第5章 肝、膵のCT検査法について

 

 

5−1早期肝細胞癌

 

肝細胞癌の発育過程として、より低分化の組織が高分化の組織におき変わってゆくという多段発育の経路が提示されています。すなわちまず最初に構造異型を認めないためにがんと診断できない腺腫様過形成adenomatous hyperp1asia(AH)の内部に高分化型肝癌が出現し、早期肝細胞癌となります。次に高分化肝癌の部分が増大して行き、内部に通常の中〜低分化肝癌が出現し結節内結節を形成することで早期進行肝細胞癌ear1yadvncedHCCとなり、さらに内部の低分化の部分が全体を占めて通常の進行肝細胞癌となるのです。実際においても画像診断の進歩により従来の肝細胞癌の初期像と思われる病変が多く発見されています。これは通常の中〜低分化型肝細胞癌(進行肝細胞ガンadvancedHCC)と異なりhypo〜isovascu1arであり血管造影でも多くが厘瘍濃染を認めず、またわずかではありますが門脈血流も供給さ仏その大きさはほとんどが2p以下です。

(図一1参胴肝細胞癌の多段発育過程:金井俊雄ほか。小さい肝細胞癌の病理像。病理と臨床:396−405.1986より一部改変)

 

肝細胞癌の多段階発育

 

肝細胞癌の発育過程として、より低分化の繊維組織が、高分化の組繊に中に発生し徐々に低分化の組鐵に置き換わってゆく。

腺腫様過形成 早期肝細胞癌   早期進行肝細胞癌    進行肝細胞癌

腺腫様過形成の内部に

高分化肝癌出現する。

高分化肝癌の部分が増大し、内部に低一、

中分化肝癌が出現し結節結節を形成する。

 

内部の低分化の部分が全体を占めて進行肝癌となる。

 

図一1肝細胞癌の多段発育過程:金井俊雄ほか。小さい肝細胞癌の病理像。病理と臨床:396−405.1986

 

 

 

5−2早期肝細胞癌のCT像

 

早期細胞癌のCT像としては造影早期相で腫瘍濃染を認めたり、リビオドールCTでリビオドールの貯留を認めることは少なく、単純CTや造影晩期相で等吸収領域かわずかな低吸収領域を示すことがあるのみとなります。また等吸収領域となる場合は通常の急速静注CTでは検出が不可能であり、経動脈性に門脈を造影しながら撮影する門脈アンギオCTが現在、最も検出能の高い検査法として用いられています。また早期進行肝細胞癌は内部の結節は進行癌の特徴を、周辺部は早期癌の特徴を持っているためにそのCT像は中心部はhypervascu1arで門脈血流を認めず、辺縁部はhypo−isovascular、で門脈血流が低下しています。

図一2に肝細胞癌の多段は発育過程で描出されるCT画像を示します。

 

腺腫様過形成

早期肝細胞癌

早期進行肝細胞癌    

進行肝細胞癌

 

単純CT

ISO-LOW

IOS-LOW

全体IOS-LOW

LOW

造影早期CT

IOS-LOW

IOS-LOW

中心部high

辺縁is-LOW

high

 

 

造影晩期CT

IOS-LOW

LOW

全体LOW

LOW

門脈アンギオCT

IOS-LOW

LOW

中心/perfusion defect

辺縁/LOW

 

perfusion defect

 

 

 

 

 

図一2

肝細胞癌一境界病変のCT像:

出典:CT&MRlによる肝、胆、膵、脾の画像診断。高安賢一、村松幸男編集。37・1993。日本アクセルシュプリンガー出版

 

門脈アンギオCT(porta1angioCT)は早期細胞癌内部の門脈血流が腫瘍内の細胞密度の増加によりわずかに周囲より低下していりことを利用し、病変部を描出する方法です。

 

5−3

門脈アンギオCT

 

門脈アンギオCT(porta1angioCT)は通常、上腸間膜動脈に挿管したカテーテルより造影し門脈が十分に造影されるタイミングで撮影するㆂので門脈血流を受けていない肝細胞癌や転移性肝癌を周囲の正常部に比べ相対的な低吸収域:perfusion defectとして描出する方法です。

