第97回薬剤師国家試験(平成24年3月)

    一般問題(薬学理論問題) 【物理・化学・生物】(問91〜問)


問91

放射線及び放射能に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 娘核種の半減期が親核種の半減期よりも十分長い場合には、放射平衡を利用したミルキングにより娘核種を得ることができる。

 2 軌道電子捕獲では、中性子が放出される。

 3 Nal (Tl) シンチレーションスペクトロメ一ターは、γ線のエネルギーを測定し、γ線放射核種の推定に利用される。

 4 γ転移では、原子番号が1減少するが、質量数は変化しない。

 5 γ線は、α線及びβ線に比べ透過性が高い。


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問92

次の化学反応式に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

   

 3/2 H2 ( g ) +1/2 N2 ( g )矢印 NH3 ( g )  △HO = -46.1 kJmol-1

 ただし、△HOはアンモニアの標準生成エンタルピーであり、(g) は気体状態を示す。

 1 反応が平衡状態にあるとき、温度を低下させると反応は右方向に進行する。

 2 反応が平衡状態にあるとき、圧力をかけると反応は左方向に進行する。

 3 触媒の添加により、反応の生成エンタルピーを低下させることができる。

 4 温度を変化させて、ファントホッフプロットを行うと、右上がりの直線性のプロットが得られる。


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問93

図は、3種類の電解質 (NaOH, CH3COOH, NaCl) 溶液のモル伝導率 (Λ) と濃度 () の平方根との関係を示している。図中のa 〜 cと電解質の正しい組合せはどれか。1つ選べ。

   

 



a

b

c

1

NaOH

CH3COOH

NaCl

2

NaOH

NaCl

CH3COOH

3

CH3COOH

NaOH

NaCl

4

CH3COOH

NaCl

NaOH

5

NaCl

CH3COOH

NaOH

6

NaCl

NaOH

CH3COOH


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問94

反応A → Bは、反応物Aの濃度Cに関して2次反応である。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、反応物Aの初濃度をCo、反応速度定数をk、半減期をt1/2とする。


 1 圧力、温度が一定ならば、Coが変化してもkは一定である。

 2 Coが2倍になれば、反応速度は2倍になる。

 3 Coが2倍になれば、t1/2は1/2になる。

 4 濃度の逆数1/Cを反応時間に対してプロットすると、傾きが (ln2) /kの直線が得られる。


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問95

日本薬局方フェニレフリン塩酸塩の定量法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

   

 本品を乾燥し、その約0.1 gを精密に量り、ヨウ素瓶に入れ、水40 mLに溶かし、0.05 mol/L臭素液50 mLを正確に加える。更に塩酸5 mLを加えて直ちに密栓し、振り混ぜた後、15分間放置する。次にヨウ化カリウム試液10 mLを注意して加え、直ちに密栓してよく振り混ぜた後、5分間放置し、遊離したヨウ素を0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液1 mL)。同様の方法で空試験を行う。


 1 本品1モルに対して、3モルの臭素が反応する。

 2 臭素1モルに対して、3モルのヨウ化カリウムが反応する。

 3 ヨウ素1モルに対して、1モルのチオ硫酸ナトリウムが反応する。

 4 チオ硫酸ナトリウム液による滴定は、中和滴定である。

 5 チオ硫酸ナトリウム液の滴定量は、空試験の方が多くなる。


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問96

医薬品分析法のバリデーションに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 「真度」とは、均質な検体から採取した複数の試料を繰り返し分析して得られる一連の測定値が、互いに一致する程度のことである。

 2 「特異性」とは、試料中に共存すると考えられる物質の存在下で、分析対象物を正確に測定する能力のことである。

 3 「検出限界」とは、試料中に含まれる分析対象物の定量が可能な最低の量又は濃度のことである。

 4 「直線性」とは、分析対象物の量又は濃度に対して直線関係にある測定値を与える分析法の能力のことである。


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問97

クロマトグラフィーに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 ろ紙クロマトグラフィーは、ろ紙に含まれる水を固定相とする分配クロマトグラフィーである。

 2 固定相としてオクタデシルシリル化したシリカゲルを用いる逆相分配クロマトグラフィーでは、極性の高い溶質が先に溶出する。

 3 アミノ酸分析に用いられる陽イオン交換クロマトグラフィーでは、塩基性の強いアミノ酸から順に溶出される。

 4 サイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィーでは、分子量の小さな溶質から順に溶出される。


