原著

加圧・加熱食肉ゲルの物理的特性と嚥下動態からみた嚥下食への適応性

時藤亜衣, 松嶋康之, 蜂須賀研二, 吉岡慶子
Jpn J Compr Rehabil Sci 3: 18-25, 2012

【目的】加圧・加熱処理食肉ゲルの嚥下障害患者における嚥下動態から嚥下食としての適応性を調べた.
【方法】豚挽肉:水=1:0.5および1:1の割合で,食品加圧試験装置を用い400MPa 20分間加圧し,80oCになるまで過熱水蒸気で加熱して加圧・加熱ゲル(PHゲル)を調製した.また,加熱パティ,加熱ぺーストを調製して,テクスチャー測定,官能評価および嚥下造影検査(VF)を行った.
【結果】PHゲルのテクスチャー値は加熱パティと比較して軟らかく,加熱ペーストより付着性が低く,官能評価では弾力性に富み,飲み込みやすく,残留感がないとされた.VFでは1:1PHゲルの咀嚼回数,嚥下回数は14.6回,3.1 回であり,口腔・咽頭通過時間は12.33秒で,1:0.5PHゲルや加熱パティよりも短かった.
【結論】1:1PHゲルは食塊が形成されやすく,嚥下が容易であり,嚥下障害者に適した食肉製品であることが示唆された.

【キーワード】加圧・加熱食肉ゲル,物理的特性,嚥下食,嚥下障害者,嚥下造影検査

第3巻 目次