 

早其肝細胞癌では門月耐L流が周囲より低下しているため低吸収域:perfusiondefectとして検出することが出来ます。当施設で行われているアンギオCTの撮影手枝を図一3に示します。門脈アンギオCT(porta1angioCT)の検出には肝臓内にまつたく造影剤が存在していないことが理想であるために、門脈DSAに先攻する形でまず最初に行う必要があります。注入条件は70mgI−m1(350mgI−m1を5借希釈)の造影剤を総量90m1を注入レート3m1/秒で注入。20秒後スキャン開始で行われています。注意すべき点はテーブルの移動方向とスキャンタイミングです。すなわち門脈からの血流経路は門脈→肝実質→肝静脈であり、体軸上の解剖学的見地より足側から頭側に切り上がることが必要となることです。また注入された造影剤が肺循環から体循環への2回目の循環により肝細胞癌を染めるまでの時間内に総スキャン時間を収めなければならない点で

アンギオCT

カテ−テル位置

X線ビ−ム幅

寝台移動速度

再構成間隔

寝台移動方向

スキャンスタ−ト

造影剤総量

注入速度

 

mm

mm

mm

 

 

cc

Ml/s

Portal-CT

 

 

  SMA

 

 

 

 

 

 

 

足頭

 

 20

90

105

3.0

3.5

Angio-CT

 

 

PHA(CHA)

 

 7

 

 7

 

5/7

 

頭足

 

7/10

 

60

 

2.0

(Sub)Seg

Art-CT

区域枝

 

 

 

適宣

7/10

適宣

適宣

用手

 

注:管電圧120kv管電流250mA88mgl/ml(350r1/mLを4倍希釈)を使用図一3アンギオCTの撮影手技:村松禎久他。CTアンギオシステムにおける血管造影検査の撮影技術。lNNERVlS10N(13,12)。39.1998より

 

5−4膵CT検査法

 

通常超音波検査はスクリーニングに用いられ、CT,MRIは精査の手段として用いられています。しかしMRIは呼吸性アーチファクトの影響を多く受けるため現時点ではCTがが最も有効な検査手段となっています。特にヘリカルスキャン法は膵臓癌の存在診断や病期診断に不可欠なスキャン法です。

膵CTでは造影剤を急速注入した場合に膵実質は早期相でenhancementされてhighdensityを呈します。しかし膵癌はvascularityが乏しいためにLowdensitymassとして描出されるが肝CTと異なる所です。重要なことは膵CT検査を行うにあたり留意すべき点は動脈相を主体とし病変部の染まりに重点をおく肝CT検査法と異なり、そのスキャンタイミングを膵実質が均質に造影される遅めタイミングで行うことが必要となる点にあることです。

 

5−5膵の解剖とスキャン法

         総胆管  門脈本幹      主膵管

 

図一4膵臓の解剖(膵管走行を中心として)

膵は通常3つの部分に分けられます。すなわち上腸管膜静脈から連続する門脈本幹の左縁と十二指腸内壁縁で囲まれた頭部と残る膵臓を2等分した体部と尾部です。頸部と鉤状突起は頭部に含まれ、通常、膵尾部にゆくにつれて頭側斜め方向に位置するようになります。鉤状突起は上腸間膜静脈の背側に位置し、通常、左腎静脈の描出されるスライス位置でみられます。重要なことは鉤部を切り損ねないようにすることであり、スキャンの場合は十二指腸水平脚までを撮る必要があることです。

 

 

 

 

膵CT検査法は単純、造影、中間相、平衡相(5分)の4相スキャンを基本としています。注意点は検査開始前に水200ccを飲用し、十分に十二指腸水平脚まで水が行きわたるのを待つことです。この狙いは膵頭部と十二指腸下降脚を明瞭に区別させるためであり、また造影剤剤使用時における脱水状態を緩和させ副作用の発生を予防することの2点にあります。ガストログラフィン希釈液は造影剤による膵実質(頭部)の染まりと十二指腸内のガストログラフィン濃度が等濃度となり、造影CT時において境界領域の判別および診断の障害となるために水のみの飲用が行われています。以下、検査手順について述べて行きます。

