特別企画
「20年を振り返る」
核医学技術の貢献者 -日核技関東地方会を中心に-
東邦大学医学部付属大森病院 小堺加智夫 先生
Ⅰ.黎明期の核医学
核医学はベクレルによるベクレル線(放射能)の発見から始まり、キューリー夫妻のラジウム、
ヘベシーのトレーサー、J.キューリーの人工放射能、ラウレンスのサイクロトロン、ラッセンのスキャナー、アンガーのシンチカメラとポジトロンカメラ、そしてスペクト更にはバーソン&ャローによるラジオイムノアッセイ等が上げられる。
国内では仁科芳雄博士による理研のサイクロトロン、そして経口投与による体内循環、戦中米国によるサイクロトロン破壊、民間貿易による131Iの輸入、更に理研のサイクロトロン再開によるアイソトープの配給、それ以前に日本放射性同位元素協会協会(日本アイソトープ協会)設立、順次に完備した関係法令、医療アイソトープによる廃棄物の集荷が始まる等、核医学は益々隆盛を見、アイソトープはより短半減期に、機器はスキャナーからカメラそしてコンピュターを駆使したスペクト・ペットへと進んでいる。
Ⅱ.他の学会に関係する技術者
技術に関係する学会は、日本放射線技術学会が早くから京都に事務局を構えて今年59回を迎
え、本家の核医学を目的とする学会では日本核医学研究会(第4回から学会)が東大に事務局(現在は日本アイソトープ協会)を置いてから43回を迎える。その日本放射線技術学会に関しては、前日本放射線技師会の中村実会長が第8回大会においてヨードを用いて「二次特性X線の利用について」を発表、その後、第17回大会で長崎大の高橋彬が「低率計数除去回路の1例」、第18回大会で東芝の西堀清美等が「リニアスキャナーの試作研究」を発表している。また日本核医学会においては、第5回大会において金沢大で共同演者として松平正道が「MUHCによる多核種シンチスキャニング」を発表している。
Ⅲ.関東地方会に関係する技術者
関東地方会は都、県の研究会組織で活躍され、神奈川が技術者を中心とする研究会で全国最も早く設立、東京が翌年に続いている。これ等の研究会が全国組織の日本核医学技術研究会(第10回総会で学会に改称)設立に際し、関東で固いまとまりを示して来ている。同時に関東ではそれより早い1年前から東京・千葉の合同研究会が千葉で開催され、続いて東京において東京・千葉・神奈川の合同、神奈川で東京・千葉・神奈川・埼玉の合同、埼玉は東京・千葉・神奈川・埼玉の合同として第4回として開催、その翌年から1都8県で関東地方会を設立して事務局を東邦大学大橋病院に置いて、埼玉医大
関守雄会長の下に茨城の水郷でスタートしている。
これ等の内容については、記念誌に掲載されているが、更にデータを整理・追加して関東地方会における「核医学技術の貢献者」として紹介する。