ホームページを立ちあげたいあなたへ(1997-10-1) 横溝岳彦


 「WWWページを立ちあげたい」と思ったのは、1996年の秋でした。研究室マニュアルが電子化され、研究室内でNetworkを通じて利用されるようになるにつれ、これを外部に公開できないかと思ったのがきっかけです。でも、リンクをちゃんと張ることができるのか、見てくれる人はいるのか、なかなか踏み切ることができませんでした。幸いボスの理解を得ることができ、独学で何とかWWWページを立ちあげました。公開から4ヶ月で10,000ヒットと、まずまずの状態です。このページは、私のような素人が苦労した点を紹介して、皆さんのお役に立てばと書きました。

1.研究室のホームページの役割を理解する

 個人のページとは異なり、研究室のホームページは公的なもので、専門性が要求されます。多くの研究室のページは研究紹介と論文目録だけで、これではリピーターは来てくれません。幸い当教室では電子化された実験マニュアルがあったので、これを売りにしました。あと、頻繁に更新することが最も大切です。そのため、私は他の担当(いろいろあるでしょ?遠心機係とか)からはずしてもらい、ホームページ担当専任になりました。ボスをつついて、頻繁に記事を書かせましたが、最近では、こちらから言わなくても、記事を送ってくれるようになりました。ありがたいことです。

2.如何に効率をあげるか

 ホームページ担当専任とはいっても、実験をして論文を書く、後輩の実験指導をすることが第一です。ですから、如何に時間をセーブしながら、ホームページを更新するかは重要な要素です。私は、難しいHTML言語はいっさい知りません。Homepage作成ソフト(私はアドビのPagemill 3.0)を使えば、細かいリンクを張ることも簡単です。記事はできるだけ電子メイルで送ってもらい、copy-pasteで書く様にしています。現在私が編集に使う時間は、大体平均一日30-60分くらいです。(しかも実験の合間にやっているので、あまり苦には感じません)

3.サーバーについて

 せっかく作ったページも公開しなければ誰も見れません。東大には、大学としてのWWWサーバーが無く、これが最も苦労した点です(これでいながら、研究室にホームページを公開するよう指導が来ているのが、笑止千万ですが)。ここでは言えませんが、学内のある研究室の好意で、そこにあるUnixサーバーに場所を借りて、そこにFTPでファイルを送っています。公用のサーバーがある大学はそれを利用すべきでしょうし、無ければ一般的にはプロバイダーと契約してそこで公開することになります。(一ヶ月数千円ですから安いものです。)今回のMac OS 8 (僕はMac派。Windowsの方、ごめんなさい)では、ローカルMacをWWW serverとして簡単に公開できる機能が付きましたが、僕はこれは使わない方がいいと思います。ただでさえ遅い研究室内のNetworkに負担がかかること、パソコンのもつ不安定さ、そして、サーバーにしたMacは他の作業には事実上使えない(とんでもなく遅くなります)からです。最低でもWindows NTできればUnix以上をサーバーにしたいものです。

4.僕がはまったところ

 Pagemillでページを書いたり、リンクを張ったりするのはとっても簡単です。気を付けるのは
*ファイル名は必ず半角英語で、スペースは入れない。(サーバーによってはスペースがとんで、リンクがはずれます)
*FTPするときは、テキストもグラフィックも「生データ」として送る。
*グラフィックはGIF形式(72 dpi)か、JPEG(72 dpi)で256階調まで。これはデータ量を抑えるためのマナーです。僕はAdobe PhotoshopでGIFにする事が多いですが、複数の画像を処理するときはGraphic converter(シェアウェア)も便利です。Macで作った画像をWindowsで読むと結構暗くなるので、明るめに作っています。

5.最後に

何か当たり前の内容ばかりでばかばかしくなりましたが、言いたいのは、「誰でもHomepageは立ちあげられる」ということです。アメリカのように、各研究施設に担当がいてHomepageを作ってくれるというのは、日本ではまだまだ先の話です。ぜひ多くの研究室が自力でHomepageを立ちあげ、これが圧力となって、日本(特に大学)が変わっていくことを期待します。


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