 

5−3膵CTの検査手順

 

手順一1:

まず単純CTとして膵尾部、膵頭部を十分に含めたスライス厚:5oの通常スキャンを行う(ヘリカルスキャンでも可)。

手順一2:

次に造影CTを行う。造影CTは早期相と中間相(intermediate)の2相に別れ、まず造影早期相は使用造影剤量:150m1。注入速度:3m1/秒。注入開始後50秒よりスタートする。

(スキャン条件はスライス幅:5o、ピッチ1。のヘリカルスキャン)。

手順一3:

造影早期相が終了後、直ちに中間相のスキャンが肝上縁より大動脈分岐部(腸骨上縁)まで行う。中間相のスキャンはスキャン範囲が広いために一息、止め時間を考慮し、10ミリスライス幅、ピッチ1のヘリカルスキャンで行う。

手順一4:

造景早期相で明確な主病変の在在が指摘された場合に、5分後の造影晩期相を膵のみに限定し、スライス厚:5oのスキャンで行う。膵癌の手術適応の有無は腹腔動脈や上腸間膜動脈、腹部大動脈に直接浸潤しているか否かで

 

 

 

手術適応が決まるために十分に動脈系が造影される必要があり、当施設では現在、150m1の造影剤量を使用しています。また中間相の目的は、膵病変の存在診断のみならず肝転移巣の有無、

門脈リンパ節情報を同時に得ることにあります。主病変の存在診断、質的診断だけでなく、広く他の診断情報を得ることが重要なポイントとなるのです。同様に膵癌、胆管癌は繊維化にとむことが多く、晩期相で高吸収領域となることが多く、晩期相は重要な時相です。ヘリカルスキャンの再溝成間隔はスライス厚に準じることを基本としています。しかし微細病変に対しては造影早期相を主体に病変部の前後を含め拡大(1.5倍)処理、2o再構成がスキャン終了後生データに対して行われています。胆管癌を含め壁に沿って進展して行く腫瘍生病変に対しては薄いスライス厚、細かな再構成間隔による画像再構成処理が不可欠となります。膵臓、胆道系(胆管癌)はマルチスライスCTが従来型CTと異なり、新たな診断情報を提供できる臓器の1つと考えます。

図一6膵癌の典型:

単純CTで膵体部にて淡い低濃度域が認められる。造影CTの早期相では膵の実質は造影されて高濃度域を呈するが癌巣は血流が乏しいために低濃度域として明瞭に描出される。繊維化に富む癌巣は晩期相で造影剤の貯留が起こるために高濃度域に描出される。

図一5膵CTのスキャン条件

図一7膵癌の典型:

主膵管の拡張を伴った膵体部癌。進行した膵癌では腹腔動脈根部や総肝動脈を巻き込む形で進行する。

 

 

マルチスライスCTの画像ノイズはシングルスラ1イスCTと比べ多いのですか、それとも少ないのですか。…具体的にはどの程度なのですか。

 

図一8を見て下さい。シングルヘリカルCTの2o、5mmスライス厚の画像でのピッチ(一回転当たりの寝台移動量のスライス幅に対する比率)の違いによる画像ノイズ量の変化を見たものです。シングルヘリカルではヘリカルピッチの変化に関係なく画像ノイズほぼ一定値を示した。これはスライス幅内において再構成に関与する投影データの数が常に一定なためであり、画像再構成のためにスキャンされたデータを補間する際に180対向補間法では近傍の2点のみで補間を行うためです。具体的にはビッチが違っても画像を作る(投影)データ数は変わらないためです。次に図一9はマルチスライスCTでの2oと5oのスライス厚でのピッチの違いによるノイズ量の変化を示したものです。マルチスライスCTではピッチが大きくなるに従い、ノイズ量も増えて行きます。

図一8シングルヘリカルCTの2o、5oスライス厚の画像でのピッチの違いによる画像ノイズ量の変化マルチスライスCTの画像ノイズはシングルスラ1イスCTと比べ多いのですか、それとも少ないのですか。…具体的にはどの程度なのですか。