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問98

低分子量の薬物分析を行う際の試料の前処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 水溶液中の目的物質を有機層に抽出するための有機溶媒として、ジエチルエーテルや1−ブタノールなどが用いられる。

 2 水溶液中の目的物質がカルボン酸であれば、水溶液をアルカリ性にすると有機溶媒で抽出されやすくなる。

 3 水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する有機溶媒として、アセトニトリルやメタノールなどが用いられる。

 4 水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する酸として、塩酸、硝酸が適している。


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問99

蛍光光度法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 蛍光は、分子が基底状態から励起状態に遷移する際に観測される。

 2 光源として、通常、重水素ランプが用いられる。

 3 蛍光スペクトルを測定すると、ラマン散乱光が観測されることがある。

 4 蛍光量子収率は、蛍光強度をモル吸光係数で除した値である。

 5 溶液中の蛍光物質の濃度が十分に希薄であれば、蛍光強度は蛍光物質の濃度に比例する。


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問100

脂質の二分子膜に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。


 1 両親媒性脂質の親水基どうしが向かい合わせとなった分子膜である。

 2 温度が高くなると、脂質分子の回転・拡散の運動性が高まる。

 3 不飽和脂肪酸鎖の二重結合が通常トランス型をとり、流動性を増大させる。

 4 リポソームは、球状ミセル集合体である。

 5 ゲル状態の二分子膜にコレステロールを加えると、膜の流動性が低下する。


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問101

日本薬局方に収載されているエフェドリン((1R,2S )-2-methylamino-1-phenylpropan-1-ol) の正しい構造はどれか。1つ選べ。

   


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問102

l-メントールに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

   

 1 l-メントールは不斉炭素原子を4つ持つ。

 2 AはBのエナンチオマーである。

 3 BはCのジアステレオマーである。

 4 CはAの環を反転させたものである。

 5 l-メントールの最も安定な配座はCである。


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問103

含窒素複素環化合物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 水溶性は、ピリジンよりキノリンの方が高い。

 2 塩基性は、ピロリジンよりピロールの方が弱い。

 3 重クロロホルム中で測定した1H-NMRのうち、炭素原子に結合した水素のシグナルは、ピリジンよりピペリジンの方が高磁場に観測される。

 4 芳香族求電子置換反応は、ピロールよりピリジンの方が速い。


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問104

反応後、水で後処理すると、エタノール以外のアルコール化合物を生成するのはどれか。2つ選べ。

   

 1 <グリニャ一ル反応>

 CH3CHO + CH3CH2CH2CH2MgBr -----------

 2 <フリーデル・クラフツ反応>

          AlC3

 C6H6 + CH3COCl -------→  

 3 <アルドール付加反応>

           NaOCH2CH3

 CH3CHO + CH3CHO ------

 4 <クライゼン縮合反応>

                 NaOCH2CH3 

CH3COOCH2CH3 + CH3COOCH2CH3  -----------


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問105

医薬品ア〜ウについて、正しい記述はどれか。2つ選べ。

   

 1 アの環内の窒素はsp混成である。

 2 イは、(S) -プロリン(L-プロリン)のN−置換体である。

 3 ウは、炎色反応試験で赤色を呈する。

 4 アが最も水に溶けやすい。


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問106

問106 以下の記述は、日本薬局方に収載されているアスピリンの確認試験である。[  ]に入れるべき化合物の名称はどれか。1つ選べ。

 本品0.5 gに炭酸ナトリウム試液10 mLを加えて5分間煮沸し、希硫酸10 mLを加えるとき、酢酸のにおいを発し、白色の沈殿を生じる。また、この沈殿をろ過して除き、ろ液にエタノール (95) 3 mL及び硫酸3 mLを加えて加熱するとき、[  ]のにおいを発する。

   

 1 酢酸

 2 酢酸エチル

 3 ギ酸

 4 メタノール

 5 フェノール


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問107

2つの5員環化合物 (A、B) から図に示す反応を以下の操作手順で行った。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


