第91回薬剤師国家試験(平成18年3月)

       医療薬学 I(問121〜問180)


問121

細胞間の情報を伝達する物質に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a セロトニンは、神経伝達物質として働き、末梢においては血小板や腸クロム親和性細胞にも存在する。
 b エイコサノイドは、オータコイドとして働き、その受容体にはGタンパク質共役型受容体及びチロシンキナーゼ型受容体がある。
 c アセチルコリンは、神経伝達物質として働き、その受容体にはGタンパク質共役型受容体とイオンチャネル型受容体がある。
 d エンケファリンは、鎮痛作用をもつニューロペプチドであり、末梢作用としては血管収縮作用がある。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)


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問122

自律神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの紐合せはどれか。
 a 硫酸グアネチジンは、神経終末へのノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで交感神経系の機能を増強する。
 b 塩酸プロカテロールは、アドレナリンβ1受容体に対する高い選択性を有する刺激薬である。
 c 塩酸ラベタロールは、アドレナリンβ受容体及びアドレナリンα1受容体に対して遮断作用を示す。
 d 臭化ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して副交感神経系の機能を増強する。
 e ヘキサメトニウムは、自律神経節後神経細胞のニコチン性アセチルコリン受容体に作用して節遮断を起こす。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問123

末梢神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 塩酸テトラカインは、神経細胞内でイオン型となってNa+チャネルを遮断する。
 b オキセサゼインは、酸性下で局所麻酔作用を発揮し、胃潰瘍に伴う疼痛を抑制する。
 c ヘミコリニウム- 3は、神経終末へのコリンの取り込みを阻害してアセチルコリン含量を減少させる。
 d 臭化ベクロニウムは、運動神経終末からのアセチルコリン遊離を阻害することで骨格筋弛緩作用を示す。
 e 塩化スキサメトニウムの骨格筋弛緩作用の第1相は、ネオスチグミンとの併用で抑制される。
  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問124

統合失調症治療薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a フマル酸クエチアピンは、著しい高血糖を招くことがあるので、糖尿病の既往歴のある患者には禁忌である。
 b デカン酸ハロペリドールは、投与間隔が4週間と長いため、統合失調症の維持療法に用いられる。
 c 塩酸ペロスピロン水和物は、セロトニン5 - HT4受容体及びドパミンD2受容体を選択的に遮断することから、セロトニン-ドパミン-アンタゴニスト(SDA)と呼ばれる。
 d クロルプロマジンの重大な副作用に、高Na+血症や低張尿などを特徴とする抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)がある。
 e スルピリドは、末梢のドパミンD2受容体も遮断するため、胃運動を亢進させて胃潰瘍を悪化させる。

  1(a、b)  2(a、e)  3(b、c)  4(c、d)  5(d、e)  

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問125

抗てんかん薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a カルバマゼピンは、Na+チャネルに対する抑制作用を有し、強直間代発作に用いられる。
 b バルプロ酸ナトリウムは、K+チャネルの活性化薬で、すべての型の全般発作に用いられる。
 c プリミドンにはGABAA受容体の機能を増強する作用があるので、フェノバルビタールとの併用で相乗効果が期待できる。
 d クロナゼパムは、ベンゾジアゼピン受容体の遮断薬として作用し、複雑部分発作を抑制する。
 e エトスクシミドは、T電流(低閾値Ca2+電流)を減少させ、欠神発作に用いられる。

  1(a、b)  2(a、e)  3(b、c)  4(c、d)  5(d、e)  

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問126

次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a リン酸コデインは、オピオイドδ受容体を刺激して鎮咳作用を引き起こすが、モルヒネよりもグルクロン酸抱合を受けやすい。
 b 塩酸ナロキソンは、オピオイドμ受容体遮断作用により、急性麻薬中毒による呼吸抑制を改善する。
 c ペンタゾシンは、オピオイドμ受容体における拮抗作用により、麻薬依存症患者において退薬症候群(禁断症状)を誘発する。
 d クエン酸フェンタニルは、オピオイドμ受容体及びκ受容体刺激作用をもち、鎮痛作用が強く作用持続も長い。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)

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問127

免疫系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a タクロリムス水和物は、マクロファージの活性化及び増殖を抑制することにより免疫抑制作用を発現する。
 b テセロイキンは、インターロイキン- 1の遺伝子組換え体であり、キラー細胞を誘導して抗腫瘍作用を示す。
 c ムロモナブ- CD3は、ヒトT細胞表面抗原CD3に対するモノクローナル抗体であり、腎移植後の急性拒絶反応の治療に用いられる。
 d アザチオプリンは、プリンヌクレオチドの生合成を阻害し、臓器移植後の拒絶反応の予防に用いられる。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)

