18.1 Taq polymeraseの使い分け(横溝岳彦)

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Taq polymeraseは最近沢山の種類が発売されており、それぞれに利点や欠点がある。ここでは、当教室で頻繁に用いられる酵素を中心に、その特徴をまとめてみた。

rTaq(TOYOBO):もっとも一般的、安価だが、Fidelity(4.8%)や伸張範囲に限界があり、insertチェックや存在を確認するためのPCRに使われることが多い。

KOD Dash(TOYOBO):変異型KOD polymerase(3'-5' exonuclease活性欠失)とWild typeのKOD polymeraseを混合している。耐熱性が高いのが特徴で、elongationの至適温度は74℃である。中程度のFidelity(rTaqの3.4倍)と最高の伸張速度(rTaqの2倍)を有している反面、Backgroundが高いという欠点を持つ。主にLong PCRに用いられる。(私の経験では6kb位までは細かい条件設定なしに伸びた。)

ExTaq(Takara):3'-5' exonuclease活性を保持した(rTaqとは別の種に由来する)耐熱性DNA polymeraseである。FidelityはrTaqの4倍と優れているが、伸張速度はrTaqよりもややよい程度である。一般的なRT-PCRにもっとも適していると思われる。

Expand High Fidelity(Boehringer):最もhigh fidelityな耐熱性DNA polymerase(だと思う)。Pwo DNA polymeraseの3'-5' exonuclease活性を利用したProof readingが特徴である。(rTaqの4倍)ExTaqとよく似た性質であり、伸張速度は悪く、cycleを多めに設定する必要がある。(もっとも、説明書には10kbまで伸びると書いてあるが、個人的にはそこまで伸びるようには思われない)PCRを用いたexpression constructの作成に用いている。また説明書にmiss incorporationの確率が詳細に書かれているのに好感が持てる。

(以下はあくまで個人的な感想)

伸張速度
KOD Dash>>ExTaq>rTaq=Expand High Fidelity

Fidelity
Expand High Fidelity>ExTaq,KOD Dash>rTaq


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