ご挨拶
第69回日本皮膚科学会東部支部総会・学術大会を盛岡市で開催できますことを大変名誉に思います。岩手医科大学皮膚科教室は昭和5年(1930年)増田六之助教授により開講され、以後伊崎正勝教授、昆 宰市教授そして私が主催して参りました。この間、東部支部総会・学術大会の盛岡での開催は伊崎教授、昆教授に次いで3回目にあたります。教室員、同門会、関係者一同、本学会の開催を大変光栄に存じております。
今回は、10年前と同様に盛岡市の中心にある岩手県民会館において行われます。本学会のテーマは「イーハトーブの国からの発信」です。「イーハトーブ」とは岩手県の童話詩人、宮沢賢治がその童話の中に出てくる自然と文化、科学が一体となった小さな理想郷で、「イーハ」は岩手の方言で「イーナアー」という意味で、「トーブ」は「日本の東部地域」をもじったものと考えられています。鎌倉時代には義経をかくまった藤原氏三代の平泉は小さいながらも京都に対峙する文化を誇っていました。岩手の豊かな自然とともに育まれ融合した文化と医学、そして臨床皮膚科と研究皮膚科の融合を目指しました。皮膚科の臨床の立場からすぐに役立つ治療法と知識が得られるように企画致しました。
特別講演はハーバード大学のMC Mihm教授による「メラノーマの遺伝子診断と治療」、カルフォルニア大学J Koo教授による「皮膚病と心理作用」、国際台湾大学の余 幸司教授による「台湾の特有の皮膚病(仮題)」、韓国カソリック大学GT Chae教授には「免疫機序から見たハンセン病の発症機序」など、お得意の分野からご講演いただきます。教育講演は岩手医科大学病理の菅野祐幸先生から「EBウイルス感染症の新知見」、岩手医科大学口腔解剖学の立花民子先生から「Merkel cellの生物学」岩手医科大学解剖学の人見次郎先生から「皮膚の幹細胞」、熊本大学の影下登志郎先生から「末端黒子黒色腫の特殊性」について、それぞれ最近の知見についてご講演いただきます。シンポジウムは「皮膚の正常と病気?今どこまでわかったのか」、「進行期悪性黒色腫の治療?これからの戦略」「非侵襲的な皮膚悪性腫瘍の治療」の3題で、いずれも第一線で研究・治療にあたっている若手の先生にシンポジストになっていただき、自由に討論する場にしたいと考えました。また、多くのランチョンセミナー、イブニングセミナー、モーニングセミナーも多彩な内容で、是非お楽しみいただけると確信しております。今回はポスターセッションの充実と東部地区以外の先生からもたくさんの演題をいただくために様々な賞を設けました。すばらしい臨床ポスター発表にBest Clinical Poster Award,すばらしい研究ポスター発表にBest Scientific Poster Award,また、すばらしい演題抄録にはBest Abstract Awardを東部、東京、中部、西部の各地区から一人に与えられます。副賞の賞金も出ますのでふるってご参加下さい。
9月下旬の岩手は気候も良く、三陸海岸、八幡平、小岩井農場、平泉中尊寺などの観光に最適です。また、海の幸と松茸など山の幸も旬の時期です。是非学会の合間を見て、秋の岩手を楽しんでいただければ幸いです。多くの皆様が盛岡での東部支部学術大会に参加していただけることを医局員、関係者一同、心よりお願い申し上げます。
第69回日本皮膚科学会東部支部学術大会
会長 赤坂 俊英