<事例報告>
急性期病院入院中における医科歯科連携の構築-地域連携室事務が主体となりマネジメントを行う意義-

田中彩香 岡本真知 岡田可菜 中村ゆかり

医療法人社団東山会 調布東山病院

【要旨】
 調布東山病院(以下当院)では、入院中の患者に対し口から食べることを支えるため摂食嚥下チームが精力的に活動している。しかし、当院には歯科がなく、義歯の調整など歯科診療が必要な場合は、一時外出や退院後の受診で対応することが多く、往診が依頼されることは少なかった。そこで地域連携室事務職員が主体となり、必要な患者に対して往診による歯科診療を行う地域連携システムを構築した。調布市歯科医師会との連絡や日程調整を地域連携室が行うことで歯科往診の依頼が容易となり、入院早期からの歯科往診が増加した。不適合義歯の調整などが速やかに行えるようになった結果、高齢入院患者の食形態の維持、向上につながった。