●理事長挨拶  
  槇 宏 太 郎
  一般社団法人
日本口蓋裂学会会員各位
 
 
   日本口蓋裂学会の前身である口蓋裂治療談話会が発足してから、 60年が経過し、 1976年の日本口蓋裂学会の設立からは、 45年目を迎えます。会員の皆様のご尽力のもと、現在、3、000名以上の会員を有する学会へと発展してまいりました。
本学会は、 口唇裂・口蓋裂の治療・予防に関する学術の向上等に努め、 もって社会福祉に寄与するとともに,会員相互の知識の交換と親睦をはかることを目的とし、 多分野の専門家が一堂に会する、 極めて専門性の高い学会でもあります。
口唇裂・口蓋裂の治療は、 先人の治療にかける熱意と努力により、 医療技術や治療成績は向上してきましたが、未だ長期にわたる治療と管理が必要となることが少なくありません。
疾患の多様性、 成長・発育の個人差、 外科的治療の施行時期と方法の差異や成育環境の差によって「治療の標準化」が難しい疾患でもあります。
口唇裂・口蓋裂の治療におけるエビデンスに目を向けてみますと、他の疾患の治療と比べ、エビデンスに乏しいことも大きな課題と感じております。
さらに、 口唇裂・口蓋裂は、 種々の環境的要因や遺伝的要因が原因であることは知られていますが、未だ科学的に原因が解明されていない部分も数多くあります。
これらの問題を解決するために、他職種の新しい技術、 研究手法や装置等、 過去になかった技術や手法を積極的に取り入れることで、 さらなる発展を期待できると考えております。

世界の口唇裂・口蓋裂治療をリードしていく学会となることを強く期待しております。 そして、 2025年10月19日〜24日には、 京都の国立京都国際会館において、 国際口蓋裂学会の開催が予定されており、 テーマは「Best time in Kyoto to create cleft history」となっております。 会員の皆様とともに、 誘致活動を行ってきた成果であり、 関係各位の皆様へ心より御礼申し上げます。詳細につきましては、 本学会ホームページからご参照願います。

教育関係では、 日本口蓋裂学会認定師制度が2019年よりスタートし、 現在190名以上の会員が認定師を取得されています。 口唇裂・口蓋裂治療を担う多くの専門家を輩出し、 経験と知識を次世代へ受け継ぐことができるよう、 皆様に認定師の積極的な申請をお願い申し上げます。
 海外研修制度では、 「若手研究者短期海外研修奨励制度」がございます。新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、 残念ながら現在は募集の中止をしておりますが、 次世代の治療を担う若手会員の皆様の積極的な応募をよろしくお願い致します。
世界の口唇裂・口蓋裂治療に触れる機会は大変貴重な機会となりますので、 国際研修活動や国際学会における学術発表を促進し、 サポート体制も整えていく所存です。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延が未だ収束せず、 会員の皆様におかれましても、 何かとご苦労が絶えない状況が続いていることと推察致しますが、 より多くの患者様へ安心安全で良質な医療を提供できるよう、 また、本学会がさらなる発展を遂げていけるよう、 皆様のご支援をいただけますと幸いです。