実験操作

 100 mLの丸底フラスコにB (60 mmol) を入れ、無水ベンゼン (50 mL) に溶かす。これを約5℃に冷却し、A (66 mmol) の無水ベンゼン (5 mL) 溶液を5分間で滴下する。室温で10分間撹拌後、さらに10分間加熱還流させると、化合物CとDの生成を確認した。

 放冷後、石油エーテル(約30 mL)をゆっくりと加え、冷却すると、生成物Cが析出した。


   

 1 この反応はディールス・アルダー反応とよばれる。

 2 この反応はエンド則に従い、主にCを生じる。

 3 Aからヒドリドがとれて生じる化合物は芳香族性を示す。

 4 Bの名称は無水フタル酸である。

 5 Cを単離するには、ひだつきろ紙を用いて吸引ろ過するのが最も適している。


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問108

図は日本薬局方医薬品イブプロフェン(ラセミ体)の1H-NMRスペクトル(500 MHz, CDCl3)と部分拡大図である。ピークhはCDCl3に含まれる残留CHCl3で、これを7.26 ppmとして化学シフトを示している。次の記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。


   

 1 拡大図中のピークaは、アとクがそれぞれシングレット(3H分)のシグナルとして観測されたものである。

 2 拡大図中のピークbはコのシグナルで、隣接メチンプロトンである ケ とのカップリングによりダブレットとして観測されている。

 3 拡大図中のピークcに対応するプロトンは イ である。

 4 拡大図中のピークeに対応するプロトンは ケ である。

 5 拡大図中のピークf、gは、ウ、エ、オ、力 のシグナルである。


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問109

チロシン由来のアルカロイドはどれか。2つ選べ。

   

 1 モルヒネ      2 ピロカルピン     3 ベルベリン

 4 エボジアミン    5 スコポラミン


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問110

基原植物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。


 1 オウレンとオウバクの基原植物はミカン科に属し、主要成分としてインドールアルカロイドを含む。

 2 ゲンチアナとリュウタンの基原植物はリンドウ科に属し、主要成分としてセコイリドイド配糖体を含む。

 3 ダイオウとセンナの基原植物はマメ科に属し、主要成分としてビアントロン類を含む。

 4 トウキとセンキュウの基原植物はセリ科に属し、主要成分としてリグナン類を含む。

 5 オンジとセネガの基原植物はユリ科に属し、主要成分としてステロイドサポニンを含む。


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問111

中枢神経系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 随意運動に関与する一次運動野は、大脳皮質の頭頂葉に存在する。

 2 大脳辺縁系は系統発生的に古い皮質であり、本能や情動及び記憶に関与する。

 3 線条体は被殻と淡蒼球からなり、錐体外路系に関与する。

 4 間脳の視床には、自律神経系の高位中枢が存在する。

 5 中枢神経系に分布する血管の血液脳関門では、物質の透過性が制限されている。


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問112

消化器系に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。


 1 胃では、胃底腺の主細胞がトリプシノーゲンを分泌することにより、タンパク質の消化が行われる。

 2 回腸では、膵液と腸液や胆汁の作用によって、三大栄養素すべての消化が行われる。

 3 消化された栄養素は、主として空腸と結腸の上皮細胞から吸収される。

 4 脂質は、吸収された後にキロミクロンとなり、主に門脈から肝臓を経て全身へ送られる。

 5 消化管の運動や腺分泌は、副交感神経刺激によって亢進する。


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問113

ほ乳類細胞の細胞膜を介した物質移動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 細胞膜の透過性は分子やイオンの大きさに依存するので、H+は自由に移動できる。

 2 酸素分子は、細胞内外の濃度勾配に従って単純拡散により移動する。

 3 細胞膜にあるCa2+ポンプ(P型Ca2+−ATPアーゼ)は、細胞外のCa2+を細胞内へ輸送する。

 4 多くの細胞において、グルコースは特異的なトランスポーターによって細胞内へ運ばれる。

 5 エキソサイトーシス (exocytosis) は、トランスポーターでは運べない大きな分子を細胞内に取り込む膜動輸送である。


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問114

下図に示すヒトのバソプレシンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

   