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問128

炎症及び抗炎症薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 炎症部位では、誘導型シクロオキシゲナーゼ(COX-2)が遺伝子の転写促進により発現する。
 b アスピリンによって胃粘膜障害が起きる一因として、胃の構成型シクロオキシゲナーゼ(COX-1)の阻害がある。
 c ジクロフェナクナトリウムは、インドメタシンに比べて胃粘膜障害の発生頻度が低い。
 d ピロキシカムは、強力な鎮痛作用や抗炎症作用を有し、1日1回の内服で有効である。
 e ロキソプロフェンナトリウムは、胃粘膜障害作用が弱いので、消化性潰瘍患者にも使用される。

    a b c d e 
  1 正 正 正 正 誤 
  2 正 正 正 誤 正 
  3 誤 誤 正 誤 誤
  4 正 誤 誤 正 誤
  5 誤 正 誤 正 正

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問129

呼吸器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ジモルホラミンは、呼吸中枢を刺激して呼吸興奮を起こすが、血圧上昇作用もある。
 b リン酸ジヒドロコデインは、塩酸モルヒネより呼吸中枢抑制作用と鎮咳作用は強いが、依存性形成作用は弱い。
 c 臭化水素酸デキストロメトルファンは、右旋性(d体)合成オピオイド化合物で強い鎮咳作用を有するが、嗜癖などの麻薬としての作用はない。
 d 塩酸アンブロキソールは、肺表面活性物質分泌促進作用、気道液分泌促進作用及び線毛運動亢進作用を有する。
 e 塩酸ドキサプラムは、末梢性化学受容器を介して呼吸中枢を刺激するが、血圧降下作用もある。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問130

次の記述のうち、正しいものはどれか。
 1 メチルジゴキシンは、心拍出量を増大させ、副交感神経抑制作用により心拍数を減少させて、うっ血性心不全の症状を改善する。
 2 スピロノラクトンは、抗アルドステロン作用をもつカリウム保持性利尿薬で、うっ血性心不全患者の生命予後を改善する。
 3 ミルリノンは、アデニル酸シクラーゼ活性化を介する細胞内サイクリックAMP(cAMP)濃度の上昇により、心収縮力を増大させて急性心不全の症状を改善する。 
4 ブメタニドは、ループ利尿薬で、水とナトリウムの排泄促進とカリウム保持作用をもち、うっ血性心不全に伴う浮腫を軽減する。
 5 カルベジロールは、交感神経活性の亢進に起因する頻脈や増大しているレニン分泌を抑制するが、心収縮力を減弱させるので慢性心不全患者には禁忌である。

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問131

抗不整脈薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 硫酸キニジンは、Na+チャネルを遮断するが、QT間隔には影響を及ぼさない。
 b アドレナリンβ受容体遮断薬は、異所性ペースメーカー活性の抑制や不応期の延長を起こす。
 c 塩酸リドカインと塩酸メキシレチンは、Na+チャネルを遮断し、活動電位の持続時間を延長する。
 d 塩酸アミオダロンは、K+チャネルを遮断し、QT延長を起こす。
 e 塩酸ベラパミルは、L型Ca2+チャネルを遮断し、房室結節細胞の有効不応期を延長する。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問132

虚血性心疾患治療薬の作用機序に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a アルテプラーゼは、急性心筋梗塞においてプラスミノーゲンの活性化を抑制して血栓溶解を促進する。
 b 低用量のアスピリンは、プロスタグランジンI2の産生を抑制して血小板凝集を阻止することにより、冠血管における血栓形成を予防する。
 c ニトログリセリンは、静脈血管の拡張を介して静脈還流量を減少させることにより、心臓に対する前負荷を軽減する。
 d 酒石酸メトプロロールは、アドレナリンβ1受容体遮断を介して心機能を抑制し、心筋の酸素消費量を減少させる。
 e 塩酸ジルチアゼムは、冠血管のれん縮を緩解して冠血流量を増大させるとともに、心機能を抑制して心筋の酸素消費量を減少させる。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問133

麻酔下の動物を用いた血圧測定実験の結果に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 塩酸イソプレナリンの静脈内注射による血圧降下反応は、塩酸プロプラノロールの前処置によって増強された。
 b ノルエピネフリンの静脈内注射による血圧上昇反応は、24時間前にレセルピンを処置することによって抑制された。
 c アンギオテンシンIIの静脈内注射による血圧上昇反応は、マレイン酸エナラプリルの前処置によって抑制された。
 d メシル酸フェントラミンを静脈内注射後、エピネフリンを静脈内注射したところ、血圧は降下した。
 e 硫酸アトロピン処置後、大量の塩化アセチルコリンを静脈内注射したところ、血圧は上昇した。

  1(a、b)  2(a、e)  3(b、c)  4(c、d)  5(d、e)  

