運動失調症は、小脳を中心とした神経系の障害により、ふらつき、呂律が回らないなどの症状を呈する疾患の総称です。その中で、血管障害、腫瘍、感染、炎症、中毒など他の要因によらない慢性進行性の疾患を、脊髄小脳変性症と総称しています。
脊髄小脳変性症は、遺伝性と孤発性に分類されます。遺伝性の脊髄小脳変性症の原因究明は進んでおり、現在では70~80%の患者様において遺伝子検査で原因が確定します。孤発性の約2/3は多系統萎縮症という疾患です。多系統萎縮症については、別な登録システムがございますので、そちらをご参照ください(現在準備中)。残りは皮質性小脳萎縮症と呼ばれますが、この中には様々な疾患が含まれ、一部は遺伝性の原因が見つかることも明らかになっています。
脊髄小脳変性症の研究は大きく進展しており、治療薬の候補となる物質も見つかってきています。治療薬の効果を正確に判定するためには、病型毎の自然歴を明らかにすることが欠かせません。本研究において、多くの患者様にご登録いただく事で、治療研究の基盤となる情報が充実することが期待されます。
脊髄小脳変性症について、詳しくは、難病情報センター「脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)」をご参照ください。