小野木啓子, 近藤和泉, 才藤栄一, 加藤正樹, 及部珠紀
Jpn J Compr Rehabil Sci 1: 1-6, 2010
【目的】スライド式内側股継手付長下肢装具
(Primewalk system)をヒンジ式股継手付長下肢装具
(Walkabout system)と比較し,その効果を検討した.
【方法】Walkabout system による歩行に熟練し,かつ
Primewalk system による歩行訓練を1ヶ月以上施行し
ている7名の対麻痺者(男性6名,女性1名,年齢
20-45 歳)を対象とした.各装具を用いた歩行の平均
歩行速度,歩調,歩幅を計測し,1名の患者で骨盤の
回旋角度を測定した.
【結果】Primewalk system の方がWalkabout system よ
り歩幅は長く,歩調は速く,歩行速度は速かった.歩
幅を骨盤回旋角度に除した値はPrimewalk system の方
が大きかった.
【結論】Primewalk system は股継手上方に仮想軸を置
くことにより,対麻痺者の歩行効率を高める効果を有
していた.
【キーワード】対麻痺,歩行,装具,内側股継手