国立大学附属病院
2000年問題危機管理マニュアル
(部門危機管理マニュアル)
平成11年6月
文部省高等教育局医学教育課大学病院指導室
国立大学附属病院コンピュータ西暦2000年問題対策委員会
2000年問題 部門危機管理マニュアル
目次
1 本計画の目的 1
2 対象とする部門 1
3 対象とする資源 1
4 問題発生の可能性と影響の想定 1
5 問題発生の事前予防対策の方針 1
6 問題発生想定日の設定 2
7 部門対策本部の設定とその役割 2
8 問題発生想定日の警戒・監視行動計画 2
9 問題発生時の対処行動計画 3
10 情報の収集と広報 4
11 教育と訓練 4
12 計画の改定方針 4
13 資料 4
1 本計画の目的
コンピュータなどのプログラムが西暦2000年以降の日付に対応していないと、システムが正常に機能しないという問題(2000年問題)があり、特に医療は人の生命に大きくかかわることから、当部門においてもこの2000年問題に対して万全な対応・対策を講ずる必要があるため。
2 対象とする部門
- 臨床部門: 各診療部門、特に各病棟、救急部、分娩部門、新生児・小児科部門、
手術部、ICU・CCU、看護部
- 治療サポート部門: 検査部、薬剤部、放射線部、病理部、輸血部、血液浄化治療部、
材料部、医療情報部
- 管理部門: 事務(設備、機械、電気、栄養管理)
3 対象とする資源
- コンピュータシステム(病院情報システム、放射線部門情報システム、etc.)
- コンピュータネットワーク(LAN)
- 医療機器:中央管理の医療機器、各部門管理の医療機器
- 一般・医療設備:電力、水道、都市ガス、医療ガス、通信、空調、搬送、防災設備、セキュリティシステム
4 問題発生の可能性と影響の想定
ライフライン・資源・消耗品(含食料)の不足・供給停止
機器の誤動作(日付の混乱、入力値の誤り、入力拒否、動作の混乱、完全停止)
交通機関の混乱による2次的問題(資源供給の停止、人員不足、搬送不能)
5 問題発生の事前予防対策の方針
- 基本方針:
様々な事態を想定して対策を講じる。
警戒日には入院患者および外来患者に最適な対応がとれるように配慮する。
警戒日の救急態勢の充実に努める。
- 部門ごとの方針:
対象機器/設備のリストアップと動作確認
問題があれば使用制限・使用禁止・代替機器/設備の導入
2000年対応(青)・未対応(黄)・非対応(赤)シールの貼付
スタッフの配置方法、部門内での連絡、院内全体への連絡
模擬テスト実施
模擬テスト結果のまとめと部門内および全体への周知
- 病院情報システムの停止の場合:
代替手段(オーダー、会計、処方箋発行など)の準備
1
6 問題発生想定日の設定
- 最警戒日
1999年12月31日(火)深夜−2000年1月1日(水)早朝
- 警戒日
2000年1月4日(火) (2000年の外来初日)
2000年2月28日(月)深夜−2000年2月29日(火)早朝 (閏年,3/1と誤認する可能性)
- 注意日
1999年9月8日(水)深夜−1999年9月9日(木)早朝 (日付9999による影響)
2000年最初の手術日、検査日
2000年最初の週末処理日 例:2000年1月9日(日)
2000年1月9日(日)深夜−2000年1月10日(月)早朝 (20000年初の日付7桁)
2000年最初の月末処理日 例:2000年2月1日(火)
2000年最初のレセプト処理日 例:2000年2月3日(木)
1999年度末集計を行う日 例:4月始め頃
2000年10月9日(土)深夜−2000年10月10日(日)早朝 (2000年初の日付8桁)
2000年12月31日(日)深夜−2001年1月1日(月)早朝 (2001年最初の日)
7 部門対策本部の設定とその役割
- 部門対策本部の設置場所
- 部門対策本部の設置条件:
- 運営期間、人員、スケジュール
[例示]
- 最警戒日・警戒日
障害発生が予想される3時間前から設置、部門対策本部に常駐する。
- 注意日
部門担当者は部門内に常駐し、対策本部室との連絡が取れることを確認しておく。
- 部門対策本部の体制:
部門責任者1、部門担当者2
- 部門対策本部の機能と役割分担:
部門責任者は対策本部による対策指示のもと、その部門で問題が生じないよう対策を講じる。
部門担当者は実際に現場に常にいて監視する、部門担当者は昼夜交代制のため、各2名