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問134

排尿障害の治療薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 塩酸プロピベリンは、抗コリン作用と直接的膀胱平滑筋弛緩作用をもち、頻尿の治療に用いられる。
 b 塩酸タムスロシンは、アドレナリンα1受容体遮断作用をもち、前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療に用いられる。
 c ネオスチグミンは、コリンエステラーゼ阻害作用により排尿筋を弛緩させるため、頻尿の治療に用いられる。
 d 塩酸クレンブテロールは、β2アドレナリン受容体遮断作用をもち、排尿障害の治療に用いられる。
 e 塩化ベタネコールは、ムスカリン性アセチルコリン受容体刺激を介して排尿障害を改善する。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問135

消化性潰瘍治療薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a オメプラゾールは、酸性条件下で活性型となり、プロトンポンプ分子のSH基と結合してポンプ機能を持続的に阻害する。
 b ファモチジンは、胃粘膜主細胞のヒスタミンH2受容体を競合的に遮断することにより酸分泌を抑制する。
 c スクラルファートは、ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩で、ペプシンを阻害するほか、潰瘍部に結合し、治癒を促進する。
 d レバミピドは、活性酸素の消去作用やプロスタグランジン濃度上昇作用により胃粘膜保護効果を示す。
 e アモキシシリンのヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用は、胃内pHの上昇により低下する。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問136

消化器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ウルソデオキシコール酸は、胆汁分泌を抑制するため、肝内胆汁うっ滞の治療に使用される。
 b C型慢性肝炎に対するインターフェロンの効果は、C型肝炎ウイルスの遺伝子型と治療前のウイルスRNA量に影響される。
 c クエン酸モサプリドは、セロトニン5-HT4受容体を遮断して、消化管運動を抑制する。
 d グリチルリチン製剤は、慢性肝疾患における肝機能異常の改善に用いられる。
 e メシル酸ナファモスタットは、タンパク質分解酵素阻害薬で、急性膵炎や慢性膵炎の急性増悪時に用いられる。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問137

子宮に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a  塩酸リトドリンは、アドレナリンβ1受容体遮断薬であり、流産・早産の防止に用いられる。
 b ジノプロストは、律動的な子宮収縮を引き起こすため、陣痛促進に用いられる。
 c 塩酸ピペリドレートは、ニコチン性アセチルコリン受容体遮断作用を有し、切迫流産・早産の防止に用いられる。
 d マレイン酸エルゴメトリンは、子宮収縮作用を有し、分娩後の弛緩出血の予防・治療に用いられる。
 e オキシトシンは、陣痛誘発や分娩促進の目的で用いられる。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問138

次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ワルファリンカリウムは、ビタミンKに拮抗し、主として腎での血液凝固因子産生を抑制する。
 b 塩酸チクロピジンは、血小板のアデニル酸シクラーゼを抑制し、血小板の凝集及び放出能を抑制する。
 c ジピリダモールは、ホスホジエステラーゼ活性を上昇させ、抗血小板作用を現わす。
 d ウロキナーゼは、プラスミノーゲンをプラスミンに変換し、血栓中のフィブリンを溶解する。
 e アルガトロバンは、トロンビンを選択的に阻害し、血小板凝集を抑制する。

  1(a、b)  2(a、e)  3(b、c)  4(c、d)  5(d、e)  

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問139

眼科領域で用いられる薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 塩酸ジピベフリンは、ノルエピネフリンのプロドラッグであり、瞳孔散大筋を収縮させて散瞳をもたらす。
 b トロピカミドは、散瞳や調節麻痺の目的で使用されるが、緑内障の患者には禁忌である。
 c ヒアルロン酸ナトリウムは、眼球乾燥症候群(ドライアイ)やスティーブンス・ジョンソン症候群に伴う角結膜上皮障害の治療に点眼で用いられる。
 d 塩酸ブナゾシンは、アドレナリンα1受容体遮断薬であり、眼房水の産生を抑制することで眼内圧を低下させる。
 e ピレノキシンには、水晶体の透明性を改善する作用があり、糖尿病性白内障の治療に内服で用いられる。

  1(a、b)  2(a、e)  3(b、c)  4(c、d)  5(d、e)  

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問140

高脂血症治療薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a プロブコールには、コレステロールの胆汁中への異化排泄促進作用はあるが、抗酸化作用はない。
 b ベザフィブラートは、血清中の総コレステロール、トリグリセリド及び高比重リポタンパク(HDL)を低下させる。
 c ニコモールは、血清中の総コレステロールとHDLを低下させるが、トリグリセリドを上昇させる。
 d フルバスタチンナトリウムは、ヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG-CoA)還元酵素を阻害し、血清中の低比重リポタンパク(LDL)を低下させる。
 e コレスチミドは、小腸からの胆汁酸の再吸収を阻害し、肝細胞のLDL受容体数を増加させて、血清総コレステロールを低下させる。

  1(a、b)  2(a、e)  3(b、c)  4(c、d)  5(d、e)  

