立・着座時間の平均値±2× 標準偏差(SD)を基準に平均値±2SD
以内,平均値±2SD 以外の2群に分けAI,麻痺側下肢運動機能などを比較検討した.
【結果】起立・着座時間は右片麻痺,左片麻痺ともに健常成人よりも有意に時間が延長していた.左片麻痺のAI は起立・着座とも平均値±2SD以外で有意に高値であった.左片麻痺の起立では下肢機能も有意に低値であった.
【結論】左片麻痺患者では,AI が非麻痺側に偏位し,
下肢の運動機能が低下している場合に起立動作時間が延長する.
【キーワード】起立・着座動作分析,起立・着座時間, 非対称性,asymmetry index