 1 下垂体前葉から分泌されるホルモンである。

 2 腎臓に作用して水の再吸収を促進する。

 3 エドマン (Edman) 分解を行うと、最初にグリシン残基が切断される。 

 4 カルボキシ末端のアミノ酸残基は、翻訳後修飾を受けている。

 5 塩基性アミノ酸は含まれていない。


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問115

酵素に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。


 1 酵素は、反応に必要な活性化エネルギーを低下させ、反応速度を増加させる。

 2 ミカエリス (Michaelis) 定数が小さいほど、基質と酵素との親和性が高い。

 3 最適pHとは、酵素活性が最大になる反応系のpHのことである。

 4 酵素は、競合阻害剤と不可逆的に結合して活性が阻害される。

 5 酵素活性に必須の因子(補因子)の中には、酵素と共有結合しているものがある。


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問116

真核細胞における遺伝子の転写及びその生成物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 メッセンジャーRNA (mRNA) は細胞質で合成される。

 2 RNAは、1種類のRNAポリメラーゼにより合成される。

 3 合成されたmRNAの5'末端にはキャップ構造が、また、3'末端にはポリAがそれぞれ付加される。

 4 成熟mRNAにはイントロンが含まれる。

 5 RNAポリメラーゼのプロモーターヘの結合には、基本転写因子が必要である。


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問117

遺伝子に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。


 1 点突然変異の結果、コードされるアミノ酸が変化するものをナンセンス変異とよぶ。

 2 DNAの相同組換えを利用し、特定の遺伝子を破壊したノックアウトマウスを作製できる。

 3 一塩基多型 (SNP) は、薬物代謝酵素活性の個体差の原因となることがある。

 4 複数の遺伝子を体細胞に導入することで、多能性を獲得した幹細胞を人工的に作製できる。

 5 糖尿病や動脈硬化症などの生活習慣病は、通常、多遺伝子性疾患である。


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問118

免疫に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 ナチュラルキラー (NK) 細胞は、あらかじめ抗原感作を受けなくとも、腫瘍細胞やウイルス感染細胞を傷害する。

 2 マクロファージの表面にあるToll様レセプターは、細菌の菌体成分の識別のための受容体としてはたらく。

 3 好中球が同一の異物により反復刺激を受けると、記憶細胞となり食作用が増強される。

 4 T細胞は、細胞表面に免疫グロブリンをもたないため、抗原を認識することができない。

 5 肥満細胞(マスト細胞)は、細胞表面の主要組織適合遺伝子複合体 (MHC) クラスII分子により抗原を認識する。


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問119

ヒトの抗体及びその遺伝子に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。


 1 定常部は、重鎖(H鎖)及び軽鎖(L鎖)に存在する。

 2 H鎖の定常部及び可変部をコードする遺伝子は、染色体上で離れて存在する。

 3 H鎖の可変部は、V、D及びJの3つの遺伝子断片によってコードされる。

 4 遺伝子の組換えにより、可変部の多様性が生み出される。

 5 L鎖の可変部の種類は、V遺伝子の数とほぼ等しい。


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問120

ウイルスに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。


 1 インターフェロンは、ウイルス表面の受容体に結合して作用する。

 2 A型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを阻害することにより、ウイルスの増殖が抑制される。

 3 成人T細胞白血病 (ATL) の原因ウイルスHTLV−1は、RNAウイルスである。

 4 ヒト免疫不全ウイルス (HIV) は、宿主T細胞表面のCD4とケモカイン受容体を介して感染する。

 5 B型肝炎ウイルスにより肝炎を発症した患者の血清には、感染性のウイルス粒子が検出される。


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    一般問題(薬学理論問題) 【衛生】(問121〜問140)


問121

栄養素の消化・吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 糖質の膜消化では、単糖と二糖が生じる。

 2 ラクトースを構成する2種の単糖の吸収は、同じトランスポーターによって行われる。

 3 カルシウムの吸収は、フィチン酸によって促進される。

 4 ヘム鉄の吸収は、ビタミンCによって促進される。

 5 中鎖脂肪酸の吸収は、胆汁酸を必要としない。


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問122

正味タンパク質利用率はタンパク質の栄養価を表す指標の1つで、生物価と並んで広く用いられている。ある食品中の正味タンパク質利用率を知るために、無タンパク質食で一定期間飼育したラットに被検食品を与えて調べたところ、次の結果が得られた。被検食品の正味タンパク質利用率として、最も適切な値はどれか。1つ選べ。