 

図一8を見て下さい。シングルヘリカルCTの2o、5mmスライス厚の画像でのピッチ(一回転当たりの寝台移動量のスライス幅に対する比率)の違いによる画像ノイズ量の変化を見たものです。シングルヘリカルではヘリカルピッチの変化に関係なく画像ノイズほぼ一定値を示した。これはスライス幅内において再構成に関与する投影データの数が常に一定なためであり、画像再構成のためにスキャンされたデータを補間する際に180対向補間法では近傍の2点のみで補間を行うためです。具体的にはビッチが違っても画像を作る(投影)データ数は変わらないためです。次に図一9はマルチスライスCTでの2oと5oのスライス厚でのピッチの違いによるノイズ量の変化を示したものです。マルチスライスCTではピッチが大きくなるに従い、ノイズ量も増えて行きます。

 

 

図一8シングルヘリカルCTの2o、5oスライス厚の画像でのピッチの違いによる画像ノイズ量の変化

 

マルチヘリカルCTは体軸方向に4列の検出器をもっています。そのために1回転中での投影データの軌跡、すなわち対向データを含めたヘリカル軌跡はピツチに応じて重なりが生じ不均等な間隔で並びます。これを補正するためにリサンプリング(多点補間)が行われます。重要なことはリサンプリングが行われる時に一番外側にあるデータ点はスライス幅を超えて、近くにあるデータ点を探しに行きます。結果として1枚の画像を再構成するための投影データ量とその範囲が異なることになる結果として画像ノイズが変化してゆくのです。

 

図一9マルチスライスCTでの2oと5oのスライス厚でのピツチの違いによるノイズ量の変化

 

 

 

 

図一10はスライス厚5oの図8と9の合成図にシングルスライスCTでのX線出力が2借の画像ノイズのグラフを付加したものです。この図よりマルチスライスCTの画像ノイズ特性はシングルスライスCTのX線出力を2倍にしても、さらに優れてることが分かります。

まとめると図一11のようになります。直感的には同等の画像ノイズの画像を得ようと思えばマルチではシングルに比べ1/2の線量で撮影できるということになります。なんだかマジックですね。脇道にそれますがノイズのグラフの縦軸のスケールである%σWaterとは雑音の大きさを水の線吸収係数に対するパーセントとして表した単位です。これは実効エネルギーの誤差を除くことを目的としています。それでは線量の切り口からマルチとシングルを比較すればどうなるのでしょうか?。

図一12に結果のみを示して置きます。条件としては画像中心の位置において、スキャン範囲はlOOoの積分線量。測定スライス厚は2oとした場合にマルチスライスCT

 

スライス厚5mmでのシングルスライスCTとマルチスライスCτの画像ノイズの比較

 

図一10スライス5oの図8と9の合成図にシングルスライスCTでのX線出力が2倍の画像ノイズのグラフを付加

図一11マルチスライスCTとシングルスライスCTの画像ノイズの比較

 

図一12マルチスライスCTとシングルスライスCTの線量の比較は同一出力(mAs)でシングルの約30%アップとなります。この要因は何に起因するのでしょうか。従来のシングルCTでは画像のスライス厚はX線管下にあるコリメータ幅のみで決定されていました(これはウソで薄いスライス厚では下部コリメータでスライス厚を絞っている装置もあります)。この場合に焦点の熱移動に伴う焦点ずれによりX線ビームは場が体軸方向に多少ずれてもスライス厚に変化は生じませんでした。しかし、マルチスライスCTでは検出器のエレメント間にセパレーションがあり、ビームに動きが生じると検出器間に照射される幅に差が生じる現象が顕著に表れてきます。結果としてスライス厚が変化してしまうのです。シングルCTでも影響はありませんがマルチほどは顕著に表れません。このために熱焦点を考慮しX線管下でのコリメートを少し広めにしていることが考えられます。これは推測です。勿論、ウエッジ形状、X線の実効エネルギー、焦点一検出器間離などのX線光学系の違いもあります。

 

図一13熱焦点移動に伴うスライス厚の変化の模式図

 

 

 

