トップ

内分泌の病気

しょうにないぶんぴ
性分化疾患
そもそも性とは何でしょうか?

医学的に性は男性と女性に分けられ、体の性と心の性に分けて考えることができます。 体の性の種類には、染色体、性腺、内性器や外性器があります。詳しくは下記および表1を参照ください。

心の性の種類には、性同一性などがあります。性同一性とは、自分を男性、女性のどちらと思うかということです。多くの法律上の男性は自分を男性と思い、多くの法律上の女性は自分を女性と思います。性同一性がこれに当てはまらないことを、性別違和と言います。以前は性同一性障害と言われていましたが、今は使われなくなってきています。


染色体:"体の設計図"である遺伝子を含む集合体です。多くの人は46本持っていて、そのうち2本が性染色体と言われ、多くの男性でXY、多くの女性でXXです。

性 腺:精子や卵子を形成し、また男性ホルモンや女性ホルモンを産生する器官です。多くの男性は精巣、多くの女性は卵巣です。

内性器:体の内部の生殖機能を司る器官です。多くの男性は精巣上体など、多くの女性は子宮や卵管です。

外性器:体の外部の生殖機能を司る器官です。多くの男性は陰茎と陰嚢、多くの女性は陰核と陰唇です。

表1. 性の分類


性分化とは何でしょうか?

性分化とは、胎生期(お母さんのおなかの中にいるとき)に染色体に存在する遺伝子のプログラムのもとに、体の性(性腺、内性器および外性器の性)が分化する過程の総称です。

性分化疾患とはどんな疾患でしょうか?

性分化疾患とは、性分化の過程で、染色体、性腺、内性器や外性器が多くの人とは異なる型をとる疾患群です。性分化疾患の原因は一つではなく、たくさんの原因があります。 性分化疾患には、性別違和などの心の性の違いは含まれません。ただし、性分化疾患の人の一部は性別違和を持つことがあります。

以前は性分化疾患という用語ではなく、半陰陽やインターセックスなどの用語が使われていましたが、差別的な表現なので今は使われなくなってきています。

性分化疾患はどのようにして治療しますか?

性分化疾患にはたくさんの原因があり、その原因によって患者さんにとっての最適な治療は異なります。また、性という繊細な問題を扱うため、患者さんや家族に心理的な負担がかかります。そのため、性分化疾患の治療は、経験豊富な集学的チーム医療が必要です。理想的には、チーム内に内分泌学、外科、泌尿器科、心理精神医学、産婦人科、遺伝学、新生児学、ソーシャルワーク、看護学および医療倫理学を専門とする医療従事者がいることが望ましいとされています。

具体的には、性分化疾患の治療は内科的治療と外科的治療に分けられます。内科的治療としては、性ホルモン補充などを行います。外科的治療としては、外性器や内性器の形成術を行います。性分化疾患の一部では、性腺の腫瘍発症のリスクが高いことが知られています。その場合は、予防的に性腺摘出を行うこともあります。