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勁の種類
具体的な体の使い方に『〜勁』という名称が付いているものであり,勁の表現の違いを指すものではありません.
(あいうえお順)
『開合勁』(かいごうけい)体幹の左右方向の開閉に基づく勁.
【例】劈挂拳,通臂拳,通背拳,通備拳.
『撼勁』(かんけい) 撞靠勁と同義.撞勁と靠勁の総称.
【例】八極拳,形意拳,心意六合拳,八卦掌,太極拳.
『靠勁』(こうけい) 密着状態において,足が地を蹴る反発力を身体内部を通して打ち出す勁.浸透勁の一種.これに体軸の回転を加えると抖勁になる.
【例】八極拳,形意拳,心意六合拳,八卦掌,太極拳.
『車輪勁』(しゃりんけい)車輪の回るように連続した円軌道に基づく勁.
【例】通備翻子拳,三皇炮捶拳.
『十字勁』(じゅうじけい)作用反作用の法則に基づく勁.ベクトルの始点は体の正中線上であることが多い.
【例】各種中国武術.太極拳,八極拳,形意拳が代表的.
『縮勁』(しゅくけい) 体を縮めるときに生じる勁.十字勁に対比される.
【例】螳螂拳,翻子拳.
『翔勁』(しょうけい) 四肢が関節やその周辺の筋肉の弛緩した状態で弓矢のように放たれる勁.弾勁とほぼ同義.
『争勁』(そうけい) 外側に開く勁.
【例】形意拳,八卦掌.
『弾勁』(だんけい) 四肢が関節やその周辺の筋肉の弛緩した状態で弓矢のように放たれる勁.ノーモーションで放たれた腕や脚は筋肉の弾性力によりすぐに引かれる.あるいは,勁の滞りによる流れの消失のこと.
【例】各種中国武術.螳螂拳,翻子拳,劈挂拳,通背拳,通臂拳,弾腿,戳脚,陳氏太極拳.
『挑勁』(ちょうけい) 下からの振り上げに基づく勁.
【例】形意拳,心意六合拳,八極拳.
『沈墜勁』(ちんついけい)自然落下を急激に止めるときに生じる勁.
【例】陳氏太極拳,八極拳,心意六合拳,形意拳.
『通備勁』(つうびけい) 大開大合の開合勁と呑吐勁を同時に用いること.
【例】通備拳,郭氏劈挂拳.
『纏掴勁』(てんこんけい)密着状態からの関節技や投げ技に基づく勁.
【例】八極拳,形意拳,心意六合拳,八卦掌,太極拳.
『纏糸勁』(てんしけい) 四肢,体幹など全身の螺旋の動きに基づく勁.
【例】各種中国武術.太極拳,八卦掌が代表的.
『展翅勁』(てんしけい) 上半身の弛緩状態から両腕を開きながら延ばす動作(展翅)で使う勁.
【例】孫氏仏門拳,峰氏仏門拳,八卦掌,劈挂拳.
『抖勁』(とうけい) 瞬間的に体を細かく振るわせることで四肢末端などに生じる勁.靠勁に体軸の回転が加わったもの.
【例】各種南拳,螳螂拳,八極拳.
『撞勁』(とうけい) 接近状態から歩法によって生まれた身体の推進力を用い,肩,肘,腕などに全体重を乗せて突き当たる勁.
【例】八極拳,形意拳,心意六合拳,八卦掌,太極拳.
『撞靠勁』(とうこうけい)別称:撼勁.接近状態からの体当たりに基づく勁.距離によって撞勁と靠勁に分類される.
【例】八極拳,形意拳,心意六合拳,八卦掌,太極拳.
『呑吐勁』(どんとけい) 逆式呼吸を伴う体幹の上下方向の開閉に基づく勁.
【例】劈挂拳,通臂拳,通備拳.
『捻勁』(ねんけい) 腕の捻りと接触に基づく摩擦により,腕の表面に生ずる勁.
【例】形意拳,八卦掌,太極拳,八極拳.
『反止勁』(はんしけい) 別称:回環翻止勁.身体(脊椎)を鞭のようにしならせたときに生じる勁.蓄勁と発勁の区別が明確であり,発勁の大きさは蓄勁の程度による.
【例】螳螂拳,通備拳.
『[才朋]勁』(ほうけい) 腕を丸く曲げた[才朋]手を用いることにより,円軌道で上方へそらし受ける勁.あるいは,それを全身に応用すること.
【例】太極拳,劈挂拳
『抱勁』(ほうけい) 内側に抱え込むことに基づく勁.裏勁とほぼ同義.
『螺旋勁』(らせんけい) 纏糸勁と同義.
『裏勁』(りけい) 内側に抱え込むことに基づく勁.争勁に対比される.抱勁とほぼ同義.
【例】形意拳,八卦掌,八極拳,太極拳.
『轆轤勁』(ろくろけい) 別称:轆轤滾動勁.腰の快速な水平方向の捻転や肢の回転による慣性力に基づく勁.蓄勁と発勁の区別があまり明確でなく,曲線状の勁道上のどこでも発力しうる.
【例】劈挂拳,通備翻子拳.
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