| ごあいさつ |
日本てんかん学会の皆様へ
2019年春のご挨拶と、理事会等のご報告2018年の年末年始のご挨拶から、早2ヶ月が過ぎました。本学会の理事会は、毎年3月、7月、10月に開催し、また年に2回は、日本てんかん協会執行部との合同会議を開催しています。 年始以降に、新しい動向がありました。また2月28日開催の理事会と、3月1日開催の日本てんかん協会執行部との合同会議の内容のうち、特に重要な部分の要点を会員の皆様に、理事会を代表してご連絡いたします。尚、本学会の理事会の詳細は、後日「てんかん研究」に議事録が掲載されますので、ご参照いただけましたら幸いです。 1)本学会てんかん専門医療施設(日本てんかん学会認定てんかんセンター)の施設基準の策定 てんかん専門医療施設(センター)検討委員会(山内秀雄委員長)で、過去1年間で施設基準案を多大なる時間をかけて議論策定していただき、2018年10月の理事会での議論、執行部会議、委員会議論を経て、2019年3月の理事会で審議され、施設基準の制度設計の大枠が承認されました。今後、細則的な部分の検討後1ヶ月以内に最終案が承認される予定です。 2)厚労省のてんかん地域整備事業(本事業)の動向と、2019年度厚労科研との連動 2015年度からの3年間のモデル事業後、2018年度から本事業となり、13都道府県で整備事業が開始されました。それ以外の各都道府県でも、来年度にむけて着々と準備が進んでいるものと思います。この準備には、医療施設、行政、てんかんのある当事者(日本てんかん協会)の3者の連携が肝要であり、さらに医師会との協調が重要です。それぞれの協働を促進するには、まずは各都道府県での「準備会議」の立ち上げが重要と考えております。各都道府県でお困りの場合は、本学会事務局、あるいは日本てんかん協会事務局に是非ご相談いただけますようにお願いします。 また2019年度からの2年間の厚労科研「てんかんの地域診療連携体制の推進のための研究」ではこの本事業を促進するための研究班を、本学会が堅固に協力する体制で進めていく予定です。また「認知症サポート医」の成功を参考にして、「てんかんサポート医制度(仮)」の検討を進めることが理事会で承認されました。 3)日本専門医機構によるサブスペシャルティ領域専門医制度の機構認定 日本専門医機構から2018年12月27日に、サブスペシャルティ領域専門医制度の機構認定の情報が届きました。本学会は、従前より複数の基盤学会からなるサブスペシャルティ領域専門医を目指しますが、前期理事会で認定された領域23学会には入っておらず、「今までに認定、申請等があった未認定領域の学会」に入っています(例えば脳卒中学会、小児神経学会、臨床神経生理学会なども同じ取り扱いです)。1月末にサブスペシャルティ専門医審査のためのレビューシートを提出しました(てんかん専門医委員会小林勝弘委員長)。3月4日に、「サブスペシャルティ領域協議会」が開催され、サブスペシャルティ領域専門医制度認定や運用に関する機構の現在の基本的な考え方の提示と、各サブスペシャルティ領域学会・委員会及び関連する基本領域学会との意見交換が始まります。本学会の専門医がサブスペシャルティ領域専門医となるために、最大限の努力を今後も継続して参ります。 4)多施設共同研究への本学会のサポート体制の検討 ヨーロッパ及び米国等では、数多くの多施設共同研究、レジストリー研究が活発となっています。本学会でも、AMED研究、厚労科研研究などで、多施設共同研究、大規模研究として本学会のサポート体制が必要な場合の制度設計を検討することとなりました(長期計画委員会井上有史委員長)。基礎研究の場合は基礎研究推進委員会で進めていただきます。 5)本学会とJEPICA(全国てんかんセンター協議会)との協議と情報共有、今後の協力体制 本学会とJEPICAの関係に関して、両者間で合同で検討することが肝要であり、情報共有と建設的議論がなされました。その結果、以下が両者で確認されました。1)本学会とJEPICAの活動が補完する部分がある。2)てんかん地域診療連携体制、てんかんセンターの議論を総体で促進して、最終的に本学会主体で進めて行く方向性を模索する。3)JEPICA にはmedical staffの教育を継続していただく。4)本学会とJEPICAの制度に関しては、(個人会員と施設会員の違いはあるが)構成員が重複していること、別の目的を持っていること、別の予算で活動していること、JEPICAでは政策への提言を現在行っていないこと、などから、協力して活動している日本脳神経外科学会と脳神経外科コングレスのような関係に類似している。 また「てんかん専門メディカルスタッフの育成」合同作業部会を設置し両者の間で検討してゆくことが春の理事会で承認されました。