第18回 2017年度(平成29年度)
日本内分泌学会若手研究奨励賞(YIA)受賞コメント(所属は受賞当時)

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名古屋大学医学部附属病院糖尿病・内分泌内科

大曽根親文

この度は2017年度日本内分泌学会若手研究奨励賞を賜り、選考にあたっていただいた先生をはじめ諸先生方には大変感謝しております。

今回、ヒトの多能性幹細胞(ES/iPS細胞)から下垂体前葉細胞をつくるという我々の研究を発表させていただきました。マウスのES細胞から下垂体を誘導する既存の方法をヒトES/iPS細胞にも応用したという本研究の成果は、再生医療などへの臨床応用にむけた一つのステップになることと思います。しかしながら、臨床応用を実現させるためにはまだまだたくさんの課題を克服しなければなりません。今回の受賞を励みに、こうした課題一つ一つに真摯に取り組み、研究をさらに発展させていきたいと考えております。最後に、常日頃ご指導いただいております名古屋大学大学院 有馬寛教授やご支援いただいた先生方に心よりお礼申し上げます。

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名古屋大学大学院医学系研究科 循環器内科学

小川隼人

この度は、第90回日本内分泌学会学術総会におきまして、若手研究奨励賞を頂き大変光栄に存じます。私の研究テーマは新規アディポサイトカインであるアディポリンの血管病における役割の検討です。アディポリンの血中濃度は健常人と比較し、冠動脈疾患患者で低下しており、またノックアウトマウスを用いた検討においてはアディポリンの欠損により、血管障害後の新生内膜肥厚が悪化する事を示しました。さらに、培養細胞の検討においてはアディポリンがSmadシグナルを介して炎症性応答の抑制、内皮機能の促進に働く事を報告させていただきました。今後、これらの結果を臨床の現場に還元できるように、さらに研究を進めたいと考えております。研究のご指導をいただきました大橋浩二先生、大内乗有教授、室原豊明教授に心より感謝を申し上げます。

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大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学

小幡 佳也

この度はこのような栄誉ある賞をいただき、誠に光栄に存じます。学術総会会長の赤水尚史先生をはじめ、選考委員の先生方、学会関係者の方々に心より御礼申し上げます。今回私は、アディポネクチンがT-カドヘリンを介してエクソソーム産生を促進し、これがアディポネクチンの臓器保護作用の一端を担っている可能性について発表いたしました。アディポネクチンの発見から20年以上経ち、多くの知見が得られておりますが、未だその全容は明らかではなく、臨床応用にも至っておりません。この受賞を励みとして今後さらに研究を進め、医学の発展と臨床への還元にむけて精進していく所存です。
最後に、この研究を御指導いただきました下村伊一郎教授、喜多俊文先生をはじめとする教室員の先生方、ならびに共同研究者の先生方に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。

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東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科

桜井 賛孝

この度は第90回日本内分泌学会学術総会において若手研究奨励賞に選出して頂き大変光栄に存じます。

本研究では、インスリン・IGFシグナル上流に位置するインスリン受容体基質(Irs)1、Irs2に着目し、肝臓特異的Irs1欠損マウス(LIrs1KO)、肝臓特異的Irs2欠損マウス(LIrs2KO)を用いて、Irs1、2の肝癌形成における役割を解析しました。未解明な点も多々ありますが、多くの疫学研究で報告されている、肥満や糖尿病と肝癌の強い関連のメカニズムの一端を明らかにできたのではないか、と思っております。

今回の受賞を励みとし、臨床医の視点を忘れずに幅広く内分泌代謝学研究に臨み、この分野の更なる発展に少しでも貢献して参りたいと思っております。最後に、本研究をご支援して頂いた全ての共同研究者の方々に心より御礼申し上げます。

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東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科
分子内分泌代謝学分野(糖尿病・内分泌・代謝内科)

辻本 和峰

この度は、2017年度日本内分泌学会若手研究奨励賞受賞という栄誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。演題を評価頂いた選考委員の方々をはじめ関係諸先生方に厚く御礼申し上げます。私は、幼少期の栄養環境の変化が将来の生活習慣病発症につながるメカニズムを解明するべく研究に取り組んでいます。今回乳児期の栄養環境の変化が、FGF21遺伝子のエピジェネティクス(遺伝子の塩基配列によらない発現制御機構)による発現制御を介して将来の肥満発症につながることを発表させて頂きました。今回の受賞を励みに、今後も生活習慣病の成因解明および発症予防を目指した研究を推進していきたいと思います。