8 問題発生想定日の警戒・監視行動計画
基本方針:
患者の一極集中管理、生命維持装置の停止に備える、緊急診療体制の確保
2000年非対応機器(赤シール貼付)は原則使用不可。
2000年未対応機器(黄シール貼付)は使用を避け、不可避的使用の際には、
誤動作や停止に備えた態勢のもと、十分注意を払って使用する。
2000年対応点検済機器(青シール貼付)の使用時も十分注意を払う。
2
- 部門の行動計画
監視対象項目、監視者、監視スケジュール、監視方法
最警戒日・警戒日の行動計画
- 最警戒日・警戒日の行動計画
部門責任者は、部門内に使用されている全機器の調査状況報告書を保持する。特に黄色シール・赤色シールの機器については所在と使用状況を把握する。また、マイクロチップ内蔵機器も所在と使用状況を把握する。
23:30から1:00までを警戒体制とする。
患者に使用する医療機器を必要最小限にする。
病棟医師は何らかの医療機器を継続して使用する必要のある受け持ち患者を1箇所に集め、状態を容易に把握できるようにする。もしも該当患者を1部屋に集めることができない場合は、同等の監視態勢が取れるように人員を手配する。
必要な医療機器については非常用電源(赤いコンセント)に接続されていることを確認する。
医療機器で問題があるとされている機器(赤色シール)が付されているものは使用しない。軽度の問題がある機器・未対応機器(黄色シール)は0:00になるまで電源を切る等、最適な処置を取る。その他の機器のうち、マイクロチップが内蔵されているもの(輸液ポンプ、etc.)は必ず監視対象とする。
23:50になった時点で各患者に使用している機器の動作をチェックする。このチェックは0:30まで10分ごとに繰り返す。(個々の機器の時計の進みや遅れに注意すること)
黄色シールが貼られているものはすべて(必要なものから)、0:00を過ぎてから電源を投入し、動作を確認する。
1:00を過ぎて何も異常がなければ解散。異常事態が生じた場合は適切な処置が取られたことを確認してから解散。以降は通常業務に戻る。
- 注意日の行動計画
監視項目は最警戒日と同様。
監視スケジュールは問題発生想定日に1回だけとする。
- 緊急連絡体制
[例示]
部門担当者は緊急連絡網を受け取り、対策本部との連絡体制を確立する。
電話が使用できない場合にも配慮すること。
部門担当者は部門内の連絡体制を整備する。
- 情報の伝達
資源/医療機器に関する緊急時の問い合わせ窓口
9 問題発生時の対処行動計画
基本方針:患者の安全を最優先とする。
問題の把握と伝達、応急処置、復旧作業、広報方針、後処理・入力漏れへの対処
3
[例示]
障害発生機器:人手による処置、大体機器への移行、障害発生機器の対策室への連絡、記録
何らかの以上が認めれれた場合は、迅速にあらかじめ用意してある代替処置に切り替える。
同時に異常発生のランクと機器名称を病棟内の部門責任者に伝える。
部門責任者は同様の機器が部門内で使用されていれば、部門内に該当機器の代替処置を指示する。
同時に対策本部に連絡し、異常機器の動作内容と患者への影響を「障害報告書」に記載する。
異常を生じた機器を集めて「使用禁止」と明記し、以降の事故予防に備える。
10 情報の収集と広報
情報収集(機器対応状況)とその情報の更新、連絡網の整備、文部省への報告、報道機関への説明
[例示]
機器・システム調査表のアップデート
オーダー情報(給食・処方・注射指示)のプリントアウト
11 教育と訓練
職員への危機管理マニュアルの配布と周知及び協力要請、担当者を中心とした代替機器・代替手順の訓練、患者・患者の家族への説明
12 計画の改定方針
[例示]
10月1日、12月1日に各部門および総合危機管理計画の見直しを行う。
13 資料
対象機器などのリストと2000年問題対応状況一覧
部門別ハイリスク患者一覧(ハイリスクの理由も添える)
資源別の問題想定データ(どの資源に問題が生ずると、どんな問題が起こるか)。
(例)水の供給が断たれると、どんな問題が生ずるかを具体的に記述。
無停電電源装置(持続時間と能力)
非常用発電機(持続時間と能力)・各部門のコンセント配置
貯水資源(場所と容量)
電力供給優先リスト(地図)
給水優先リスト(地図)
問題発生時の連絡表(内部連絡・外部連絡)
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