今後もお互いに情報共有しながら、てんかんの総体的な問題解決を協力して進めていく予定です。 6)国際関係のご報告 2020年の第13回アジア第13回AOECが2020年10月8日~11日に福岡で開催されますが、着々とその準備が進んでいます。Japan dayとして1日間の規模で1会場での本学会員対象のセッションが予定されます。同年に国内学会の開催は正式にはできませんが、各種必要な企画と会議は開催し、学会出席での専門医更新点数に関しては、本学会年次集会の参加点数と、国際学会参加点数の両者が付与されます。世界中のトップランナーが集う国際学会でありますため、皆様のご理解と積極的なご協力をお願いします。 最後に(本学会の今後の益々の国際化への取り組み) 理事長就任から1年4ヶ月が経ち、この間の皆様のご協力とご理解に心から感謝いたします。本学会は会員数が3000名を超え、ILAEの中で米国に次ぐ第2番目に大きなchapterとなりました。アジアオセアニア領域では、今後本学会がこの領域の牽引車として診療、研究、教育、社会的活動の4点に今まで以上に貢献することが期待されています。 1)例えば、韓国では臨床用のMEGが現在稼働していなく、日本の施設に患者さんが紹介されて検査を受けることが増えてきています。同様の要望は香港、シンガポールからもあります。また、2)政府は今後5年間で50万人の外国人労働者の受け入れを予定しており、現在の127万人が5年後には180万人近くとなり、そのご家族を合算すると、300万人以上になることが予想されます。 すなわち、国際化は、今や年次集会の英語発表などにとどまらず、日常臨床、海外からの患者受け入れ、海外との共同研究など、幅広く進める準備が必要です。過去1年間で、本学会が進めてきた国内のてんかん地域整備事業の推進とてんかんセンターの施設基準の策定などは、すべて今後の国際化の促進に相乗的に利するものと理解いたします。 会員の皆様の益々のご理解とご協力をお願い申し上げます。ご意見がありましたら、何なりと、事務局にお寄せいただけましたら大変幸いです。 理事の皆様、各種委員会メンバーの皆様、評議員皆様、幹事の皆様(太組一朗先生、原 恵子先生、宮本雄策先生)、国際担当幹事の皆様(金澤恭子先生、松本理器先生)、事務局の小島ゆうこ様には、日頃のご協力に心から感謝申し上げます。 2019年3月吉日 追伸 てんかんをめぐるアート展2017(京都)、2016(静岡)の作品を抜粋し英語の翻訳を付けた作品集((PDFファイル)が、個人利用に限り、本学会ホームページの以下のURLで、世界中から広く無料でダウンロードしていただけます。日本だけでなく世界中の一般の皆様に、てんかんを正しく身近にご理解していただくのに、お役に立ちましたら大変幸いです。 http://square.umin.ac.jp/jes/en/links.html http://epilepsy.med.kyoto-u.ac.jp/art-and-epilepsy 2019年 年頭所感 2018年の終わりおよび平成最後の年末に際しまして、この1年間の皆様のご協力への感謝と、新しい年を迎えるにあたり、ご挨拶を申し上げます。 2018年12月吉日 日本てんかん学会理事長就任のご挨拶 2017年11月2日に、日本てんかん学会理事長に就任いたしました池田昭夫でございます。
日本てんかん学会は当初研究会として発足して以来、昨年50周年を迎えました。てんかんを取り巻く状況は21世紀になって大きく変わりました。てんかんの有病率は全人口の1%弱、米国では1.3%で、我が国では患者数100万人を越える代表的な疾患です。てんかんをとりまく基礎医学、臨床医学、医療の各方面では、めまぐるしい勢いで多様な展開と発展が起こっています。例えば小児医療が充実して小児てんかんの疾病構造が変化し、自閉症などに伴うてんかんが増加しました。一方、高齢者社会となり加齢に伴う高齢者てんかんが急増しています。てんかんを有する人々にベストの「医療」を提供するには、「基礎研究と臨床研究」(研鑽)からの絶え間ない裏打ちが必要で、両者はまさに車の両輪の関係です。それを実行継続するには不断の教育が肝要で「未来」に引き継いでいくことが可能となります。「医療と研鑽と未来」(Best care, Best research and Future)を目標として、日本てんかん学会は、これからも医師と医療従事者が協力して、てんかんを有する人々のために、てんかんをとりまくさまざまな問題を解決できるよう、進歩向上をめざします。皆様のご協力とご理解をよろしくお願い申し上げます。
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