佐藤新介, 水間正澄, 川手信行, 笠井史人, 和田真一
Jpn J Compr Rehabil Sci 3: 6-10, 2012
【目的】立ち上がり動作(sit-to-stand motion,以下
STS)の過去の研究はほぼ矢状面における動作分析をテーマとしている.われわれはSTSの左右非対称性に着目し,体圧分布測定システムBIG-MAT(以下,BM)を用いた検討を行った.
【方法】BMを用いて,健常人男性10名に左右対称を意識したSTSを行わせ,両足底部の圧力変化を15
回ずつ記録した.BMによって得られた圧力感度の図をもとに,左右の前・後足部それぞれの荷重ピーク圧力の経時的変化を評価した.
【結果】前足部荷重ピークの時間的左右差が0.2 秒以内に収まっているものは50.3±12.8%,それ以上のずれが生じたものは45.0±14.1%,ピークそのものが存在しないものが4.0±0.5%であった.
【結論】STSは左右対称を意識した状況であっても約5割が非対称な動作であった.体幹の微小回旋,側屈,側方移動などの関与が示唆された.
【キーワード】立ち上がり動作,体圧分布測定システム, 体幹動揺,動作分析,BIG-MAT