分子生物学

分子生物学

Works研究内容

    

研究項目

  1. 動物細胞の発生、分化の過程において細胞内では何が起こっているのか?
    (遺伝子発現制御機構や細胞内情報伝達因子の相互作用の解明)
    動物におけるDNA鑑定技術の開発とRNA発現解析

  2. 獣毛などの微量組織から個体識別はできるか?
    (イヌ、ネコ、野生動物のDNA型による種の特定と個体識別法の確立)

  3. ギンブナは自然界でどうしてクローン繁殖できるのか、どこからきたのか?
    (雌性生殖の分子機序と遺伝的起源の解明)
    雌性発生する3倍体ギンブナから探る新たな生殖技術

  4. 感染症や動物の遺伝性疾患をDNAから判断できるか?
    イヌの先天性脱毛症の原因遺伝子は?
    (遺伝子診断法の開発)
    アロペシアX(犬の先天性脱毛症)から得られた発毛・育毛関連遺伝子群の解析

細胞の分化に関与するシグナルの研究

多能性幹細胞から各種成熟細胞への分化におけるTGF-βファミリーの役割と分子作用機序、細胞内情報伝達、遺伝子発現制御機構の解明

マウスのES細胞を含む多能性幹細胞を材料として、多機能サイトカインであるTGF-βファミリー刺激による各種細胞への分化への影響およびその分子機序を調べる。
細胞内情報伝達因子Smadを中心として各種因子との相互作用および各種転写因子(Mitfなど)による遺伝子発現制御機構を解明する。
マウスES細胞や筋芽細胞C2C12の筋細胞分化およびマクロファージ系前駆細胞の破骨細胞分化におけるTGF-βファミリーとMitfの役割などを遺伝子発現レベルで調べている。






野生動物の遺伝子配列による系統分類

各種脊椎動物の分子系統進化学的解析

核ゲノム中の各種反復配列やミトコンドリアDNA配列変異によるDNA多型を指標とした各種生物の系統(類縁)関係や起源を解明する。
生態調査や疫学的調査にも利用する。
魚類から哺乳類までの幅広い材料を扱う。



    

フナ・ドジョウの雌性発生に関する遺伝子DNA領域の探索

生殖系列細胞分化の分子機序の解明

雌性発生をするクローンフナおよびドジョウを材料として、減数分裂回避機構および精子核排除機構を分子(遺伝子)レベルで解明し、有性生殖の分子機序を把握する。

    

日本のある地域のフナやドジョウは、クローン発生することが知られています。
雌性発生に関わる遺伝子を解明するため、飼育しているフナやドジョウの塩基配列を解析することにより探索しています。



    

イヌ遺伝性脱毛症治療薬の遺伝子発現解析による評価

    

動物のDNA鑑定(個体識別、性別判定など)および疾患の原因遺伝子の探索とDNA診断(感染症など)方法の開発

動物の体毛などの微量組織からのDNAプロファイリングによる種同定、個体識別や類縁関係の特定を行なう。
必要に応じて、各種感染微生物のDNAによる定性および定量的解析を行なう。
腫瘍などの各種疾患や多剤耐性に関連する遺伝子群の変異や発現を調べ、それらとの関連を探る。
イヌの先天性脱毛症の原因遺伝子の探索と分子機序の解明および発毛・育毛効果の評価系の確立を行う。

    

イヌには原因不明遺伝性脱毛症(Alopecia X,アロペシア エックス)という疾病があります。
その治療に効果が認められる薬物の評価を、培養細胞を用いて行っています。  

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