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問141

下垂体ホルモンに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a プロラクチンは、乳汁分泌に重要な働きを有するホルモンで、ドパミン受容体の刺激により分泌が促進される。
 b 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は、糖質コルチコイド産生を増大させるが、その分泌は血中糖質コルチコイドによるフィードバック制御を受けない。
 c 成長ホルモンには、タンパク質同化促進作用のほか、糖利用を抑制する作用がある。
 d バソプレシン(ADH)の抗利尿作用は、腎の集合管に存在するV2受容体の刺激を介して現れる。
 e プロラクチンは、オキシトシン類似の構造を有するペプチドホルモンで、下垂体後葉から分泌される。

  1(a、b)  2(a、e)  3(b、c)  4(c、d)  5(d、e)  

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問142

インスリンに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a インスリン受容体は、チロシンキナーゼ内蔵型であり、各2個のα及びβサブユニットからなる。
 b 膵ランゲルハンス島β細胞からの生理的分泌は、細胞内へのグルコースの取り込みと、それに続くATP感受性K+チャネルの抑制によって引き起こされる。
 c 肝臓、骨格筋及び脂肪組織へのグルコース輸送を促進することで血糖を調節するが、この機序には糖輸送担体の細胞膜への移動が重要である。
 d 適応症は、1型糖尿病であり、2型糖尿病に使われることはない。
 e 動物実験で催奇形性が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には禁忌である。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問143

内分泌・代謝系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a リオチロニンナトリウムは、T4製剤より速効性のT3製剤であり、甲状腺機能低下症に用いられる。
 b チアマゾールは、甲状腺ペルオキシダーゼの活性化作用を有し、甲状腺機能亢進症の治療に用いられる。
 c 副甲状腺ホルモンは、骨や腎臓に存在する受容体と結合しアデニル酸シクラーゼ活性化を介して、血漿中カルシウムを増加させる。
 d カルシトニンは、甲状腺傍細胞で合成されるペプチドホルモンで、腎臓に作用してカルシウムイオンやリン酸の排泄を促進する。
 e アレンドロン酸ナトリウム水和物は、石灰化と骨吸収を促進し、骨粗しょう症治療薬として用いられる。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問144

抗菌薬の作用機序に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a アンピシリンは、主にトランスペプチダーゼを阻害する。
 b 硫酸カナマイシンは、細胞壁合成を阻害し、広い抗菌スペクトルを示す。
 c 塩酸ミノサイクリンは、30Sリボソームに結合してタンパク質合成を阻害する。
 d リファンピシンは、RNAポリメラーゼと結合してRNA合成を阻害する。
 e クラリスロマイシンは、70Sリボリームの50Sサブユニットに結合してタンパク質合成を阻害する。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問145

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の除菌及びその感染症の治療に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 消毒用アルコールは、MRSAの除菌に有効である。
 b ムピロシンカルシウム水和物は、鼻腔内のMRSAの除菌に有効である。
 c テイコプラニンは、細菌の細胞壁合成阻害作用を有するが、MRSAに対する抗菌力はない。
 d 塩酸バンコマイシンは、消化管から吸収されやすいため、腸管内感染には適用されない。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)

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問146

抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a フルオロウラシルは、5-フルオロ-2'-デオキシウリジン-5'-リン酸に変換され、チミジル酸合成酵素を不可逆的に阻害してDNA合成を抑制する。
 b マイトマイシンCは、アントラサイクリン系薬物で心毒性が強く、心機能に異常のある患者には禁忌である。
 c シクロホスファミドは、チュブリンの重合を阻害し、細胞分裂を抑制する。
 d 塩酸イリノテカンは、トポイソメラーゼI阻害薬で、S期の細胞に特異的な毒性を示す。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)

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問147

次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a クロモグリク酸ナトリウムは、ケミカルメディエーター遊離抑制作用を有し、アレルギー性結膜炎に用いられる。
 b オフロキサシンは、ニューキノロン系抗菌薬で、トラコーマの治療に使用される。
 c ラタノプロストは、プロスタグランジンFの誘導体で、眼房水の流出を促進して眼圧降下を引き起こす。
 d 臭化水素酸ホマトロピンは、瞳孔散大筋のムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断して、散瞳を引き起こす。
 e 臭化ピリドスチグミンは、短時間作用型のコリンエステラーゼ阻害薬で、緑内障の治療に用いられる。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問148

診断用薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ガドジアミド水和物に含まれるガドリニウムイオンは、常磁性を示し、X線CT画像のコントラストを強める。
 b メチラポンは、下垂体TSH分泌機能検査に用いられる。
 c ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、妊娠成立早期から産生分泌されるので、尿中hCGの有無が妊娠診断に使用される。
 d 酢酸ゴナドレリンは、下垂体LH分泌機能検査に用いられる。
 e 精製ツベルクリンは、皮下注射で結核の診断に用いられる。

  1(a、b)  2(a、e)  3(b、c)  4(c、d)  5(d、e)  

