沿革

 東京医学会は、東京大学医学部学生有志によって明治18年(1885)に組織された学術研究会「東京医学会」が中核となり、これに教授・助教授によって組織されていた「集談会」が合同し、学術の研鑽と親睦を目的として、明治19年1月創立された。

 明治20年3月に研究成果を発表するために新たに「東京医学会雑誌」第1号が発行された。これは当時わが国医学界では唯一の専門医学雑誌であり、学会に大きく貢献するところとなった。以来この雑誌は発展の一路を辿り、連綿58巻を重ねたが、第二次大戦の勃発とともに諸情勢悪化し、昭和20年遂に休刊のやむなきに至った。

 終戦後の混乱期を過ぎ、漸くわが国における学術研究が復活し始めた。昭和26年4月、由緒ある伝統の上に新しい構想を加え、医学部教員から選出された委員の編集により、「東京医学会雑誌」The Tokyo Journal of Medical Sciences 第59巻1号が復刊された。昭和44年1月「東京医学」と再度改題されて継続発行されている。

 本会は諸事業を一層発展させるために、昭和39年10月1日文部大臣認可による「財団法人東京医学会」として発展改組された。会長に医学部長、副会長は病院長が兼任、教授、助教授から理事会・評議員会が構成された。会員は、東京大学医学部及び関係機関の現旧教員と研究者が主体となっている。

 本会は、会誌刊行のほかに、研究発表会、講演会、国内外著明学識者の特別学術講演会を随時開催して一般に公開し、医学の研究、教育に貢献している。

 昭和61年に創立百周年を迎えた際、本会は記念集会を開催し、本会の歴史を振り返り、将来の医学教育、医学研究について論議した。

 昭和62年に本会の機関紙「東京医学」は創刊100年を迎え、94巻1号に東京大学医学部に所属する全講座、診療科、附属施設の歴史、現状、将来への展望を集めた記念特集号を発刊した。
 医学部の再編成を目指して自己評価が求められるようになった機会に、平成4年12月には医学部の活動状況を示した「東京大学医学部年報」(平成3年度版)を転載した「東京医学」を刊行した(99巻1〜4号合併号)。

 平成6年より1年置きに交互に日本語版と英語版を刊行した。平成17年は発刊を見送ったが、平成18年より日本語版、英語版を同時に刊行し、さらに平成20年より電子版による刊行を開始し、現在も継続して刊行している。

 また、平成20年12月に開始された公益法人制度改革に伴い、これまでの事業内容を理事会で協議し、平成22年3月16日に東京都庁に一般財団法人への移行申請を行った。平成22年12月22日に申請が認可され、平成22年12月24日の登記日より「一般財団法人東京医学会」となった。
 事業については、従来通り医学研究の発展目的として、一般財団法人化に伴い大幅に増額した研究者への研究助成をはじめ、医学年報の発刊、医学文献の複写事業、医学研究集会の開催関連業務、東京大学大学院医学系研究科の過去の入試問題の販売等が主なものである。

東京医学会

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