会長挨拶

第42回日本エンドメトリオーシス
学会学術講演会

会長大道 正英

(大阪医科大学産婦人科学教室 教授)

このたび、第42回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会を担当させていただくことになりました。伝統ある本会の学術講演会の会長を務めさせていただくことを大変光栄に存じます。本学会の第1回~第6回(第5回は除く)は私の前々任教授の名誉教授 杉本修先生が会長を務められ、また私の恩師の寺川直樹先生が長年に渡って代表理事をされて日本エンドメトリオーシス学会のプレゼンスを確立されました。私たちにとって非常に思い入れのある学会でございます。
 子宮内膜症は有経女性の約10%に見られ、原因不明の不妊症患者の約50%に子宮内膜症が存在するとも言われています。さらに、子宮内膜症により、卵巣癌を含め種々の疾患のリスクや周産期合併症が上昇することも分かってきました。しかしながら、それぞれの疾患の早期診断や不妊症も含めその合併する疾患の management に関しては未だ controversial な点が多々あります。また、子宮内膜症は画像診断が非常に有用ですが、そのピットホールもよく経験します。この様に、子宮内膜症およびその関連疾患に関しましてはまだまだ未知の分野が多く、今後の解明が期待されます。本学術講演会ではそれらの分野を中心にフォーカスを当てました。
 理化学研究所予防医療・診断技術開発プログラム プログラムディレクターの林﨑良英先生に招請講演を、Taiwan Endometriosis Society のPresident の Chii-Ruey Tzeng 教授と京 哲教授に特別講演を、万代昌紀教授・若槻明彦教授・小谷友美先生に教育講演をお願いしています。2つのシンポジウム、3つのワークショップを含め、共催セミナーや産婦人科領域講習も予定しております。また多くの演題を申し込んでいただき、この場をお借りして御礼申し上げます。
 学術講演会は2021年1月23日(土)~24日(日)に千里ライフサイエンスセンターで開催を予定しておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の未だ先を見通せない状況が続いております。参加予定の皆様の安全を最優先に考え、原田省理事長と協議を重ねた結果、現地での開催は断念し、Web開催で実施することにいたしました。できる限り双方向性のセッションを目指して、一般演題以外は、Zoom を使用してセッションを収録(基本的には、現地開催を予定していた2021年1月23日(土)~24日(日)の指定日時)し、その後編集してデータを配信いたします。先生方には大変お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の1 日も早い終息を祈念するとともに、Web 開催にご参加いただく皆様が満足していただけるよう、教室員一同鋭意準備を進めてまいります。皆様のご参加を心よりお待ちしております。