原著

高次脳機能障害支援コーディネーターのバーンアウト傾向に関する研究

白山靖彦, 中島八十一
Jpn J Compr Rehabil Sci 2: 13-17, 2011

【目的】高次脳機能障害支援コーディネーター(Support Coordinator;SC)のバーンアウト(Burnout;BO)傾向を定量的に検証する.
【方法】全国SC会議に出席した66 名を対象として,個人属性ならびに日本版BO尺度を用いてアンケート調査を実施した.
【結果】対象者66名のうち,SCは65名であった.日本版BO尺度の各下位因子の平均得点は,情緒的消耗感13.40(±4.36),脱人格化11.18(±3.65),個人的達成感16.98(±3.92)であった.BO傾向が認められたSCは,9名(13.8%)であった.個人属性間における下位因子得点の比較では,性別(情緒的消耗感:女性>男性),役職(個人的達成感:管理職>非管理職),職務満足度(情緒的消耗感,脱人格化:不満群>満足群)で有意差を示した.
【結論】SCのBOを防止するには,個人属性に配慮したケアと早急な組織的対応の必要性が示唆された.

【キーワード】高次脳機能障害,支援コーディネーター,バーンアウト,日本版バーンアウト尺度

第2巻 目次