正味タンパク質利用率 =( 体内保留窒素量 / 摂取窒素量 )× 100


被検食品を介した摂取窒素量 = 500 mg

被検食品摂取時の糞中窒素量 = 120 mg

無タンパク質食摂取時の糞中窒素量 = 20 mg

被検食品摂取時の尿中窒素量 = 50 mg

無タンパク質食摂取時の尿中窒素量 = 10 mg


 1 48  2 56  3 64  4 72  5 84


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問123

食品添加物のうち、保存料として使用が許可されているのはどれか。2つ選べ。

   



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問124

食品における農薬の残留基準に関する記述の[  ]に入れるべき語句の正しい組合せはどれか。1つ選べ。


 食品衛生法の改正により、食品中の残留農薬については[ a ]制度が施行された。多くの農薬について食品中の残留基準が定められ、残留基準のない農薬等については、食品衛生法に基づき「人の健康を損なうおそれのない量」として一律基準[ b ]ppmが設定された。


       a       b

 1 ネガティブリスト   0.01

 2 ネガティブリスト   0.1

 3 ネガティブリスト    1

 4 ポジティブリスト   0.01

 5 ポジティブリスト   0.1

 6 ポジティブリスト    1


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問125

保健統計に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 粗死亡率は、年齢構成の影響を受けるため、年齢構成の異なる集団の比較には適していない。

 2 PMI(50歳以上死亡割合)は、人口や年齢構成がわからなくても算出できるため、国際的に健康水準を測る指標として利用される。

 3 年齢3区分別人口における老年人口は、75歳以上の人ロである。

 4 ある年齢における平均余命は、その年の平均寿命から年齢を差し引くことで算出される。

 5 国勢調査は、人口の規模、構造などの特徴を明らかにするための人口動態調査である。


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問126

ある集団を対象に生活習慣と癌の罹患状況をある一時点で同時に調査し、喫煙者では喉頭癌の有病率が高いという結果を得た。[  ]に入れるべき語句の正しい組合せはどれか。1つ選べ。


 この研究は[ a ]であり、その結果からは、[ b ]。


     a          b

 1 横断的研究  喫煙は喉頭癌の危険因子であることがわかる

 2 横断的研究  喉頭癌患者は喫煙を好むことがわかる

 3 横断的研究  喫煙と喉頭癌の因果関係は不明である

 4 縦断的研究  喫煙は喉頭癌の危険因子であることがわかる

 5 縦断的研究  喉頭癌患者は喫煙を好むことがわかる

 6 縦断的研究  喫煙と喉頭癌の因果関係は不明である


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問127

[  ]内の研究に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1883年、遠洋航海に出ていた練習船の乗員376名のうち169名が脚気に罹るという事態が発生した。海軍医務局長の高木兼寛は、脚気の原因が食事の質であると考え、特に食事中の炭素:窒素比の値が15を大きく超えると発生することに注目した。1884年、季節、乗組員、航路などの条件を一致させ、白米主体の食事から麦飯や洋食に変えただけで航海を実施したところ、脚気はほとんど発生せず、全員無事に帰国した。鈴木梅太郎が脚気の予防因子を米糠から抽出するのに成功したのは、その25年以上も後のことである。


 1 この研究は、疫学の症例対照研究に相当する。

 2 この研究では、脚気の予防に有効な因子は炭水化物である可能性が示唆される。

 3 この研究では、白米に脚気の原因物質が含まれている可能性が排除できない。

 4 鈴木梅太郎が得た抽出物の有効成分は、のちにビタミンB1であることがわかった。


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問128

労働衛生に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 すべての事業所に対して、安全衛生管理のため、衛生管理者を置くことが義務づけられている。

 2 作業環境管理や健康管理は、職業病予防の基本的な労働衛生管理である。

 3 作業管理は、暴露濃度を指標として実施する。

 4 薬剤師には、業務内容にかかわらず、特殊健康診断が義務づけられている。


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問129

感染性疾患と、主な感染源の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

    <疾患>          <感染源>

 1 ジフテリア  -------------  気道由来の飛沫

 2 成人T細胞白血病 -------  母乳

 3 エキノコックス症  -----  ノミ

 4 E型肝炎    ------------   血液


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問130

次の性行為感染症のうち、病原体がウイルスであるのはどれか。2つ選べ。


 1 梅毒

 2 軟性下疳

 3 淋病

 4 尖圭コンジローマ

 5 B型肝炎


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問131

暴露により尿中の馬尿酸濃度が上昇するのはどれか。2つ選べ。


 1 アニリン

 2 ニトロベンゼン

 3 トルエン

 4 フェノール

 5 ベンジルアルコール


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問132

化学物質と発癌作用に関する組合せのうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。


    <化学物質>           <作用>

 1                肝癌プロモーション

 2     

   