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問149

非臨床試験に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 一般毒性試験は、単回投与毒性試験と反復投与毒性試験に大別される。
 b 反復投与毒性試験とは、6ヶ月を超える長期連続投与試験のことである。
 c 臨床試験を開始するためには、すべての非臨床試験の結果が得られていなければならない。
 d 生殖・発生毒性試験は、被験薬物の催奇形性作用を明らかにすることを目的とする。
 e 依存性試験は、特殊毒性試験に属し、被験薬物の身体依存性と精神依存性を明らかにする目的で実施される。

  1(a、b)  2(a、e)  3(b、c)  4(c、d)  5(d、e)  

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問150

薬物中毒とその処置法及び解毒薬に関する記述のうち、正しいものの組合わせはどれか。
 a 血液吸着(hemoperfusion)は、血液中の有害物質を吸着剤に接触させて除去する方法であり、タンパク結合性の強い薬物も効果的に除去できる。
 b ジメルカプロール(BAL)は、分子内に2つのSH基をもち、ヒ素や水銀などの重金属とキレートを形成して体外排泄を促進する。
 c 活性炭は、消化管内の未吸収薬物の吸着には有効であるが、吸収された薬物の排泄促進には無効である。
 d ヨウ化プラリドキシムは、ムスカリン性アセチルコリン受容体遮断作用を有し、有機リン系殺虫剤の中毒時に解毒薬として投与される。
 e フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン系薬の急性中毒に用いられる。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、c、d)
  4(b、d、e)  5(c、d、e)  

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問151

物質の生体膜透過に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a D - グルコースの生体膜透過は担体介在輸送によって効率良く起こり、促進拡散と能動輸送の2種類の機構が存在する。
 b アミノ酸やジペプチドの担体介在輸送は二次性能動輸送である。
 c 腎尿細管での再吸収が単純拡散で起こる場合は、塩基性薬物の腎排泄速度は尿がアルカリ性になれば増加する。
 d 膜動輸送により起こる高分子の膜透過にはエネルギーが必要である。

    a b c d
  1 正 誤 正 誤  
  2 正 誤 誤 誤  
  3 誤 正 正 正 
  4 正 正 誤 正 
  5 誤 正 誤 誤 

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問152

薬物の消化管吸収と胃内容物排出速度に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 塩酸イミプラミンは胃内容物排出速度を増加させるので、併用した薬物の吸収速度は大きくなる。
 b 臭化プロパンテリンは胃内容物排出速度を減少させるので、アセトアミノフェンの吸収速度は小さくなる。
 c 食物摂取により胃内容物排出速度が増加し、セファクロルの吸収速度は小さくなる。
 d 食物摂取により胃内容物排出速度が減少し、リボフラビンの吸収量は増加する。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)  4(b、c)  5(b、d)  

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問153

薬物の経肺吸収に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 肺胞の上皮細胞層は薄く、他の投与経路に比べて高分子薬物が吸収されやすい。
 b 肺からの低分子薬物の吸収は基本的にはpH分配仮説に従い、受動拡散で吸収される。
 c 全身作用を目的とした投与剤形はエアゾール剤に限られる。
 d 薬物粒子を肺胞に効率よく沈着させて吸収させるためには、粒子径を0.5μm以下にする必要がある。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)

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問154

薬物のタンパク結合がLangmuir型で表されるとき、次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a タンパク質が薬物分子に対して同じ親和性をもつとき、横軸に薬物の非結合形濃度の逆数、縦軸にタンパク質1分子当たりの結合形薬物分子数の逆数をとると右上がりの直線が得られ、縦軸との切片の逆数はタンパク質1分子当たりの薬物の結合部位数となる。
 b 結合定数が大きい薬物では、薬物濃度がある限度以上になると、血漿中の非結合形分率が急激に増大し、過度の薬効を発現する場合がある。
 c タンパク結合における競合的阻害現象がある場合、阻害物質の存在で、当該薬物の見かけの結合定数が減少するが、タンパク質の結合部位の数には変化はない。
 d フェニルブタゾンは、ワルファリンの血漿タンパク結合を非競合的に阻害する。

    a b c d
  1 正 正 正 誤 
  2 誤 正 誤 正 
  3 正 誤 誤 正 
  4 正 誤 誤 誤
  5 誤 誤 正 正 

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問155

リンパ系への薬物移行に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a リンパ系へ移行した薬物は、血液循環系へ移行した薬物に比べて速やかに全身へ分布する。
 b リンパ管の内皮細胞では、その間隙が大きく開いているところがあるため、血管に比べて分子量の大きな物質が透過しやすい。
 c 消化管からリンパ系を介して吸収された薬物は、肝初回通過効果を受ける。
 d 消化管から脂溶性の高い薬物が吸収された場合、リンパ系に移行しやすい。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)

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問156

薬物代謝に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 薬物代謝酵素は、ミクロソーム分画のみに存在している。
 b シトクロムP450(CYP)による基本的な代謝様式は、加水分解である。
 c フェニトインは、CYPによって酸化される。
 d コデインは、代謝を受けてモルヒネに変換され、鎮痛作用が増強される。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)

