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内分泌の病気

ふくじん
アジソン病
アジソン病とは

副腎に生じた異常により副腎皮質ホルモンの分泌が低下し、副腎不全症状を呈する病気です。コルチゾールやアルドステロンなどのホルモンが低下し、これらのホルモンによる抑制がなくなるため、ACTHやレニンは高値となります。ACTH負荷試験におけるコルチゾールのピーク値の低下を確認し、確定診断となります。副腎そのものに異常があり副腎不全を来たすため、原発性副腎皮質機能低下症とも呼ばれ、下垂体など中枢の異常で副腎不全を来たす続発性副腎皮質機能低下症と区別されます。

この病気の患者さんはどのくらいいるのですか?

副腎皮質機能低下症の内訳としては、続発性の方が多く、原発性は比較的稀です。原発性(アジソン病)は、1997年の全国調査では、年間600~700例の発症と報告されています。

この病気の原因は何ですか?

自己免疫的機序で副腎皮質が破壊されるものとその他の原因で副腎皮質機能低下に至るものがあります。前者では、抗副腎抗体が検出されることがありますが、因果関係については明らかになっていません。後者の原因としては、結核などの感染症や副腎転移などがあり、画像検査等を用いて原因の評価を行います。

この病気は遺伝するのですか?

一般に遺伝性は見られませんが、APS(多腺性自己免疫症候群)の分症として見られるものがあり、APS1型は、AIREの遺伝子異常が確認されています。

この病気ではどのような症状がおきますか?

副腎不全症状には多彩な症状がありますが、頻度の高いものとしては、全身倦怠感、微熱、関節痛などがあります。血液データで、好酸球増多、低Na血症、高K血症、低血糖なども見られます。また高ACTH血症の影響を受けて、皮膚色素沈着が見られます。副腎不全が重症化すると、意識障害やショックを呈し、副腎クリーゼと呼ばれます。副腎不全症状は、内因性ホルモンの低下の程度に加えて、ホルモンの需要量によって決まります。ホルモン分泌はある程度保たれていても、過度のストレスなどでホルモン需要量が高くなっている場合は、副腎不全症状を呈することがあり、相対的副腎不全と呼ばれます。

この病気にはどのような治療法がありますか?

副腎皮質ホルモン(ステロイド)の補充を行います。急性期、とくに副腎クリーゼを呈しているときには、高用量のステロイド投与に加え、バイタルの管理や電解質を含めた体液管理も並行して行います。慢性期には、生理的分泌量に見合ったステロイド用量を投与し、過量投与による合併症を防ぎます。ヒドロコルチゾンのような短時間作用型のステロイドを用いる場合とプレドニゾロンやメチルプレドニゾロンなどの長時間作用型のステロイドを用いる場合があり、病態に合わせて使い分けが行われます。また、低血圧や高K血症など、ミネラルコルチコイド欠乏症状が強い場合は、フルドロコルチゾンの併用を行います。

この病気はどのような経過をたどるのですか?

副腎クリーゼは、適切に診断・治療がなされないと、致死率も高く予後不良と考えられています。治療開始後は、速やかに臨床症状が改善します。多くの場合は、永続的なステロイド補充を必要とします。大きな手術を受ける際や重症感染症などに罹患した際は、ステロイド補充の需要量が増すため、一定期間、ステロイド用量を増やして対応します。