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学会概要

平成21年4月

日本心臓リハビリテーション学会の成り立ちと活動

北里大学医学部循環器内科学

和泉 徹


  本学会は心臓リハビリテーション研究会を前身としています。この研究会は、先見の明にあふれた先駆者、伊藤良雄(故人、東大教授)、新谷博一(故人、昭和大学教授)、竹内馬左也(元東大教授)、戸嶋裕徳(元久留米大学教授)などの呼びかけにより1978年に開催されました。当時のわが国は、心臓リハビリに関心を抱く人たちが増えつつあるとはいえ、まだまだ黎明期であり、未解決の臨床問題が多くありました。心臓リハビリの実施にあたりましても各々の施設での手探りが続き、試行錯誤が日々続いたと伺っています。そのような状況を打破し、日本の臨床風土に馴染んだ心臓リハ・システムを確立しようと250名ほどの同志が集まり、研究会が発足したとの経緯があります。


   “学会として整備しよう”との声が高まり、本学会設立に及んだのはその後17年、1995年のことであります。ようやくわが国でも各種心疾患者における心臓リハの役割が認められつつあった潮流を受けてのものでした。当時は、運動療法などの効果に関してもなお十分な解明がなされておらず、より学術的なアプローチを深め、社会的認知度も学会活動を通じて高めていこうとの思惑も込められていました。学会設立当初は、心臓リハビリの役割は心事故後の生命予後改善やQOLの獲得、質の高い社会復帰を目的としていました。しかし今日では、再発予防を目指した包括的介入の積極的初動であり、更には新規発症予防をも視野に入れた息の長い循環器病予防活動の一貫として位置づけられてきています。
既に、会員数は2009年2月末で5500名超を数える規模となりました。本学会は医師のみならず、看護師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、管理栄養士、臨床心理士、健康運動指導士など心臓リハ活動に携わる多くの医療関連専門職によって構成されています。少子・高齢化社会を迎えた現在、心疾患発症・心血管事故後も患者負担や家族負担を最小限化し、社会負担や医療者負担、ひいては次世代負担を軽減できるチーム医療を産み出す人材バンクとしての役割も実質担いつつあります。


   事業内容は、学術集会開催による心臓リハビリに関する研究発表、心臓リハビリに関する機関誌等の発行、 心臓リハビリテーション指導士の資格認定、更新及び講習などです。学術集会は2009年で第15回を迎えます。また、心臓リハビリテーション指導士認定制度は2000年に始まりました。心臓リハビリの質的向上のため、医師だけでなくコメディカルをも含めた全体的な質的向上を目指しており、専門技術の認定制度であります。例年の合格率は60〜70%と厳しいにも拘わらず、2008年の第9回認定試験までに約1800名の指導士が誕生し、循環器医療の第一線で活躍しています。


   今後とも、限られた人的・物的医療資源の最大限の活用を図り、心臓リハビリの有用性を駆使しながら質の高い循環器医療に貢献できるよう積極的な発信を繰り返していきます。是非、ご支援賜れば幸いです。