東芝メディカル Aqilion16 根本杏林堂Dual shot

ZIO Server Exe Vision Zio M900 Alatview MOZIO サ−バ−

撮影部位

頭部

脳血管

頚部

胸部

乳房

肺梗塞

下肢静脈血栓

 

 

3D-CTA

 

自動

 

胸部

下肢

管電圧Kv

120

 120

120

120

120

120

120

管電流mA

250

 300

Auto

Auto

Auto

Auto

Auto

撮影スライス厚(mm)

1

 

0.5

1.0

 

1.0

 

1.0

 

1.0

 

1.5/5

スキャン速度(sec/回転

1.0

 

0.5

0.5

 

0.5

 

0.5

 

0.5

 

0.5

ピッチ

11

11

11

15

15

18

15

スキャン範囲(cm)

14

 6

23

30

30

30

100

総撮影時間

15.4

 6.8

11.7

11.3

11.3

11.2

34.5

撮影方向

足頭

足頭

頭足

足頭

足頭

頭足

頭足

再構成スライス厚/間隔ル−チン

3/MPR

 

7/7

1/0.5

 

2/2

0.5/0.3

 

7/7

1/0.5

 

7/7

1/0.5

 

7/7

1/0.5

 

5/5

1/0.5

 

10/10

1/0.5

造影剤濃度/注入量

 

 

 

 

 

 

 

体重区分-50Kg

/60

/60

/60

/80

/60

/80

 

50-70Kg

/80

/60

/80

/80

/80

/100

 

70kg-

/100

/60

/100

/100

/100

/100

 

注入速度ml/sec

1.2

4.0/5.0

1.5

2.0

2.0

3.0

 

注入時間

30

12

63

48

48

32

 

スキャン開始時間

終了

 

 

 

 

 

 

固定法

直後

 

60

40

70

30

180

Sure Start CT

 

総頚動脈

 

 

 

 

 

テスト注入

 

アニュアル

 

 

 

 

 

生食フラシュウ

有無

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影部位

腹部

腹骨盤

骨盤

肝動脈早期

肝動脈後期

肝門脈

肝平衡相

 

 

 

早期

後期

門脈

 

管電圧Kv

 120

 120

120

120

120

120

120

管電流mA

 Auto

Auto

Auto

Auto

Auto

Auto

Auto

撮影スライス厚(mm)

 1.0

 1.0

 1.0

 1.0

 1.0

 1.0

 1.0

スキャン速度(sec/回転

 0.5

 0.5

 0.5

 0.5

 0.5

 0.5

 0.5

ピッチ

 15

 15

 15

 15

 15

 15

 15

スキャン範囲(cm)

 30

 45

 30

 25

 25

 25

 25

総撮影時間

 15.0

 16.0

 15.

 7.0

 7.0

7.0

7.0

撮影方向

頭足

頭足

頭足

頭足

頭足

頭足

頭足

再構成スライス厚/間隔ル−チン

3/MPR

7/7

1/0.5

7/7

1/0.5

7/7

1/0.5

5/5

1/0.5

5/5

1/0.5

5/5

1/0.5

5/5

1/0.5

造影剤濃度/注入量

 

 

 

150

150

150

150

体重区分-50Kg

80

 80

 80

 

 

 

 

50-70Kg

95

 100

 100

 

 

 

 

70kg-

100

100

100

 

 

 

 

注入速度ml/sec

1.5

 1.5

 1.5

3.5

3.5

3.5

3.5

注入時間

 63

 63

 63

 43

 43

 43

 43

スキャン開始時間

 

 

 

 

 

 

 

固定法

100

 100

 100

 

40

65

180

Sure Start CT

 

 

 

Ao150

 

 

 

テスト注入

 

 

 

 

 

 

 

生食フラシュウ

有無

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影部位

 

 

胸部

腹部

 

動脈相

実質相

排出相

大動脈

大動脈

全大動脈

管電圧Kv

 120

 120

 120

 120

 120

 120

管電流mA

AutoAEC

AutoAEC

AutoAEC

AutoAEC

AutoAEC

AutoAEC

撮影スライス厚(mm)

