死因究明・個人識別システム研究会について

 死因究明・個人識別システムの改革は喫緊の課題であり、犯罪見逃しの防止だけでなく、事故や自殺の予防としても重要であります。 そうした課題について情報交換、研究ならびに関係各所への提言を行い、これにより我が国における死因究明・個人識別システム改善に貢献することを目的として開設されました。 研究会開設は、法医学教育・研究体制の充実にも繋がるものと考えられます。


会長あいさつ

 死因究明・個人識別システム研究会のホームページをご覧いただきありがとうございます。

 2018年1月14日に東京で開催された第1回総会で会長に選任され、多くの皆様のご協力の下意義深い設立総会を終えることができました。会員の皆様はじめ多くの関係者の方々のご期待に沿えるよう全力を傾注する決意です。

 わが国の死因究明・個人識別の水準は決して満足できるものではありません。そうした声を背景に2012年、死因究明等推進法(以下「推進法」)と死因・身元調査法(以下「調査法」)の2法が成立し、死因究明等の制度改革がその一歩を踏み出したかと思われました。

 しかし、推進法に基づいて2014年に閣議決定された死因究明等推進計画のほとんどが、これまで採られた施策の延長であり、内容の少ないものだったと言わざるを得ません。その推進法は同年失効し、その後継法の議論は難渋しましたが、やっと2019年6月に死因究明等推進基本法が成立し、死因究明・身元確認の理念や基本的施策があらためて世に出されました。しかし、これは施策の枠組みができたにすぎません。その実質を作っていくには、政府はもとより私たちを含めた国民の努力が必要不可欠です。

 他方、調査法に基づいて新しい解剖制度が創設され、年ごとに増加の傾向にあることは一定の評価に値しますが、地域格差も大きく、地域によって運用がまちまちであるなど様々な問題が指摘されています。

 「法医学は未来への医学である」との言葉が示すとおり、死因究明は、それによって犯罪が発見・立証され将来の抑止力になるだけでなく、様々な事故、自殺、感染症など、公衆衛生分野での再発予防、被害の拡大防止につながることは論を待ちません。個人識別は大規模災害での重要性はもちろんのこと、日々の実務もその意義は大きく、死因究明を支える要素でもあります。

 本研究会は情報交換、研究活動によって、日本と世界の現状を分析するだけでなく、その成果を発信し、関係機関に対し提言を行い、わが国の死因究明・個人識別のシステムを改善することをその目的としております。本会の会員の皆様には、法医学・公衆衛生学などの医学関係者だけでなく、刑法学者・弁護士などの司法関係者、さらにはメディア関係者もいらっしゃいます。こうした各界の皆様の力を結集し、本会をより大きな意義を持つ会に進化させていくため、ぜひ、このホームページをご覧になった方々を含む皆様のご協力を賜りますようお願い申しあげる所存です。


                                                   令和元年10月1日

                                        死因究明・個人識別システム研究会

                                        会長 石原 憲治