           膀胱癌プロモーション

 3                胃癌プロモーション

 4                大腸癌プロモーション

 5                皮膚癌プロモーション


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問133

アスベストに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 ケイ素を含む有機化合物である。

 2 酸やアルカリに耐性である。

 3 Ames試験で陽性を示す。

 4 大気汚染防止法では、特定粉じんに指定されている。


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問134

「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」(平成21年改正)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 対象となる化学物質の中には、環境中で分解されやすいものも含まれる。

 2 ポリ塩化ジベンゾ−p−ジオキシン (PCDD) は、第一種特定化学物質に指定されている。

 3 監視化学物質の設定は、化学物質の環境への放出量を把握することを目的としている。

 4 第二種特定化学物質は、高蓄積性を有し、ヒトヘの長期毒性又は高次捕食動物への毒性を有する。

 5 優先的に安全性評価を行う必要がある化学物質として、優先評価化学物質が設定されている。


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問135

メタノール中毒患者に対する治療方法として、誤っているのはどれか。1つ選べ。


 1 エタノール投与

 2 活性炭投与

 3 炭酸水素ナトリウム投与

 4 葉酸投与

 5 血液透析


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問136

フロン類について、数値が0であるのはどれか。2つ選べ。


 1 特定フロン分子内の水素原子数

 2 代替フロン分子内のフッ素原子数

 3 我が国で工業的製造が許可されている特定フロン種の数

 4 パーフルオロカーボンの地球温暖化係数


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問137

生物濃縮に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 環境汚染物質だけでなく、栄養物質にも見られることがある。

 2 生物濃縮の程度は、化学物質の性質のうち蓄積性よりも難分解性に依存する。

 3 1-オクタノール/水 間の分配係数は、濃縮係数と正の相関を示す。

 4 濃縮係数は、化学物質の環境中濃度に対する生体内濃度の百分率で表される。


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問138

水道原水に塩素を注入すると、塩素注入量と残留塩素濃度について図のような関係がみられた。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

   

 1 aの塩素量を塩素要求量という。

 2 (b − a) の塩素量を塩素消費量という。

 3 純水の場合には、この原水に比べて、塩素消費量と塩素要求量が大きい。

 4 aとcの間で主に検出される残留塩素は結合残留塩素である。

 5 我が国の水道水消毒では、b以上の塩素量を注入する方法が用いられている。


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問139

活性汚泥法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 活性汚泥法は、生物膜法の一種である。

 2 活性汚泥中には、原生動物は存在しない。

 3 曝気槽では、微生物による有機物の酸化分解反応が起こる。

 4 余剰汚泥は、消化槽で好気的に処理される。

 5 フロックの沈降性が低下すると、有機物の除去効率は下がる。


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問140

PRTR制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。


 1 産業廃棄物の不法投棄を防止するためのものである。

 2 PRTR法で定められている第一種指定化学物質及び第二種指定化学物質は、ともにPRTR制度の対象である。

 3 対象化学物質の届出排出先として、事業所における埋立処分の割合が最も大きい。

 4 国際的な対応として、バーゼル条約が発効している。

 5 対象化学物質のうち、届出排出量・移動量が最も多い化学物質はトルエンである。


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    一般問題(薬学理論問題) 【法規・制度・倫理】(問141〜問150)


問141

医薬品の製造販売業及び製造業に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 1 製造販売業者が、医薬品を自社工場で製造する場合には、製造業の許可が必要である。

 2 製造販売業者が、自ら輸入した医薬品を薬局開設者に販売する場合には、医薬品販売業の許可を必要としない。

 3 製造業者は、製造する品目ごとに製造許可を受ける必要がある。

 4 製造業者が、自ら製造した医薬品を店舗販売業者に販売する場合には、医薬品販売業の許可を必要としない。


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問142

医療法の規定に照らし、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 大学の附属病院であれば、特定機能病院と称することができる。