 1.0

 1.0

 1.0

 1.0

 1.0

 1.0

スキャン速度(sec/回転

 0.5

 0.5

 0.5

 0.5

 0.5

 0.5

ピッチ

 15

 15

 15

 15

 15

 15

スキャン範囲(cm)

 20

 20

 25

 35

 45

 60

総撮影時間

 7.0

 7.0  

 10

 12

 15

 20

撮影方向

頭足

頭足

頭足

頭足

頭足

頭足

再構成スライス厚/間隔ル−チン

3/MPR

 

5/5

1/1

 

5/5

1/1

 

5/5

1/1

 

5/5

1/1

 

5/5

1/1

 

5/5

1/1

造影剤濃度/注入量

100

100

100

100

100

100

体重区分-50Kg

 

 

 

 

 

 

50-70Kg

 

 

 

 

 

 

70kg-

 

 

 

 

 

 

注入速度ml/sec

 3.0

 3.0

 3.0

 3.0

3.0

 3.0

注入時間

 30

 30

 30

 30

 30

 30

スキャン開始時間

 40

 90

 300

 50

 50

 50

固定法

 

 

 

 

 

 

Sure Start CT

 

 

 

 

 

 

テスト注入

 

 

 

 

 

 

生食フラシュウ

有無

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影部位

大動脈分岐動脈

下肢動脈

ECG

心臓

心電図

同期

大動脈

ECG

 

3D-CTA

3D-CTA

動脈相

遅延層

 

 

管電圧Kv

 120

 120

 120

 120

 120

 

管電流mA

AutoAEC

AutoAEC

 400

 400

AutoAEC

 

撮影スライス厚(mm)

1.0

 1.0

 0.5

 0.5

0.5

 

スキャン速度(sec/回転

 0.5

 0.5

 0.5

 0.5

 0.5

 

ピッチ

 15

 15

3.2/4.0

3.2/4.0

3.2/4.0

 

スキャン範囲(cm)

40

100

 11

 11

 33

 

総撮影時間

 22

 35

  26

  14

 36

 

撮影方向

頭足

頭足

頭足

頭足

頭足

 

再構成スライス厚/間隔ル−チン

3/MPR

 

5/5

1/1

 

5/5

1/1

 

0.5/0.5

0.5/0.3

 

1/1

1/0.5

 

7/7

1/1

 

造影剤濃度/注入量

150

150

150

150

150

 

体重区分-50Kg

 

 

 

 

 

 

50-70Kg

 

 

 

 

 

 

70kg-

 

 

 

 

 

 

注入速度ml/sec

 3.0

 4.0

4.0/2.0

 4.0/2.0

 4.0

 

注入時間

 32

 35

 28

 

 28

 

スキャン開始時間

 

 

 

 

 

 

固定法

 

 

 

 

 

 

Sure Start CT

Ao150

Ao150

 

 

胸部Ao150

 

テスト注入

 

 

Ao10cc

注入

 

 

 

生食フラシュウ

有無

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CT検査の臨床的有用性は、今さら議諭すべき対象ではないし、それを否定することなど毛頭考えにもありません。ということは、CTの線量について議論することなどほとんど意味のないことでは、と思われている読者の方も多いと思われます。しかし、欧米に較べて医療被曝が2倍を超していることは事実ですし、その原因はCT検査にあるとされています。それを裏付ける身近な統計データを示します。

2.5国立がんセンター中央病院における年間者

数の推移を、Fig12に示します。たとえば、1990年と99年十数を比較してみますと、この10年あまりで放射線の全検査数は30%程度しか増えていませんCTの検査数は2倍以上に増えており、臨床医はいかにCT画像をたよりにしているかがうかがえます。つぎに、CT検査の年間患者数とスライ

 

Fig.1放射線検査の年間患者数の推移

隼Fig.2放射線検査の年間患者数とスライス数の推移

 

