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 最新号案内
 
「臨床倫理」No.4 2016.2 
巻頭言:
居心地の悪さ 
稲葉 一人
原著論文:
患者中心で考察する態度は臨床倫理的能力を向上させる
芥川 茂,満田昌代,北村宅矢,池本和博,稲野聖子,田中啓子,林美保子,牧 一郎
実践・事例報告:
臨床倫理問題の実態把握の取り組み;多職種カンファレンスの活用
飯島 祥彦
終末期医療に関する意識と認識;群馬県A 病院における組合員および外来患者を対象とした質問紙調査結果より
倉林しのぶ,平  洋,鈴木 隆
論 壇:
神経難病の臨床倫理
荻野美恵子
ナラティヴエシックスとはなにか;その理論と実践の体系的検討
金城 隆展
医療・療育現場の臨床倫理学;重症児者の倫理的課題
船戸 正久
小児在宅医療;重い障害をもつ子どもの日々の暮らしをどう支えるのか
橋 昭彦
地域包括ケアシステムにおける終末期医療の法的問題点
赤沼 康弘
医療事故調査制度を巡る,法と倫理の交錯
稲葉 一人
トピックス:
「 認知症の人を対象とする研究倫理」に関するワーキンググループの発足;認知症の人の研究参加に関わる同意・代諾と,意思決定のあり方について考える
箕岡 真子
学会ニュース:
日本臨床倫理学会第4 回年次大会開催のお知らせ
協賛金等のポリシーステートメント
日本臨床倫理学会会則
役員一覧
「臨床倫理」投稿規定
「臨床倫理」執筆要領
「臨床倫理」投稿用紙
 
抄録
患者中心で考察する態度は臨床倫理的能力を向上させる
臨床倫理,4:7−16,2016
芥川 茂,満田昌代,北村宅矢,池本和博,稲野聖子,田中啓子,林美保子,牧 一郎
看護師のどのような臨床倫理的な態度が臨床倫理の問題を解決するために必要なのかを明らかにする ために,看護師に対して意識調査を行った.日常の倫理的違和感,看護師の自己評価,シナリオに対す る看護ケア介入の考察についての調査を1 年の間隔で2 回実施した.日常の倫理的違和感の自由記載と シナリオに対する看護ケア介入の考察を臨床倫理的な課題ととらえ,臨床倫理の4 分割表を用いて分類 したところ,「患者の意向」「周辺の状況」に分類されたコメントが多くみられた.「周辺の状況」とくに「治 療の決定に影響を与える家族の問題」が増加した.そして患者とのかかわりへの意識が強くなり「患者中 心のケアができる」と答えた看護師は1 回目と2 回目の差を比較したところ有意に増加した(P=0.018). 看護師は患者中心でありたいと意識するなかで患者・家族への関心を深め,臨床倫理的にバランスのよ い判断をしようとした結果,臨床倫理的能力を向上させたと推察された.
Key words:患者中心のケア,患者の意向,臨床倫理教育
 
臨床倫理問題の実態把握の取り組み
―多職種カンファレンスの活用―
臨床倫理,4:17−22,2016
飯島祥彦
全国の医療機関は,臨床倫理上判断が求められる問題(臨床倫理問題)に対応するために,病院内倫理 委員会(Hospital Ethics Committee;HEC)や臨床倫理コンサルテーション(Clinical Ethics Consultation; CEC)を設置するようになった.名古屋大学医学部附属病院でもHEC,およびCEC を設置した. しかし,これらの制度が十分に活用されていない現状があった.
2015 年度から,医療スタッフが診療上必要に応じて実践されている多職種カンファレンスを,臨床倫 理問題を審議する場として活用している.本稿は,多職種カンファレンスの制度化が臨床倫理問題の実 態把握に役に立つかを検討するとともに,その課題と対応策を考察したい.
Key words:臨床倫理,病院内倫理委員会,臨床倫理コンサルテーション,多職種カンファレンス
 
終末期医療に関する意識と認識
―群馬県A 病院における組合員および外来患者を対象とした質問紙調査結果より―
臨床倫理,4:23−31,2016
倉林しのぶ,平  洋,鈴木 隆
医学的知識のない人々の「終末期医療に関する意識および認識」の明確化を目的として調査を実施し た.結果から「終末期医療のイメージ」は曖昧であり「延命治療」については「家族」を重視していることが 示唆された.「人工呼吸器の使用」を「延命治療」と捉えるものが多かったが,治療内容の知識は漠然とし たものであった.「延命治療を望む(20.9%)」ものは全体の2 割であった.「リビング・ウィル」の賛否に ついては,約3 人に1 人が「わからない」と回答し,実際に書面の意思表示をしている者は8.1%であっ た.医療者は,リビング・ウィルが万能でないことを知ったうえで,個人がどのような最期を迎えたい のかを明らかにするプロセスへの支援が重要であり,そのためには医療者側の支援だけでなく,地域の なかで気軽に相談できる窓口や情報提供の機会を確保することも必要と思われた.
Key words:終末期医療,延命治療,事前指示,リビング・ウィル
 
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