血糖自己測定器について

 血糖自己測定器及び試験紙は多くの種類が市販されていますが、各測定器の特徴を知っておくことは薬剤師にとって必要であると思われます。そこで、血糖測定器及び試験紙についてまとめてみました。

1) 測定原理
(a) 酵素電極法(GOD、GDH)
グルコースオキシダーゼ(GOD)法・・・ エクザクティック2A、グルテストエース、デキスターZ、グルコカード
センサー中にGODとフェリシアン化カリウムを含み、血液中のブドウ糖と特異的に反応し、グルコン酸と電子を発生します。この電子はフェリシアン化カリウムをフェロシアン化カリウムとし、これに一定の電圧を加えることで再びフェリシアン化カリウムとなり、そのとき電流が発生します。この電流が血液中のブドウ糖濃度に比例することを応用したものです。

グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)法・・・アドバンテージ
センサー中のGDHが血液中のブドウ糖と反応し、グルコノラクトンと電子を発生します。センサー中に含まれるフェリシアン化イオンを還元型のフェロシアン化イオンにし、再びフェリシアン化イオンに酸化させ電極に起電力が発生しこれが血液中のブドウ糖濃度に比例することを利用したものです。


(b) 酵素比色(比色定量)法(HX、GOD / POD)
ヘキソキナーゼ(HX)法・・・タイド
ブドウ糖にHXを反応させ、グルコース-6-リン酸(G6P)とし、ついでグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PDH)の作用でNADHとテトラゾリウムを生成し、ジアホラーゼを作用させることで発色したホルマザンを比色定量します。


グルコースオキシダーゼ / ペルオキシダーゼ(GOD / POD)法・・・ノボアシスト、メディセーフ
GODの作用でブドウ糖が過酸化水素とグルコン酸を生成し、PODの作用で反応試薬中の色原体と反応しキノン系色素が生成され、これを比色定量します。


(2) 酸素分圧の影響
 GOD法は血液中の溶存酸素分圧が大きいほど血糖値は低く測定されます。外来診察室や救急処置室、病棟では簡易血糖測定器を用いられることもあるため、測定に動脈血を用いたり、呼吸管理のために酸素を使用している患者ではこの方法は避けることが望ましい(酸素分圧100mmHg未満群と100mmHg以上群で測定値に誤差が生じるという報告有り)とされます。しかし、通常、患者が毛細管血や静脈血にて自己血糖測定を行うに関しては、何ら影響はないと考えられます。(参考:動脈血の酸素分圧 約95mmHg、静脈血の酸素分圧 約40mmHg)
 その他の測定法では酸素分圧の影響は受けにくいとされています。

(3) ヘマトクリットの影響
 ヘマトクリット値が20%〜約60%の間にある場合は、各器測定値の誤差は見られませんが、極度の貧血患者や透析患者のような20%を下回る血液では高値に、逆に新生児や生理前の女性などのような55%を上回る多血症血では低値を示します。(参考:男性正常値 39%〜50%、女性正常値 36%〜45%)

(4) 検体の測定の仕方
 検体を吸引する測定器と点着する測定器に分けられます。お年寄りや目の不自由な患者には、点着式よりも吸引式の方が取り扱いやすいと考えられます。

・各機種により多少の違いが見られますが、一つの測定器を使う分には測定値についてさほど大きな問題はないでしょう。むしろ測定器の使い方や試験紙の取り付け方、血液の吸引・点着の手技の確認、測定値が日常よりも異なる値を示したときの対処法等の、いわゆる患者教育が重要であると考えられます。