これから先

”若い人はこれから先があっていいですね”と,年寄りから言われると,”馬鹿野郎”と,若いあなたは叫びたくなるに違いない.

”これから先があること”が,いいことなのか?だって,あんたらは,ことあるごとに,”こんな世の中”と嘆いているじゃないか.だったら,かわいそ うにと同情してくれてもよさそうなもんじゃないか.それなのに,”いいですね”か? 冗談じゃねえよ.”こんな世の中”を作り上げたあんたらは責任をとっ たのか?

でも放っておきなさい,哀れな年寄りどものことなんか.彼らは,加齢現象による記銘力低下で,自分の若い頃の不安を忘れてしまっただけなのだから. 昔の記憶ばかりじゃない.”人生一寸先は闇だ” なんてわかった風なことをお説教を垂れたそばから,”将来のために必死で勉強しろ”なんて言うんだから, 説教の垂れ流し,常時失禁もいいところだ.そんな連中は放っておきなさい.馬鹿は死ななきゃ治らないんだから.

この先どうなるかと思うと誰でも不安になる.先があるからこそ悩んでいるんだ.そうだよね? お医者様と崇められた時代しか知らない人間 に何がわかる.自分達は,どんなに最善を尽くしても,結果が悪ければそれだけで業務上過失致死で警察に引っ張られる時代に医者をやらなくちゃならない自分 達のことなんて,年寄りどもはわかっちゃいない.そう思っているんだよね.

君たちに先があることは事実だ.ただ,その内容がどうなるかは誰にもわからない.誰にもわからないものを,どうしてあなたはわかろうとするのか.自分が予言者だと思わないのならば,先がどうなるかなんて思い悩むべきではない.ましてや,出来の悪い年寄りどもに付き合う理由はこれっぽっちもない.

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