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問157

薬物代謝酵素に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 薬物代謝酵素に対して誘導作用と阻害作用の両方を示す薬物がある。
 b フェノバルビタールは、グルクロン酸転移酵素を含む複数の薬物代謝酵素を誘導する。
 c シメチジンはシトクロムP450(CYP)のヘム鉄と複合体を形成し、CYPの代謝活性を増強する。
 d リファンピシンは、肝細胞内の核内レセプターに結合してCYPの分子種CYP3A4を誘導する

    a b c d
  1 正 誤 正 誤  
  2 誤 正 誤 誤 
  3 正 誤 誤 正 
  4 正 正 誤 正 
  5 誤 誤 正 正 

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問158

高齢者に対する薬物投与に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 腎機能が低下しているので、腎排泄型薬物は副作用の発現に注意が必要である。
 b 体内水分量が減少しているので、利尿薬を用いる場合は注意が必要である。
 c 体液量ならびに体組織量が減少し、相対的に血中薬物濃度が低下しているので、作用発現には注意が必要である。
 d 血漿中アルブミン濃度が低下しているので、血漿アルブミンと結合する薬物を用いる時には注意が必要である。
 e 胃液分泌機能の亢進や、消化管運動の低下が起こるので、薬物を経口投与する時には注意が必要である。

    a b c d e
  1 正 正 誤 正 誤
  2 正 誤 正 誤 正 
  3 誤 正 誤 正 誤
  4 正 正 正 誤 誤
  5 誤 誤 正 誤 正 

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問159

薬物の体内動態の変動要因に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a テオフィリンの体重当りの全身クリアランスは、成人に比較して、小児では高く、高齢者では低い。
 b 脂肪肝症状を示す患者の薬物代謝能は、肝硬変患者の薬物代謝能よりも低い。
 c イソニアジドのアセチル化代謝反応には遺伝的多型があり、日本人では白人に比べ、アセチル化能が低い人の割合が多い。
 d シトクロムP450(CYP)の分子種CYP2D6には遺伝子多型が存在するので、poor metabolizer群ではextensive metabolizer群に比較して、ノルトリプチリンの消失が遅い。
 
  1(a、b)  2(a、d)  3(b、c)  4(b、d)  5(c、d)  

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問160

病態時の薬物体内動態に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a トルブタミドは、肝固有クリアランスが小さいため、肝血流量が低下すると、全身クリアランスが低下しやすい。
 b うっ血性心不全の患者では、健常人に比べ心拍出量が減少するために、リドカインの全身クリアランスは低下しやすい。
 c プロカインアミドは、腎臓からの未変化体の排泄率が小さいために、腎障害時には消失半減期が短くなりやすい。

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問161

ある薬物300 mgをヒトに静脈内投与したところ、下の片対数グラフに示す血中濃度と時間の関係が得られた。この薬物を6時間ごとに300 mgをくり返し急速静脈内投与して得られる定常状態での平均血中薬物濃度(μg/mL)に最も近い値はどれか。

  1 1.8  2 3.6  3 7.2  4 14.4  5 28.8

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問162

図1の実線は、薬物Aの静脈内投与後の尿中排泄速度を時間に対して片対数プロットしたものである。図2の実線は、同じ薬物Aの経口投与後の血中濃度を時間に対して片対数プロットしたものであり、1点鎖線(−・−)は十分長い時間経過した後の血中濃度曲線を時間0に外挿したものである。また、破線(- - - - - )は1点鎖線の値から実線の値を差し引いた値を時間に対して片対数目盛りで示したものである。
 薬物Aの吸収速度定数(hr-1)として、最も近い値は次のどれか。ただし、この薬物の吸収及び消失過程は線形1-コンパートメントモデルに従うものとする。

  1 0.069  2 0.12  3 0.69  4 1.2  5 2.3

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問163

ある薬物を同一被験者に100 mgを急速静脈内投与、あるいは200 mgを経口投与した後の血中濃度を測定し、それぞれ表に示す結果を得た。ただし、この薬物は肝代謝のみで消失し、体内動態は線形性を示すものとする。肝血流速度を100 L/hrとして、経口投与時の門脈血中へ移行する割合(消化管透過率)(%)に最も近い値はどれか。

              急速静脈内投与    経口投与
    投与量(mg)      100        200
 血中濃度時間曲線下面積     5         4
   (mg・hr/L)

  1 40  2 50  3 60  4 70  5 80

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問164

血中薬物濃度モニタリング(TDM)に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a バンコマイシンを経口で投与する場合は、TDMの対象とならない。
 b ゲンタマイシンを点滴投与した患者の最高血中濃度の測定では、点滴終了3 hr後に採血を行う。
 c テオフィリンのTDMとして、最高血中濃度の測定を行うことがある。
 d 炭酸リチウムのTDMでは、血清を分離せずに全血中濃度として測定する必要がある。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)