ス数の推移をFig.2に示します。同様に1990年と99年の比較では、患者数の増加は2倍に対し、スライス数は4倍にも増えています。つまり、1患者あたりのスライス数は2倍であり、確実に医療被曝が増えているといえます。また、最近では胸部検診をヘリカルスキャンCTで実施する動きが活発になってきました。とくに胸部X線検診に対し、否定的な立場であったMayoc1inic:USAでも現在研究が進められています。こと検診では、健常者が対象となるために、高い精度管理が要求されます。ところで、放射線技師のプロフェッショナルとは何でしょうか?。当たり前ですが、放射線は人体に有害と知っていても、それを照射できることにあります。つまり画質と線量をどのようにバランスを図ってゆくか(広義には最適化)が私達の本分であるはずです。でも不思議ですが、CT装置のコントローラの前に座ると、誰かによって決められたプランに従って単純にキーボードを叩いている、またはマウスクリックをしているだけなのに、「今日もいっぱいスキャンをしたなあ」と変な満足感に浸っているのは筆者達だけではないはずです。前置きが長くなりましたが、少しでもCTの線量特性について勉強する意味を読者に理解してもらってから話を進めたいという筆者達の考えによるのもです。では、はりきってはじめてゆきましょう。

 

2.CTにおける線量評価の考え方

 

X線CT検査における被ばくについては、2つの立場から検討されなければなりません。1つは患者被ばくの立場からであり、その内容は、CT検査に伴う被ばくにより身体に対し、生物学的にどのような影響を受けるかを推定するものです。一方、もう1つはCT装置の性能評価および品質管理の立場からであり、装置据付時から定期的に1則定が行われなければなりません。また、その測定値は間接的にせよ患者被ばくとして推定できることが望ましいことになります。しかし、混同してはいけません。ここでは、CT装置の線量評価の立場から話を進めます。

 

3。現状の線量測定法について

 

線量特性を把握するには、その“ものさし”、つまり線量測定法を正しく理解しておかなければなりません。しかしながら、本邦においては、CTの線量測定(法)について今だ明確に解説されている文献は少ないようです。ここでは、ThomasB.Shopeらの文献(Med.Phys。、8(4)、488−495.1981)を基に、はじめから解説してみます。

 

3.1線積分線量とCTDl(ComputedTomographyDoselndex)の関係

 

Fig3にCTにおける被ばく形態の模式図を示します。円柱ファントムは、回転中心に配置されていると仮定します。ここで、単一(シングル)スキャンが施行されたとすると、その体軸Fig.5マルチスキャン時の線量プロフィール

 

(Z軸)上の線量プロファイルはFig.3のグラフのように表されます。得られたシングルスキャンの線量プロファイル(D1:Fig.4)下の面積は、線積分線量(式1)と定義されます。

線積分線量=∫一二Dl(Z)dz…式1

 

ただし、線積分線量の値はスライス厚と1回のスキャン当たりに生成される断層数に依存するため、それを補正したCTDI(ComputedTomographyDoseIndex:式2)が採用されています。なお、Tは設定スライス厚を、nは1回のスキャン当たりに生成される断層数を示します。

 

CTDI=(1/nT)∫一二D1(Z)dz…式2

 

3.2MSAD(Mu1tipleScanAverageDose)について

 

通常のCT検査においては、ある設定スライス厚に対し、任意のテーブル移動間隔(I)で多重(マルチ)スキャンが行われます。それに対する線量表示として、MSAD(Mu1tip1eScanAverageDose:式3)が定義されています。MSADは、マルチスキャンを行ったときの線量プロファイル(D、。I:Fig.5)の原点(スキャン範囲の中心位置)の平均線量を意味しています。なお、このときのスキャン数は規定されていませんが、スキャン数が増加するに従い線量は飽和するため、飽和したときの線量を一般的にMSADとしています。T=IのときMSAD=(1/T)∫」、、T2D.I(Z)dz…式3

3.3MSADとCTDlの関係MSADとCTDIの関係をFig6に示します。はじめにシングルスキャンプロファイルをスライス厚間隔に分割してみます。原点から1つとなりの斜線の部分は、マルチスキャンを行ったとき、当然となりのスライス分に加算されます。そして同様に2つとなりの斜線部分は2つとなりのスライス分に加算されます。ということは、中心のスライスには両側の斜線部分がすべて加算されることになります。よって、T=IのときMSAD=CTDI

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