抗生物質の力価について簡単に解説します。抗生物質の表示方法には単位か重量(力価)が用いられます。
以下の8種類の抗生物質の力価は単位で表されます。
| ペニシリン | *下記参照 | ナイスタチン | 1 単位= 0.27 μg |
| コリスチン | 30,000 単位= 1μg | ポリミキシンB | 1 単位= 0.129 μg |
| バシトラシン | 1 単位= 23.8 μg | バリオチン | **下記参照 |
| トリコマイシン | 1 単位= 0.15 μg | ネオカルチノスタチン | 1 単位= 0.67 μg |
上記8種類以外の抗生物質の力価は、抗生物質の重量で表されています。ペニシリンも上記3種類のペニシリン以外は、それぞれのペニシリン部分の重量をもって表されています。
通常は、ナトリウム塩、カリウム塩などの場合にも、塩基としてではなくその抗生物質部分の重量で力価が表されます。この点は、抗生物質中の電解質を計算する場合に注意する必要があります。(例)静注用ホスミシンS2g(力価)中に含まれるナトリウムの量を計算する。
ホスミシンSはホスホマイシンナトリウムとして製剤化されていますが、力価はホスホマイシンとしての重量を表しています。添付文書にホスホマイシンナトリウムの分子量が 182 と記載されています。ホスホマイシンナトリウムは2価のナトリウム塩なので、ホスホマイシンの分子量は、182−23×2+2=138 です。よってホスホマイシンをホスホマイシンナトリウムに換算すると2 g ×182/138=2.638 g となります。ホスホマイシンナトリウム中のナトリウム量は、2.638 g×(23×2/182)=0.667 g、667 mg/23=29 mEq と計算されます。
例外として、テトラサイクリン系の若干(クロルテトラサイクリン類、テトラサイクリン類、デメチルクロルテトラサイクリン類、メタサイクリン類)、グラミシジンs類、ダウノルビシン系(ダウノルビシン類とドキソルビシン類)は、その塩酸塩重量によって、スピラマイシン系ではスピラマイシンI、II、III の一定の混合物(それぞれ50、25、25%)の重量によってその力価が表されています。これらは、それぞれの抗生物質が発見されたときの発見者の決定に由来するものです。