3. 4分以内に心肺蘇生法
1966年、アメリカのドリンカー博士が「呼吸停止になってどのくらいたってから人工
呼吸と心臓マッサージによる心肺蘇生(そせい)を行えば、どのくらいの蘇生率になる
か」を調査した。ここで報告されたのが、いわゆるドリンカーの救命曲線である。博士
の調査によれば、呼吸停止後もし1分以内に心肺蘇生法を行えば97%の人が、2分後では
90%の人が蘇生するという。
しかし、3分たってから行うと75%の人しか蘇生せず、呼吸停止後8分間、何もしなけ
れば蘇生率は0%になると報告している。
秋田市では119番通報を受けてから救急隊が現場に到着するまでの平均所要時間は約6
分。ドリンカーの救命曲線によると、呼吸停止後6分間後の蘇生率は20%である。
しかも、人間の体で最も重要な大脳は心肺停止後、約4分で致命的な障害を受けると
いわれている。それは大脳にいく血液の流れが途絶えることで、その流れに乗って運ば
れていた酸素が遮断されるからである。
首尾よく救急隊が通報から6分で現場に着き、必死に心肺蘇生法を行い、心臓や呼吸が
再開しても、大脳は取り返しのつかない障害を受け、一命を取り留める代わりに話した
り、考えたり、運動をしたりという人間らしい生活を失ってしまう。
何もしなければ4分間で「命の砂時計」の砂が落ち切るのである。
しかし、患者が倒れてから直ちに119番通報を行い、そばにいた人が心肺蘇生法を行え
ば、確実に蘇生率は向上する。
そして何よりも倒れる前まで一緒だった家族や友達や同僚との生活に復帰することが
可能になる。
今もどこかで「命の砂時計」の進行を気にしながら救急隊が現場へと急いでいる。
あなたが愛する人を救命するためにー。
(秋田市土崎消防署・救急救命士・佐藤理)