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問165

薬物Aの水溶液中(初濃度40 mg/mL)での分解過程について、時間(hr)に対して濃度C(mg/mL)の常用対数値をプロットしたところ、下のグラフのようになった。次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

 a 分解は0次反応速度式に従っている。
 b 反応の半減期は約8時間である。
 c 反応速度定数は、0.1 hr-1である。
 d 反応開始から20時間後には、薬物Aの約99%が分解することが予測される。

    a b c d
  1 正 正 誤 誤 
  2 正 正 誤 正 
  3 正 誤 正 誤 
  4 誤 正 正 誤 
  5 誤 誤 正 正 
  6 誤 誤 誤 正 

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問166

粉体の粒子径あるいは粒子径分布に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 顕微鏡法では、個数基準の粒子径分布が得られる。
 b 沈降法では、質量基準の粒子径分布が得られる。
 c 同一粉体では、個数基準分布から得られるモード径は、質量基準分布から得られるモード径よりも大きい。
 d 同一粉体では、体積平均径は、面積平均径よりも小さい。
 e マーチン径は、粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径で表したものである。

    a b c d e
  1 誤 正 正 正 誤
  2 正 正 誤 正 正
  3 誤 誤 正 正 正 
  4 正 正 誤 誤 誤
  5 正 誤 誤 誤 正

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問167

一定量の粉体試料を底面積3 cm2の円筒容器に静かに充てんしたところ、高さは10 cmとなり、その空隙率は55%であった。次にその粉体の入った容器を一定の高さから一定速度で繰り返し落下させてタップ充てんしたところ、粉体層の高さは7 cmとなった。このときの空隙率(%)として最も近い値はどれか。

  1 33  2 36  3 39  4 42  5 45

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問168

ある固体薬物の結晶多形であるI形とII形は互変二形の関係にある。ファントホッフ式から求めたI形の溶解熱は28 kJ/mol、II形の溶解熱は21 kJ/molであり、I形とII形の転移温度は83℃であった。次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。ただし、温度10℃から90℃の間で溶解熱は変化しないものとする。
 a 37 ℃における溶解度はI形<II形である。
 b 37 ℃における溶解度はI形>II形である。
 c 37 ℃における溶解度はI形=II形である。
 d 83 ℃における溶解度はI形=II形である。
 e 90 ℃における溶解度はI形<II形である。

  1(a、d)  2(a、e)  3(b、d)
  4(b、e)  5(c、e)  6(d、e)

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問169

固体薬物の溶解速度を測定した結果、下記のデータを得た。みかけの溶解速度定数(cm-2・min-1)として最も近い値はどれか。ただし、薬物の溶解度は2.0 mg/mL、固体薬物の有効表面積は1 cm2であり、実験中表面積は変化しないものとする。この時間内ではシンク条件が成立しているものとする。

      時間(min)    0    1    2    3    5
 溶液の薬物濃度(mg/mL)  0   0.021  0.039  0.061  0.100

  1 0.01  2 0.02  3 0.03  4 0.04  5 0.05 

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問170

界面活性剤に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a イオン性界面活性剤水溶液では、クラフト点以上になるとミセルが形成されない。
 b 非イオン性界面活性剤水溶液では、曇点以上になると2相分離が起こり、溶液は白濁する。
 c Hydrophile-Lipophile Balance(HLB)が大きい界面活性剤ほど親油性である。
 d ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、非イオン性界面活性剤に分類される。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)

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問171

レオロジーに関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ニュートン流動では、粘度はせん断速度の増加に比例して増加する。
 b 塑性流動には降伏値があり、この値より大きなせん断応力ではせん断速度に無関係に粘度は一定の値である。
 c ダイラタント流動では、粘度はせん断速度の増加とともに減少する。
 d チキソトロピーを示すものでは、流動曲線(レオグラム)の上昇曲線と下降曲線は同一とはならない。

  1(a、b)  2(a、c)  3(a、d)
  4(b、c)  5(b、d)  6(c、d)

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問172

日本薬局方の試験法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
 1 直径20.0 mm以上の大きさの製剤、腸溶性の製剤、徐放性の製剤及び溶出試験の適用を受ける製剤には、崩壊試験法を適用しない。
 2 軟カプセル剤の質量偏差試験法は、内容物が固形ではないため内容物を含むカプセル全質量について行う。
 3 溶出試験法の1つに、フロースルーセル法がある。
 4 プラスチック製医薬品容器試験法の透明性試験第1法は、容器表面に凹凸やエムボス加工がある容器の試験に適用できる。
 5 輸液用ゴム栓は、溶血性試験を行う必要はない。

