HOME  English

 副理事長挨拶
 
呉屋朝幸
現在、日本の社会では人々の生き方の多様性が求められ、様々な価値観がありその上に質の高い人権意識の高揚があります。高齢化社会を迎えた日本の医療の現場では生命の尊厳と人権の尊重そして現実には達成可能な医療とその限界などによる倫理的課題に直面することがしばしばですが、このような倫理的規範が確立されているとは言えない現実があります。そして、このことは単なる医療の問題ではなく、人の生命をどのように考えるのかという現代の社会倫理の問題でもあります。この度、このような課題に取り組み、社会におけるこのような課題を議論し、追求するために日本臨床倫理学会が設立されたことは誠に時期を得たものであると思っています。 そして、「臨床」倫理学会とあることは前述の課題追求が単なる学問としての立場からではなく現実の「臨床」現場に即して問題解決や規範提言などについての社会的な議論がなされることを期待しているものです。またこの課題が単なる医療の問題ではなく、高齢化社会を達成した日本で、「死」をどのように考えて、そして生き抜くかという知恵を絞る場であるからこそであり、学会名に「医療」という言葉がありません。大変大きな課題ですが、正面から取り組んでいきたいと考えていますし、一方、会員の皆さまにとって親しみやすい学会であることを目指して運営に工夫していきたいと思っていますので、宜しくご協力、ご指導下さいますようお願いいたします。
  

  
  
富田博樹
価値観の多様化した現代において、倫理的な判断を迫られる臨床の現場での、悩みや戸惑いは、個人の努力では解決が極めて困難な状況になっている。
本学会は、このような悩みを持った人々が集まり、様々な意見を交換し、現代における倫理についての合意できる部分が、少しでも広がっていくことに役立つ場となることを願うものである。
  
  
  
  
  

     
  
清水貴子
このたびの日本臨床倫理学会発足に際しまして、ご挨拶申し上げます。
科学の進歩に伴い、医学もますます高度化複雑化しています。日常診療において私たち臨床家は、この進歩し変化し続ける医学とそれを適応する医療との間で揺れ動き、決定的な場面で何らかの選択を迫られることも少なくありません。 また患者も医療者も、おのおのが多様な価値観をもっているため、この複雑な医療の中でそれぞれの価値観同士が対立して、倫理的ジレンマが生じることもたくさんあります。
医療現場の中で、臨床上の倫理的ジレンマが解決できる場合もあるでしょうが、解決できないような重大な問題も当然あることと思います。さらにもっと普遍的な価値観の追求、時代や社会の状況に応じて変化するような問題もとてもたくさんあります。本学会がこうしたジレンマを皆で考え、検討し、知恵を出し合えるような場所となれたら、大変すばらしいことと思います。
医療に関わる大勢の多職種のかたがたとともに、倫理的にも成熟した医療の実現に貢献する学会となるべく、努力したいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。