（ある難病の患者さんと面談した後の追伸から）
先日の面談で、「（今後も治療法は開発されないと）諦めるのは無駄。無駄なことは止めましょう」と申し上げました。もう少し踏み込んで解説します。
世界中の研究者が名誉と一攫千金を狙ってこの病気の治療法を研究しています。名誉とお金に対する欲望に囚われたこの人達に、研究を諦めさせることはできません。だから、ナポレオン以上の独裁者でも無い身で、治療開発の可能性を将来にわたって否定するなんて芸当は、何人にも不可能です。これが、「諦めるのを諦める」の意味です。
では、諦めるのを止めてどうするのか？私は「わからないを受け入れる」ことにしています。あたかも自分が神のように、地球上の全ての事象を知り得るような妄想を抱いて「諦める」のは、この上なく傲慢な態度です。そういう傲慢な自分に対して「そんなもん、わかるわけねえだろ、バーカ」とツッコミを入れて、わからないを受け入れる謙虚な自分は素敵です。