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問173

カプセル剤に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a 硬カプセルの充てん方式にはdisc式、compress式、Auger式などがある。
 b ロータリーダイス法は、二重ノズルの内側と外側から薬液と被膜液を吐出して軟カプセルを製造する方法である。
 c 5号カプセルの内容量は、1号カプセルの内容量より大きい。
 d スパンスル型カプセルは、速放出性顆粒と種々の徐放出性顆粒を混合してカプセルに充てんしたものである。

    a b c d
  1 正 正 誤 誤 
  2 誤 誤 正 正 
  3 正 誤 誤 正 
  4 誤 正 誤 正 
  5 正 正 正 誤 

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問174

無菌製剤の製剤添加剤に関する記述のうち、正しいものはどれか。
 1 日本薬局方インスリン注射液には、等張化剤として塩化ナトリウムが添加されている。
 2 用時溶解して用いる注射剤には、賦形のみを目的とする添加剤を加えてはならない。
 3 ブドウ糖輸液製剤には、通例保存剤を添加する。
 4 点眼剤には、pHを調整する目的で無害の酸又はアルカリを加えてはならない。
 5 塩化ベンザルコニウムは、点眼剤用保存剤としても用いられる。

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問175

滅菌に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a 最終滅菌を適用できる医薬品には、通例、10-6以下の無菌性保証水準が得られる条件で滅菌を行う。
 b 最終滅菌法では、生存菌数(生存率)を1/100に低下させるのに要する時間(または線量)をdecimal reduction value(D値)という。
 c 微生物殺滅法における方法の1つに照射法がある。
 d 微生物殺滅法におけるガス法では、塩素ガスが広く用いられている。
 e 微生物由来の発熱性物質は、高圧蒸気法やろ過法(孔径0.22μmフィルター)で破壊あるいは除去できる。

  1(a、b)  2(a、c)  3(b、c)
  4(b、e)  5(c、d)  6(d、e)

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問176

次図はフィルムコーティング錠の製造工程の例である下のA〜Eは各種製剤機械の模式図を示す。単位操作 (1)〜(3)に用いられる装置に関して、正しい組合せはどれか。ただし、図中の矢印(⇒)は空気の流れを示す。


    (1) (2) (3)
  1 A  B  E 
  2 A  D  C  
  3 B  A  D  
  4 B  C  E  
  5 C  A  D  
  6 C  B  E

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問177

医薬品の容器に関する記述のうち、正しいものはどれか。
 1 SP包装、PTP包装、ガラスびんはいずれも気密容器である。
 2 局方における容器とは、医薬品を入れるもので栓やふたは含まれない。
 3 エアゾール剤は密閉容器を使用することが規定されている。 
 4 注射剤に着色ガラス容器を用いた場合は、注射剤の不溶性異物検査法は適用されない。
 5 水性の注射剤にはプラスチック製容器を用いてはならない。

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問178

放出制御型薬物送達システムに関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a マトリックス型製剤は、膜制御型製剤に比べて一定の薬物放出速度を示す。
 b 時限放出型製剤は、特定の消化管部位での薬物放出を目的として利用される。
 c マトリックスからの薬物放出がHiguchi式に従う場合、累積薬物放出量は、時間の2乗に対して比例する。
 d 水に不溶性の高分子で皮膜を施した製剤では、リザーバー内の薬物濃度が飽和状態にある期間は、薬物が一定速度で放出される。

    a b c d
  1 正 誤 正 誤  
  2 誤 正 正 誤 
  3 正 正 誤 正 
  4 誤 正 誤 正 
  5 誤 誤 正 正 
  6 正 誤 誤 誤

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問179-180

抗腫瘍薬メトトレキサートに関する以下の問に答えよ。

問179
メトトレキサート(下図)の記述(a〜e)のうち、正しいものの組合せはどれか。

 a 細胞内でテトラヒドロ葉酸と拮抗して作用する。
 b 細胞内のC2ユニット(エチル基)の運搬体として働く。
 c 分子中のグルタミン酸部分は、D体構造である。
 d 長期使用患者では、貧血を生じやすい。
 e 尿をアルカリ化すると溶解度が増加するので、尿細管内での析出による腎障害の防止に有効である。

  1(a、b、c)  2(a、b、e)  3(a、d、e)
  4(b、c、d)  5(c、d、e)  

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問180

メトトレキサートを静脈内投与後の男性患者の薬物体内動態パラメータについて以下のデータが得られている。

  血中消失半減期       7 hr
  血漿タンパク結合率     50%
  尿細管分泌クリアランス   137 mL/min
  尿細管再吸収率       25%

この患者にプロベネシドを併用投与したところ、血中からのメトトレキサートの消失が遅延した。メトトレキサートの尿細管分泌クリアランスはプロベネシドの併用で40%低下することが知られている。プロベネシド併用時のメトトレキサートの腎クリアランス値(mL/min)として最も近い値はどれか。なお、この患者の糸球体ろ過速度(GFR)は125 mL/minとする。

  1 63  2 89  3 109  4 125  5 150  6 175

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