原著

脳卒中リハビリテーションの訓練時間と帰結との関係:全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会調査(第2報)

永井将太,園田 茂,宮井一郎,筧 淳夫,後藤伸介,高山優子,太田利夫,伊藤 功,山本伸一,瀧澤泰樹,加来克幸,井上由起子,石川 誠
Jpn J Compr Rehabil Sci 2: 77-81,2011

【目的】2010年度より開始された「休日リハビリテーション(以下,リハビリ)提供体制加算」,「リハビリ充実加算」の科学的根拠を検証した.
【方法】回復期リハビリ病棟に入院した脳卒中患者を対象とした.方法は,全国回復期リハビリ病棟連絡協議会の会員施設11施設へアンケートを郵送し,必要なデータを採取した.対象11施設を,理学・作業・言語聴覚療法の合計実施時間で3つの群に分類した.20分のリハビリ実施を1単位に換算し,週7日間1日6単位以上提供している施設を6単位以上施設群,4単位以上6単位未満の施設を4単位以上施設群,4単位未満の施設を4単位未満施設群として,各施設群の治療成績を比較した.
【結果】入院時FIM運動項目合計点と認知項目合計点を比較すると,4単位未満・4単位以上施設群と比べ,6単位以上施設群では有意に低かった.在院日数に関して4単位未満・4単位以上施設群と比べ,6単位以上施設群では,約12日程度有意に短かった.
【結論】以上の結果より,休日においても,1日6単位以上提供している施設では,重症脳卒中患者を比較的多く収容しているにもかかわらず,在院日数を有意に短縮していた.

【キーワード】回復期リハビリテーション病棟, 脳卒中, 訓練時間,治療成績

第2巻 目次