第9回言語聴覚士協会総会 日本下恩後聴覚学会
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ご挨拶

第9回日本言語聴覚士協会総会・日本言語聴覚学会を終えて
学会長 藤田郁代(国際医療福祉大学言語聴覚学科)
 
 第9回総会・学会は、本年6月21・22日に宇都宮市の栃木県総合文化センターで開催され、盛会裏に終了しました。会場には全国各地から2000名を超える方々が来場され、これまでで最も参加者が多い学会となりました。
 本学会の開催に際しては、本協会の役員および会員の方々はもちろんのこと、栃木県、栃木県医師会・歯科医師会、栃木県理学療法士協会・作業療法士協会など各方面の方々に多大なご支援・ご協力を賜りました。ここに厚く御礼申し上げます。
 本学会ではメインテーマを「言語聴覚療法の最前線」とし、最前線ということばに3つの意味を込めました。第1は、最前線の研究や臨床の成果を発表し討議する場になること、第2は海外の研究者と交流し、最先端の研究情報を得ると同時に、国際的な研究ネットワークを強化すること、第3は言語聴覚障害がある方に対するノーマライゼーションを数歩先に進めることです。この3つの目標は今学会である程度達成されたのではないかと思います。
 個人演題については、小会場では座席が足りなくなるほどの聴衆が集まり、活発な討議が繰り広げられました。演題は各種言語聴覚障害の障害構造、発生メカニズム、評価・訓練・指導法等に関する研究、養成教育、新潟県中越沖地震被災者への支援体験、ベトナムにおける言語聴覚療法の普及支援など非常に多彩であり、本分野の奥行きの広さ、臨床活動の深さをあらためて実感しました。また、シンポジウムやセミナーでは、本領域の重要課題についてまとまった発表があり、非常に充実した討議が行われました。
 個人演題の内容に関しては、臨床と直結した貴重な発表が多く、大いに刺激されました。わが国の言語聴覚士の約70%は20〜30歳代であり、発表者も比較的に若い言語聴覚士が多かったように思います。発表演題の中には研究方法の洗練がもう少し望まれるものもありましたが、多忙な臨床活動の合間を縫って研究を続けられた方々に心から敬意を表したいと思います。同時に、今後の学問的発展の担い手になる、若い言語聴覚士の研究活動をサポートする体制を整えることが急務であると思いました。
 今学会では、海外から4名の講師を招き、認知神経心理学および言語聴覚障害学の第一線の研究を紹介して頂きました。英国のKaralyn Patterson博士とMA. Rambon Ralph博士には、脳病変によって生じる意味障害の解析を通じて、脳内で意味がどのように表現され、処理されるかについて最先端の研究成果をお話し頂き、深い感銘を受けました。韓国のYoon Mi-Sun博士には「韓国における言語聴覚療法の現状と課題」、香港のKathy Y。S。 Lee博士には「聴覚障害児のハビリテーション」について講演して頂き、両国の言語聴覚障害学の現状と今後の方向性について多くの情報を得ることができました。海外の研究者との交流は、わが国の言語聴覚士の役割と課題を浮き彫りにしてくれます。本学会をひとつの契機として、言語聴覚障害研究の国際連携が進み、国際社会で活躍する言語聴覚士が増えるよう、心から願います。
 今回は、言語聴覚障害がある方へのノーマライゼーションが進むよう、一般市民や高校生を対象とした企画をいくつか設けました。まず、市民公開講座としてノンフィクション作家の柳田邦男氏に「心が通い合うコミュニケーション」と題し講演していただきました。命と死にどのように向き合うかについて淡々と語られる先生のことばに目頭を熱くして聞き入っている聴衆が多く見られた素晴らしい内容の講演でした。また、言語聴覚士の活動を紹介した展示コーナーには高校生や一般市民の方々の来場があり、言語聴覚士という職種があることを始めて知った、もっと知りたいなどの声が寄せられ、会場は盛り上がっていました。
 学問の進展は一人の天才によってもたらされることは少なく、大抵は多くの人々がそれぞれの観点から小さな研究を積み重ね、分野全体の研究成果がある閾値に達したとき大きな展開があるように思います。本学会における若き研究者や臨床家の探究心の高まりを見ていますと、言語聴覚障害学領域の「閾値のとき」は着実に満ちてきているように思います。
 最後に、本学会をご支援頂き、ご参加くださった会員の皆様に心から御礼申し上げます。


 
 
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