●国際呼吸保護学会(ISRP)とは・・・
国際呼吸保護学会(International
Society for Respiratory Protection, 略称ISRP)は1980年9月に、
米国ウェストバージニア州モーガンタウンの国立労働安全衛生研究所(NIOSH)で開催された
国際呼吸保護ワークショップを契機として、世界の呼吸保護及び呼吸用保護具の研究者、専門家
及びメーカー等が研究開発の促進と情報の収集と交換を目的として設立した学会です。
現在、会員は米国、英国、ドイツ、オランダ、スウェーデンなどの欧米諸国の他に、日本、韓国、中国、
オーストラリア、ブラジル、ロシアなどに分布し、名実共に世界の呼吸保護専門家の集団となっています。
本学会はアメリカ支部、ヨーロッパ支部、アジア支部、及びオーストラリア支部に分かれて活動して
いますが、本部は米国にあり、http://www.isrp.com.auで活動を掲示しています。
日本の会員は日本支部を組織し、アジア支部の事務局を勤めるとともに、日本支部の支部員相互の
啓蒙と情報交換のための活動をしています。
●ISRPの主な活動
本学会の主な活動は隔年に世界のどこかで開催される国際呼吸保護会議、及び雑誌JISRP
(英語)の刊行です。その他に日本支部の独自の活動として毎年秋季に東京で開催される
「呼吸保護に関する研究発表会」及び日本支部が発行する雑誌「呼吸保護」(日本語)の刊行です。
雑誌「呼吸保護」にはわが国で行われた研究成果やJISRPに掲載された英語の研究論文の
日本語訳などを掲載しています。
●ISRPの役割
最近、呼吸保護の重要性がますます強く認識される社会情勢にあります。2001年9月の
米国同時多発テロ以降、世界的にテロ対策が進み、新しい呼吸用保護具の開発も進みました。
SARSや鳥インフルエンザなどの呼吸器感染症の発生、建築物解体時に発生する石綿粉じん、
自然災害で発生する有害粉じんやガス、原子力発電所の事故による放射性粉じんの発生など
に対して、マスクは不可欠な呼吸保護の手段として使用されています。
一方で人々のマスクについての知識は浅く、状況に適したマスクの選択や使用法が十分
理解されていない状況もあります。ISRPは呼吸用保護具の技術開発のみでなく、社会の
呼吸用保護具への理解の促進も含めて、会員間の活動報告や情報交換の場を提供しています。
2014年9月の第17回国際呼吸保護会議プラハ会議の記録
ISRP出版物