原著

年齢が回復期リハ病棟における脳卒中患者のFIM 利得に及ぼす影響

徳永 誠, 米村美樹, 井上理恵子, 三宮克彦, 中島雪彦, 渡邊 進, 中西亮二, 山永裕明, 米満弘之, 園田 茂
Jpn J Compr Rehabil Sci 3: 32-36, 2012

【目的】年齢が脳卒中患者のFunctional Independence Measure(FIM)総得点利得に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.
【方法】A病院の回復期リハビリテーション病棟を退院した脳卒中患者1,572例を対象とし,入院時FIMで6群,年齢で4群(59歳以下,60〜69歳,70〜79歳,80歳以上)に層別化し,この24群におけるFIM利得の平均値を比較した.
【結果】入院時FIMが18〜107点の範囲では,年齢が増すとFIM利得は有意に低下した.入院時FIMが36〜53点の場合,80歳以上のFIM利得(平均19.7点)は59歳以下のFIM利得(平均51.8 点)の38%に相当した.入院時FIMが108〜126点では,年齢とFIM利得との関連は明らかでなかった.
【結論】天井効果がある入院時FIM108〜126 点の患者を除けば,高齢者では若年者より有意にFIM利得が低かった.

【キーワード】年齢,FIM 利得,層別化,脳卒中,回復期リハビリテーション病棟

第3巻 目次