第1回愛媛クリニカルパス研究会講演会

日時 
平成16年12月18日(土) 15:00 ~18:30
場所 
松山市総合コミュニティセンター 企画展示ホール
テーマ 
「クリニカルパスとNST活動の重要性」
  (司会) 愛媛クリニカルパス研究会 代表世話人 四国がんセンター 形成外科医長 河村 進
       
  開会の挨拶 国立病院四国がんセンター 院長 高嶋成光
  講演1         『NSTの構築とその意義』
     医療法人近森会 栄養管理センター長 宮澤 靖
  講演2        『クリニカルパスとNSTを核とした21世紀のチーム医療』
    市立岸和田市民病院外科医長 山中英治
  閉会の挨拶 大塚製薬
   
共催

共催:愛媛クリニカルパス研究会
独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター
株式会社大塚製薬工場

 
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<抄録>
 

講演 1  「NSTの構築とその意義」    医療法人近森会 栄養管理センター長 宮澤 靖
   

 

 当法人では平成15年7月より全法人型、全科型のNSTを稼動した。当法人は急性期病院の近森病院、精神科単科の総合心療センター近森、全病床回復期リハ病床の近森リハビリテーション病院、老人保健施設と4つの施設を有する全許可病床数700床の大型医療法人である。組織化にはそれぞれの施設が特徴があるため同時に4つのNSTを組織しなくてはならない困難さがあった。また、そもそも「栄養管理を行う」という概念すら存在しない劣悪な環境の下での組織化であった。しかし、実際稼動してみると多くのご支援をいただきながら施設内の抜本的改革がこの1年で比較的スムーズに行われてきている。今回は最近作成した「栄養クリニカルパス」も含め当法人のNST活動についてお話したい。

 

講演 2  「クリニカルパスとNSTを核とした21世紀のチーム医療」    市立岸和田市民病院外科医長 山中英治
   

 ここ数年の間に,クリニカルパスは全国の病院に急速に普及しました。医療ツールとしては稀に見る現象です。もちろんDPCを始めとする国の医療費抑制政策による在院日数短縮への誘導の影響もあるでしょうが,それだけでは医療人は動きません。患者用パスによるインフォームドコンセントの充実,科学的根拠に基づく医療の標準化
による安全対策の向上については論を待たず,今まで漫然と慣習的に行ってきた医療行為について,多くの職種で話し合い協力してより質の良いものに改善するというチーム医療が,日本でも必要とされてきた証ではないでしょうか。パスも欧米では以前から活用されていますが,NST(栄養サポートチーム)も1970年から活動しています。
栄養不良は感染症や治癒遅延など,バリアンスの大きな要因です。NSTによる栄養改善はパスと並んで患者さんのQOLを向上させる21世紀の重要なチーム医療の核であると考えます。