原著

慢性閉塞性肺疾患における低強度運動療法「座ってできるCOPD 体操」の効果

高橋仁美,菅原慶勇,佐竹將宏,塩谷隆信, 加賀谷 斉,河谷正仁
Jpn J Compr Rehabil Sci 2: 5-12, 2011

【目的】本研究の目的は,独自に考案した低強度の「座ってできるCOPD 体操(COPD 体操)」を中心とした呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)を安定期COPD患者に施行し,その有効性を検討することである.
【方法】対象は,外来通院中のCOPD患者67例(全例男性)で,これらの症例を在宅で呼吸リハを実施した体操群35例と1カ月に一度の教育だけを受けたコントロール群32例に無作為に分けて検討した.
【結果】目標呼吸困難スコア(Target Dyspnea Rate)の2で行わせた有酸素運動のpeakVO2 は,39.4〜52.1%と低強度であった.在宅での実施率は,ストレッチ92%,有酸素運動76%,上肢筋トレーニング40%,下肢筋トレーニング44%であった.体操群は3カ月後にVC,%VC,FVC,FRC, RV,RV/TLC, 6MWD,CRQ が有意に改善していた.コントロール群では有意な変化はみられなかった.
【結論】COPD 体操は,安定期COPD患者の有効な治療戦略となると考える.

【キーワード】COPD,呼吸リハビリテーション,低強度,体操

第2巻 目次