 2 病院の管理者は、診療に従事していなくても、臨床研修を修了した医師でなければならない。

 3 外来患者の処方せんをすべて院外処方せんとしている病院であれば、専属の薬剤師を置かなくてもよい。

 4 病院においては、医薬品に係る安全管理の体制が確保されなければならない。


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問143

麻薬小売業者AとBの間における麻薬小売業者間譲渡許可(以下「許可」という。)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 許可を受けた場合、麻薬の在庫不足で調剤することができない場合に限り、その不足分をAとBの間で譲渡・譲受することが可能となる。

 2 許可を受けるためには、AとBの麻薬業務所が同一の都道府県内にある必要はない。

 3 許可の申請書は、共同して地方厚生(支)局長に提出しなければならない。

 4 許可を受けた後は、AがBとの間で譲渡・譲受を行った麻薬については、品名、数量等を麻薬帳簿に記載する必要はない。


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問144

毒物及び劇物取締法に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。


 1 毒物は、毒薬と区別することなく、一緒に鍵のかかる設備に貯蔵することができる。

 2 毒物劇物営業者は、毒物又は劇物を直接に取り扱わない営業所についても毒物劇物取扱責任者を置かなければならない。

 3 医薬品の店舗販売業者であれば、毒物及び劇物を販売できる。

 4 毒物の容器及び被包には、「医薬用外」の文字及び赤地に白色をもって「毒物」の文字を表示しなければならない。

 5 毒物劇物営業者は、その取扱いに係る毒物又は劇物が盗難にあい、又は紛失したときは、直ちに、その旨を警察署又は消防機関に届け出なければならない。


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問145

医薬品副作用被害救済制度の説明として、誤っているのはどれか。1つ選べ。


 1 医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害を救済する制度である。

 2 救済は、医療費や障害年金などの給付によって行われる。

 3 救済給付金は、国の補助金で賄われている。

 4 救済給付の申請は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して行う。

 5 輸血用血液製剤などの生物由来製品を介した感染による健康被害は、この制度の救済対象ではない。


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問146

我が国の社会保障制度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 社会保障は、憲法に根拠を置いている。

 2 年金制度は、杜会保険方式の社会保障である。

 3 医療保険制度は、社会扶助方式の社会保障である。

 4 生活保護制度は、社会保険方式の社会保障である。


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問147

医療経済に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 医薬品生産金額の約50%は、一般用医薬品が占めている。

 2 国民医療費の財源には、保険料と公費のほかに患者の一部負担金が含まれる。

 3 新医薬品の薬価は、通常、後発医薬品が薬価基準に収載されるまでの間は変動しない。

 4 薬剤経済分析は、薬物治療を効果と費用の両者から評価するために行われる。


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問148

医薬分業及び保険調剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 いわゆる医薬分業率とは、全患者のうち投薬が必要とされた患者への処方件数に対する院外処方せん枚数の割合である。

 2 医薬分業の機能を活かすためには、処方せんを発行する医療機関と保険調剤を行う薬局の経営が一体となっていることが望まれる。

 3 保険調剤された後発医薬品の割合に応じて、当該保険薬局において算定する調剤報酬が異なる仕組みがある。

 4 保険調剤を受けた者に交付する領収書には、調剤報酬の内容がわかるような記載が必要である。


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問149

新有効成分含有医薬品(既に製造販売の承認を与えられている医薬品と有効成分が明らかに異なる医薬品)の製造販売承認プロセスに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 承認申請書に添付すべき資料には、製造方法に関する資料は含まれない。

 2 審査報告書は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が依頼した大学や医療機関の専門家が作成する。

 3 提出資料の信頼性を調査するため、治験を実施した医療機関に対して現地調査が行われる場合がある。

 4 薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、厚生労働大臣が承認する。


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問150

コミュニケーションに関する説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。


 1 対人コミュニケーション(パーソナルコミュニケーション)では、情報が送り手から不特定多数の聞き手に一方向に送られる。

 2 対面で会話をする場合、情報の受け手は、話し手の表情や声の調子など言葉以外のものから多くの情報を得ることができる。

 3 聞き手が話し手の伝えたい言葉を共感的に繰り返すことは、話を受け止めていることを話し手に伝える方法のひとつである。

 4 答える側が決まった答えではなく、どのようにでも答えられるように聞く質問の形式を「閉じた質問」という。


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