最後に、本研究において御指導・御助言頂いた小川佳宏教授、橋本貢士特任准教授をはじめ御世話になった諸先生方にこの場を借りて心より感謝申し上げます。

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広島大学大学院医歯薬保健学研究科 分子内科学

長野 学

この度は2017年度日本内分泌学会若手研究奨励賞を受賞し大変光栄に思っております。

近年肥満症や糖尿病の治療ターゲットとして褐色脂肪細胞が注目されています。 PRDM16-EHMT1転写複合体がヒストンメチル化を介して褐色脂肪細胞の運命決定をおこなっていることはわかっていましたが、その詳細な分子機構は不明でした。私はPRDM16-EHMT1転写複合体の新規構成因子としてメチル基供与体合成酵素MATIIを同定し、褐色脂肪細胞の運命決定・アイデンティティ維持に必須のエピジェネティック因子であることを見出しました。さらにMATIIがヒト褐色脂肪細胞の熱産生をも制御していることを見出し、本知見の臨床応用が期待されます。

今後も本賞受賞者の名に恥じぬよう、scienceと真摯に向き合い精進致します。

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慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科

中村 俊文

この度は、第90回内分泌学会学術総会におきまして若手研究奨励賞という名誉ある賞を頂戴し、大変光栄に存じます。

私達の研究室ではmineralocorticoid receptor (MR)とその相互作用因子や修飾因子に関する研究を進めており、私は腸管上皮におけるMR機能に着目しその解析に努めております。MRは腎でのNa動態調節作用に加えて、近年はその心血管疾患への関与が注目されるようになりましたが、本研究では意外にも機能解析が進められていなかった腸管上皮MRについて遺伝子改変モデルを用いた表現型解析を行い、腸管におけるNa動態調節作用とそれに基づく血圧調節作用にまで関与していることを報告いたしました。今回の受賞を励みに、今後もさらなる研究の発展に努めて行きたいと考えております。

最後に、日々熱意を持って御指導いただいております伊藤裕教授、栗原勲先生、そして御支援いただいております方々に、この場を借りて深く御礼申し上げます。

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神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学

坂東 弘教

この度は第90回日本内分泌学会におきましてこのような名誉ある賞を頂き、誠に光栄に存じます。会長の赤水尚史先生をはじめ、選考委員の先生方並びに関係の先生方に心より御礼申し上げます。

私共のグループはGH, PRL, TSHが特異的に障害される下垂体機能低下症症例を"抗PIT-1抗体症候群"として報告を行ってまいりました。今回私は本症候群の更なる解析を行い、その病因・病態について報告をさせて頂きました。この解析は本症候群の詳細な解析という意味のみならず、新たな疾患の発見や病因の解明に結び付くものと考えております。今回の受賞を励みとし、臨床への更なる還元に繋がることを目標に研究に勤しむ所存です。

最後になりましたが、平素よりご指導頂いている当科の先生方並びに共同研究者の先生方にこの場をお借りし深謝申し上げます。

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神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学

平田 悠

この度は、2017年度日本内分泌学会若手研究奨励賞を賜り、大変光栄に存じます。選考委員ならびに関係の諸先生方には心より御礼申し上げます。

 糖尿病患者ではサルコペニアの罹患率が高いことが知られていますが、糖尿病がサルコペニアを引き起こすメカニズムについては十分に明らかではありません。今回、転写因子KLF15が高血糖による筋萎縮の制御因子であることを見出し、グルコースによって制御されるユビキチンリガーゼとしてWWP1を同定しました。WWP1/KLF15経路は高血糖によって生じる様々な現象や糖尿病合併症に関与する可能性があり、今後の研究課題と考えております。

この度の受賞を励みとして、更なる研究の発展に向けて努力する所存です。最後に、本研究においてご指導いただいた小川渉教授、そして共同研究者の先生方に深謝申し上げます。

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神戸大学大学院 医学研究科 糖尿病・内分泌内科学

松本 隆作

この度は第90回日本内分泌学会若手研究奨励賞に選出頂き大変光栄に存じます。

これまで先天性下垂体機能低下症はマウスモデルと表現型が異なるなどその発症機序には不明な点が多いのが実状でした。本研究ではOTX2異常症、LHX4異常症症例より疾患特異的iPS細胞を樹立し、下垂体前葉へ分化誘導を行うことでヒトにおける病態モデルの作成を行いました。それぞれ興味深い表現型を見出すことが出来、他の下垂体疾患においても応用が期待されます。今回の受賞を励みとして今後の研究の発展を目指したいと思います。

最後に本研究のご指導を頂いた所属研究室の高橋裕先生、小川渉教授、iPS細胞応用医学講座の青井貴之教授、名古屋大学の須賀英隆先生をはじめ本研究を支えてくださった皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。